江口洋介、夏菜、小出祐介、岡崎体育らが絶賛 錦戸亮主演映画『羊の木』に著名人がコメント

『紙の月』『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督と、錦戸亮がタッグを組んだ映画『羊の木』に、各界著名人がコメントを寄せた。

本作は、山上たつひこ&いがらしみきおが手がけた同名コミックを実写化したヒューマン・サスペンス。市役所職員の月末(錦戸)が、町が抱える過疎問題を解決するための元殺人犯を受け入れる“国家の極秘プロジェクト”を命じられる模様を描く。

今回コメントを寄せたのは、俳優の江口洋介や女優の夏菜、『ビジランテ』の入江悠監督、Base Ball Bearの小出祐介、シンガーソングライターの岡崎体育ら各界著名人総勢17名。一足先に鑑賞した本作についての思いを綴っている。

■著名人コメント一覧
・朝井リョウ(作家)
集中力を数値化できるのならば、鑑賞中に、新記録を樹立したかもしれない。
登場人物の一挙手一投足に勝手に怯え、安堵し、落ち着かない自分の心の物差しの不安定さ。私たちでは測れないものが確かに描かれている、真っ暗に光る一作。

・前野朋哉(俳優・監督)
むちゃくちゃ面白かった。コメントでこんなこと書くとおべっかみたいですが、むちゃくちゃ面白かったです。
人と人が出会うだけでなんでこんなにゾワゾワするんだろう。前田と武文も観た方がいいぞ! 桐島くん誘って。

・江口洋介(俳優)
地方都市が抱える行政問題、家族、友人、恋人、奇妙な祭り。
歪な人間関係にラストまで引き込まれてしまった! 壊れた世界観が面白い。

・夏菜(女優)
おどろおどろしい音楽と共に始まるこの映画。
これは一体何の話?と思いながら観ていくと、何とも苦くて苦しい。ずっと苦虫を噛み潰したような顔で見ていた気がします。最後まで読めないストーリー。ラストに向けての展開は鳥肌が止まらない!

・入江悠(映画監督)
こんな話でしょ、と油断していると想像もしなかった地平に連れていかれる。不安定な足場に観客を宙吊りにする吉田大八監督の演出は、いま日本で最もサスペンスフルだ。

・Base Ball Bear 小出祐介(ミュージシャン)
友達になるきっかけなんて、何でもなかったりする。友達を信じている根拠も、フィーリングだったりして。たくさんの他人と出会う社会の中で、その人を《何となく受け入れられた》のは何故なんだろう。映画序盤、羅列される出会いのシーンに1つだけ紛れた、そんな何気ない瞬間に心を掴まれた。自分の親友との出会いを思い出していた。

・小春(チャラン・ポ・ランタン/アコーディオン弾き)
他人を受け入れる気持ちは心の何処に在るのか、を何処かに実在しそうな6人に自分の身の回りの他人を重ねながら考えてしまいました。

・岡崎体育(シンガーソングライター)
主演を務めた亮ちゃんについて。アイドルとしての亮ちゃん、バンドマンとしての亮ちゃん、タレントとしての亮ちゃん、そして今回は役者としての亮ちゃん。その全てに共通しているのは、細やかな目線の遣り方や声量・呼吸が「自然」で美しいことだと思います。今作でも亮ちゃんの「自然」が月末一という男に人格を灯しているのだと感じました。普段は「錦戸さん」と呼んでいますがコメントの中ならいいかなと思って「亮ちゃん」って呼んでみました。ありがとうございます。亮ちゃん。

・石崎ひゅーい(シンガーソングライター)
過疎の田舎町に6人の元殺人犯が移住してくるという導入から引き込まれる設定とスリリングな展開、あっと言う間の2時間でした。大小あると思いますが、何かしらの罪を背負って生きている僕らへの人間賛歌のような作品。主題歌の「死は終わりではない」のハマり方も最高でした。また見たいです。

・勝手にしやがれ 武藤昭平(ミュージシャン)
さりげない小さな町の話。静かに静かに進むストーリーの内側に見える狂気。どんどん引き込まれてしまった。最後に流れた曲「DEATH IS NOT THE END~死は終わりではない」の不穏感にシビれた。

・薬丸岳(作家)
まったく新しい司法のありかたに思わず膝を打ち、その行く末に息を呑んだ。
このアイデアで小説を書きたかった!

・深町秋生(ミステリ作家)
我々は見知らぬ他者とわかりあえるのか。差別や移民問題で揺れる現代社会に光をあてつつ、上質なユーモアと緊張を与えてくれたスタッフの勇気と職人技を称えたい。

・岩明均(漫画家『寄生獣』『ヒストリエ』)
味わい深い。登場者たちの些細なしぐさ、セリフに思わず「クスッ」となる。繊細な作りだ。そして場面は繊細な「日常」からダイナミックな「非日常」へ。観る者が呆気にとられるような「非日常」、それへの移行がとても自然なのはやはり繊細に作られているからだろう。のどかで、しかし緊張感あふれる世界に、やさしく、強引に誘(いざな)われる。

・新田たつお(漫画家)
冒頭から引き込まれた。こんな設定を考えついたら面白くなるに決まっている。 一級品のブラックユーモアと無言の圧でゆっくり恐怖が忍び寄る。 ミステリーホラー仕立てにしてもヒューマン。 後味も爽やかな秀作です。

・宮崎哲弥(評論家)
一見、淡々とした映像が恐るべき緊張を孕んでいる。さざ波も立たない田舎町の日常に六つの小石が投じられ、波紋が拡がっていくのを描くのには最適だ。そのうち、根源悪とか、聖性とか、神話とか異様なものが湧いてくる。この映画は小さな役まで難しい。その難しい役を巧者たちがこなしている。短い間に三度見たが、まだ見飽きない。

・トニー・レインズ(映画評論家)
釜山映画祭でキム・ジソク賞を獲得した吉田大八監督の、人を夢中にさせるいくつもの人間物語と、誤った判断による社会的実験の、目からうろこの驚く結果の間のバランスを完璧に描いた、並外れて優れた作品である。そこには、魔法と神話があり、仕事やセックス、それに殺人などの日常問題をスケッチする(描写の)中の田舎風(家族的な)リアリズムがあり、画面展開ごとに点滅する吉田監督の特質(持ち味)である皮肉たっぷりのユーモアがある。

・越智啓太さん(法政大学・犯罪心理学)
人間の滑稽さ、おそろしさ、やさしさ、冷たさ、温かさなどすべてが濃縮されて描かれていて、人間ドラマとしてとても興味深いだけでなく、サスペンス映画、ミステリーとしても最後まではらはらどきどき楽しめました。

(リアルサウンド編集部)

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