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賛否両論! 難関大合格で100万円をあげる「ニンジン作戦」はアリか

  • 2015.1.9
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【ママからのご相談】

小学生と中学生の子どもがいる専業主婦です。最近、九州の高校で東大に合格したら、100万円をもらえるらしいとテレビのニュースで知りました。子どもには有名大学に入ってもらいたいとは思っていませんが、実際にお金をもらえるからと、優秀な子たちがその高校に入ってくるものでしょうか? とても疑問に感じます。お子さんを持つママたちのご意見をお聞かせください。

●A. 「やる気が出ればアリ」「学歴社会を助長」と賛否両論です。

こんにちは。ママライターのKOUです。

ご相談者さんのおっしゃる通り、今年11月、鹿児島県伊佐市が、市内の県立高校の定員割れを食い止めるため、東大や九州大といった旧帝大、早稲田大や慶応大などの難関私立大に進学したら100万円、それ以外の知名度の高い大学に合格した人には30万円を支給すると、発表しました。

新聞などの報道によると、伊佐市が、「優秀な生徒を市外に流出するのを防ぐためには、難関大学の合格者を増やすことが必要だ」と判断。総額5,000万円の基金を盛り込んだ補正予算を市議会が可決し、来年の春の卒業生から適用するそうです。さらに、基金のお金で、有名予備校講師による特別授業も導入すると言います。

●教育関係者からは慎重な意見

こうした自治体による取り組みに対しては、教育関係者からの慎重な意見が目立ちます。

新聞の取材を受けた、進学情報などを提供する『大学通信』の幹部からは『100万円というニンジンを突きつけても、生徒の親は優秀な生徒が集まる高校に子どもを進ませたがるもの』との声が上がっています。

さらに、今回の奨学金の効果については未知数だとし、『効果が出るとしても早くて再来年の春、有名校に20人通るまで最低でも3、4年はかかると思う』などと、予測を立てているようです。

尾木ママこと教育評論家の尾木直樹さんも、自身のブログで『百万円の賞金欲しさに勉強する高校生の姿……変ですね。社会に通用しませんよ。時代錯誤です。グローバルに考えないと後悔しかねませんよ』と不快感を示しています。

そこで、お子さんを持つ現役ママさんたちに難関大学に合格して多額の奨励金がもらえる、“ニンジン作戦”について、ご意見を伺ってきました。

●“ニンジン作戦”に対する現役ママの意見集

●「アリだと思う」

『鹿児島に住んでいないですが、もし近くの高校で、奨励金を出してくれたら、入学を考えます。ただ、子どもが頑張った結果、(難関大学に)落ちてしまったとき、ショックが大きいような気がします』(中学2年生、小学5年生ママ/46歳)

『子どもにとって、分かりやすい制度だと思います。それで、モチベーションが上がって受かるのであれば親にとってもありがたいです』(4歳児ママ/29歳)

『奨励金を出すことで、優秀な子どもが入ってきて、授業をする側の先生たちの向上心も高まってくるのでは。学校全体のレベルが上がることを期待します』(小学2年生、5歳児ママ/34歳)

●「絶対にアリえない」

『学校は、これまでの実績や伝統を見て選ぶものです。奨励金だけで、優秀な子どもが入るという単純な発想は市民を馬鹿にしている』(高校2年生、小学6年生ママ/41歳)

『5,000万円の予算をつけてまでやる事業でしょうか? 定員割れをしている学校はたくさんあります。地域によって違うかもしれませんが、公立の中学校と連携して、中高一貫校にする方が人は集まるのでは』(小学3年生ママ/36歳)

『学歴社会を助長するようなやり方です。その子の個性や特技を伸ばしてあげる教育が後回しになりそうですね。勉強が苦手な子たちが排他される印象があります』(高校1年生、中学2年生ママ/48歳)

●「分からない」

『100万円くらいで集まってくるものでしょうか? 入学してからも学費は莫大にかかりますよね。超有名大だったら、もっと出さないと集まってこないでしょう』(5歳児ママ/31歳)

『今回のケースが成功したら、定員割れをしている他の学校もマネをして奨励金を出すようになると思います。“賞金レース”のようになって、子どもが受験に対する考え方が歪んでいきそうです』(中学3年生ママ/33歳)

『優秀な子は、お金に釣られません』(5歳、2歳児ママ/33歳)

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以上、現役ママさんの声をご紹介しました。

奨励金制度を、「アリ」と答えたママさんたちのほとんどが、「子どもがやる気が出ればアリ」と受け入れていたものの、難関大に不合格だった際の周りのフォロー体制に不安を感じていたようです。

私自身も、金銭面だけを全面にアピールして、入学者を集めることに違和感を覚えます。

本当に、“ニンジン作戦”はうまくいくのでしょうか? 子どもを持つ親としても、ご相談者さんとともに動向を見守っていきたいと思います。

(ライタープロフィール)

KOU(ママライター)/大学卒業後、新聞社に入社。地方支局や芸能部などで、10年間にわたり記者生活を送った。あっとういう間に30半ば目前に。「このままでは結婚できない」と思い立ち、婚活に専念(?)しようと、退職。数か月後には結婚相手を見つけた。36歳で1人目を出産。育児中には通信講座で保育士の資格を取得、少しは役に立っているのか、息子もすくすく育っている。現在は、のらりくらりと在宅でライター業を営む。

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