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アラサーでも遅くない!“好きなこと”を仕事にする方法

  • 2018.2.9
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夢を語れない大人になった今だから、夢を夢のままに終わらせなくて済む。本当にやりたい仕事をみつけ、会社員を辞めて“手に職”をつけた女性に話を聞きました。花屋を営むフラワーデザイナーの伊藤真実さんは元・紳士服販売員。会社を辞めたのは26歳のときでした。

いつか花で自分のブランドを持ちたい

花屋「plain」のフラワーデザイナー・伊藤真実さんは、世界的に有名な一流スーツブランドの日本支社に新卒で入社。紳士服販売員として4年勤めた後、26歳で花屋に転職しました。
「お花屋さんになりたいんです」と言うと、職場の上司や先輩はもとより面接を受けに行った花屋のスタッフにまで「え!?なんで?」と驚かれたそう。まったくの異業種、かつ未経験となれば給料や待遇も見込めない転身。きっかけは何だったのでしょう。

「紳士服販売員として勤務していた店舗に、隔週でお花屋さんが花を活けに来てくださっていました。私は通常の接客・販売業務に加え、ウインドウのコーディネートや店内のラック展開などのディスプレイを担当していたこともあり、空間コーディネートにおける花や植物の影響の大きさに魅せられていくように。また、活ける方のセンスと技術だけで勝負できる仕事にも憧れ、『いつか花で自分のブランドを持ちたい』と思うまでになりました」

「お花屋さんになると決意したものの、その時に空で言える花の名前は2、3種類…(笑)。本屋に駆け込んで自分好みのフラワーアレンジメントの本を見つけ、その筆者にレッスンの問い合わせをしました。休日に週1でレッスンへ通い、マンツーマンだったこともあって、先生に根掘り葉掘り業界のことを聞いて、『それでもやりたいか』と自問自答を繰り返した1年でした。やらないという答えは初めからなかったんですけどね。短い人生の中で本当にやりたいと思う職業が見つかって、私はなんてしあわせ者なんだろうっていう気持ちの方が強くて」

勇気がいる方へ目的を見失わずに進む

転職先の花屋は、紳士服販売員として勤めていた店舗の近く。しかし縁もゆかりもない店でした。伊藤さんと花を結びつけるきっかけとなった、お花屋さんに相談すれば、もっと話が早かったのでは?と聞くと「自分で自分を追い込まないと、どこまでもラクしちゃうんです。だから物心ついた頃から勇気の要る方を選ぶようにしていて、クセになっているのかな?ラクな方は選びませんでした」と伊藤さん。
しかし、いばらの道をただやみくもに進むわけではなかったようです。

「お花屋さんに転職する際、ゆくゆくはブライダルをやらせて欲しいとお願いしました。ブライダルのブーケや会場装花には特別な技術が要り、通常のアレンジメントはできてもブライダルはできないお花屋さんもいると聞いていたので、ブライダルができれば、いつか自分のお店を持った時、プラスになると思って。
お花屋さんに就職してからは、寒い、痛い、辛い、眠い、終電、始発、終電、始発の毎日でした。でも、『やりたいこと』と『つらいこと』はワンセット。20代のうちは修業と決めて、体力的には限界でしたけど、精神的にはすごく前向きだったんです」

「そんな修業時代、紳士服で担当させていただいていたお客様が来店。たくさんのお花を購入してくださって『この花は伊藤さんにあげるから、これで花束の練習をしなさい。出来上がった花束は写真に撮って送ってくれればいいから』って。まだ花にもなかなか触れられない見習いだったので、本当に有難かったです。そのお客様を含め、私の身勝手を許してくれた元上司や家族に、恥じない仕事をしなきゃ。いつかこの仕事で、ご恩返ししなきゃという気持ちもパワーになりました」

気の進まない仕事がターニングポイントに

勤務していた花屋がブライダル専門の支店を出すと、伊藤さんはそこの店長に。転職してから半年後のことだったそうです。やりたいことを周囲と共有し、いばらの道を進むにもどこへ向かうか、向かいたいかを宣言しておくことの大切さを物語るよう。

「いつか花で自分のブランドを」という夢がかなったのは、花屋に勤めて4年後、ちょうど30歳になった時でした。花や植物という素材そのものを活かすという意味を込めて店名は『plain(プレーン)』に。お店の場所は、結婚したご主人の地元・埼玉県さいたま市浦和区。ウエディングブーケやブライダル装花。レストランやアパレルなど店舗への出張装花のほか、生花やドライフラワーを用いるオーダーメイドのフラワーレッスンが人気です。

「思い返してみるとターニングポイントは、紳士服の販売員時代にディスプレイ担当になったことでした。『コーディネートや色合わせの勉強になるから』と言う上司の勧めで担当することになりましたが、本当は店舗のイベントなどを企画・運営をするプロモーション担当を希望していました。正直、ディスプレイには何の関心もなかったんです。でも、担当となりカラーコーディネートや空間コーディネートを学んだから視界が開けて、新たな道を見つけることができました。
自分の志すものを見つける喜び、自分の選んだ道を進めるしあわせの手前に、自分ではコントロールできない縁のようなものがあるのだとしたら、それに気づくためにも、いつでも一生懸命でいたいです」
writer / 宇佐見明日香 photo / 八木虎造

取材協力

plain
埼玉県さいたま市浦和区高砂3-10-16 高砂第三ビル1F
048-711-6986
営業時間:11:00 ~19:00
https://www.instagram.com/plain0811/

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