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『わろてんか』で考える「結婚=幸せ」の価値観。ロミジュリ後に待つものとは

  • 2017.10.24
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©NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved.

NHKの連続テレビ小説『わろてんか』の3週目で、ついにてん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)が駆け落ちしてしまいました。紆余曲折をへて、互いに惹かれ合っていった2人。ようやく藤吉の口から「俺の嫁はんになってくれ」のひと言が出ました!

鳴かず飛ばずの旅芸人だったはずの藤吉ですが、じつは米問屋の跡取り息子でした。どっちにしても分が悪い。老舗薬種問屋「藤岡屋」を継ぐべき長女・てんとは絶対に結ばれない運命です。

この時代、商家の跡を継ぐぼんぼんやお嬢様はほぼ見合い結婚が当たり前。本作を見ていると、あらためて「結婚=幸せ」という価値観について考えさせられることが多いです。

■ロミジュリ効果? 障害があるほど恋は燃える

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けがをした藤吉をかくまったことが父・儀兵衛(遠藤憲一)にばれて、蔵に閉じ込められたてん。毎夜てんのもとに通う藤吉は、ロミオとジュリエットばりにロマンティックで、朝から視聴者の胸は高鳴りました。

その後、てんに求婚した藤吉は、予想どおり父・儀兵衛(遠藤憲一)の逆鱗(げきりん)にふれますが、これはまあ、予想どおりの展開です。

『あさが来た』のあさと新次郎のように、許嫁(いいなずけ)と互いに惹かれ合うのが理想的だけど、『わろてんか』の場合、そうはいかず。実際、ロミジュリのように、恋は障害があるほど燃え上がるものですから。

しかしロミジュリだとその先にあるのは悲劇。もちろん本作ではそうはならないと思いますが、“障害の恋”がどのように“生涯の愛”へと変化していくのかが楽しみです。

■結婚するのなら濱田岳や高橋一生がおすすめ?

藤吉の恋の好敵手というべき存在が、縁談の相手・伊能栞(高橋一生)と、てんの幼なじみ武井風太(濱田岳)。最初は外見や身分をどう見積もっても勝ち目がなさそうな風太でしたが、ふたを開けてみれば、意外と男らしく、てんへの愛は誰よりも深そうで高感度大です。

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3週目までは、風太の一途な思いがかなり視聴者の心を揺さぶったのではないかと。ただし、てんのハートはまったく揺さぶられてなかったのは残念なところ。藤吉の胸ぐらをつかんで激怒したり、伊能のもとへ走り、てんとの縁談をまとめようとしたり、風太の行動力も心を打つものでした。

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第三者から見れば、風太のような人と結婚すればきっと幸せになれるのに…と思えてしまうのに、そうは事が収まらないところに、「結婚=幸せ」価値観の不思議さがあります。

また、ただの噛ませ犬に終わらないであろう伊能が、今後てんと藤吉のカップルにどこまで食い込んでくるのかも興味津々です。

■まずは結婚してみる。てんの母・しずの結婚観

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鈴木保奈美演じるてんの母・しずは、強面の儀兵衛に寄り添いつつも、けっしてでしゃばらない良妻賢母。しずと儀兵衛は、絵面的に見れば“美女と野獣”ですが、じつにバランスの取れた夫婦です。

しずがてんの縁談について儀兵衛と話し合っていたとき、自分も結婚する前は儀兵衛の堅物ぶりが心配だったことを本人の前で語っていました。その発言に少しショックを受けた様子の儀兵衛が何とも可愛らしかったです(笑)。

しずの「不安はあったけど、一緒に暮らしているうちに、愛情っていうのはこうやって育まれるんやとしみじみ思ってなあ」と言ったときの満ち足りた表情からは、夫婦として刻んできた年輪を感じました。いろんな夫婦像がじつに味わい深いです。

4週目では、てんにさらなる障害が! 駆け落ち後、ふたりは藤吉大阪にある藤吉の実家に身を寄せますが、藤吉の母・啄子(鈴木京香)は二人の結婚を認めずに猛反対。てんはいわゆる姑いびりを受け、お嬢さまなのに女中扱いされてしまいます。

これまた、いばらの道となりそうですが、愛する2人で乗り越えていってほしい。そしてこれからも毎日わろてんか!

【『わろてんか』まとめ】

(山崎伸子)

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