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【オイル=太るはウソ!】体にいいオイルのとり方を知ろう!【アマニオイルがオススメ】

  • 2017.12.31
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ダイエットや美容の敵として「油」が避けられていたのは、過去のこと。今では「体にいい良質の油を上手にとる」というのは、常識です。「体にいいオイル」として有名な、「アマニオイル」の有用性について日本植物油協会・専務理事、斉藤昭さんにおうかがいしました。

まずは油の基礎知識を知ろう

とりすぎると太るという印象が強く、ダイエットを考えると第一にセーブすることを考えてしまう「油」ですが、油は人間の体に必要な三大栄養素のひとつ。まずは油についての基礎知識から聞きました。
「油は命を支えるエネルギーの供給源で、人間の体には欠かせません。今の日本の平均寿命は世界トップレベルで、女性はなんと87歳。戦後間もない昭和22年の女性の平均寿命は54歳だったので、戦後から今までの短い間に、人の寿命が驚異的に伸びたことがわかると思います。これには医療の進歩に加え、それまでの日本の食生活に不足しがちだった動物性たんぱく質や、植物油が適正に摂取できるようになったことなど、栄養バランスが整ったことが大きくかかわっています。また体内には60兆個の細胞がありますが、油はその細胞の構成要素でもあります。細胞膜は脂肪酸で構成されていて、体にとって必要な脂肪酸が豊富だと、細胞内外との栄養成分や化学物質のやり取りがスムーズになります。油は健康な体づくりには欠かせないものなのです」(斉藤さん)

油には4種の脂肪酸があるって知ってる?

油についてもう少し詳しくご紹介します。油の主成分である脂肪酸には4種あり、その脂肪酸が含まれる量で油の性質が決まります。4種の脂肪酸は以下の通りです。

【飽和脂肪酸】
バターやラードに多く含まれるもの。常温では固体で動物性の食品に多い。エネルギーとして使われなかったものは体脂肪になる。

【一価不飽和脂肪酸(オメガ-9系)】
オリーブオイルなどに多く含まれるもの。酸化しにくい特質を持つ。

【n-3系多価不飽和脂肪酸(オメガ-3系)】
オメガ3系の油の代表的なものとしてあげられるのは、いわし、あじ、さばなどの青魚に含まれるEPA、DHAや、アマニオイルなどに多く含まれるα-リノレン酸など。α-リノレン酸は体内では合成できない必須脂肪酸で、摂取後に一部が体内でEPA、DHAへと変化する。

【n-6系多価不飽和脂肪酸(オメガ-6系)】
大豆油やコーン油、サラダ油に含まれるリノール酸が代表的なもの。不足すると、成長阻害や皮膚障害が生じることがある。リノール酸は体内で合成できない必須脂肪酸。

「オメガ-3系脂肪酸」は普段の食生活では不足しがちに

「必須脂肪酸は人間が生命維持をするために不可欠ですが、体内で合成できないので食事から摂るしかありません。その必須脂肪酸がリノール酸とリノレン酸なのです」(斎藤さん)
リノール酸に代表されるオメガ‐6系のオイルは、スナック菓子などの加工品にも多く含まれていて、現代の食生活において、無意識に過剰摂取している可能性があります。オメガ‐6系のオイルを多くとりすぎると、体内で炎症を引き起こすアラキドン酸が作られ、免疫細胞が働きにくくなると言われています。その結果、アレルギー性の湿疹や、肌トラブルを引き起こすと考えられているのです。
一方、α-リノレン酸やEPA、DHAなどのオメガ-3系脂肪酸は、普段の食生活では不足する傾向にあるため、意識して積極的にとるのがおすすめです。加えてオメガ-3系脂肪酸には、免疫機能を高める、血中の中性脂肪やコレステロール値を下げる、血液をサラサラにする、脂質代謝を高めてダイエット効果をもたらす……など、さまざまな健康効果が期待でき、幅広い世代から大きな高い関心が寄せられているオイル。
「オメガ‐3系の筆頭の油として知られているのが、アマニオイルなのです」(斎藤さん)
「アマニオイル」とは中央アジア原産の一年草、亜麻の種子から作られる植物油。α‐リノレン酸のほか、食物繊維、大豆イソフラボンと似た働きをするポリフェノールの一種・リグナンが豊富で、肌荒れや便秘解消などにも効果が期待されています。

アマニオイルはα-リノレン酸が豊富。生食がおすすめ

アマニオイルの大きな特徴としては、その成分の5割から6割程度がα-リノレン酸だということ。小さじ1杯程度をとることで、α-リノレン酸の1日分の必要量を摂取することができます。しかし、アマニオイルには大きな弱点があります。それは熱に弱く、酸化しやすいこと。そのため暗く涼しい場所で保管し、早めに使い切ることが重要です。購入する際は大容量のものは避け、小さめサイズをこまめに買うのがいいでしょう。
「加熱調理に使うのは不向きです。オメガ-3系のα-リノレン酸を豊富に含んだアマニオイルの特性を十分に生かすには、サラダにかけたり、直接飲むなど、生のままとるのがおすすめです。ただしどんな油も体にいいからと言って、ひとつの油に偏ることは適切ではありません。菜種油や大豆油といった、いろいろな油をそれぞれの機能や特性を踏まえ、バランス良く利用することが最も重要なポイントです」(斉藤さん)
油を正しくとって、バランスのよい美ボディ&美肌を目指しましょう。

教えてくれたのは・・・・・・
斉藤 昭さん

日本国内で植物油を製造・加工を営む企業で構成している非営利団体、一般社団法人日本植物油協会・専務理事。植物油の製造過程や正しい基礎知識、日常生活への上手な取り入れ方やレシピに至るまで、さまざまな情報を発信している。http://oil.or.jp/

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