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黒いピザやベーグルはヘルシーなの?

  • 2017.10.19
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まず知っておきたいのは、活性化された炭、活性炭と焼き過ぎたトーストの焦げとは全く別物だということ。活性炭とは、木の実やヤシの殻などをアルゴンや窒素などのガスを使い、600℃から900℃の超高温で焼く高温炭化方式か、あるいはリン酸などで科学的に処理して、450℃から900℃に加熱したものを、粉状にしたもの。

この処理をすることで何千もの無数の細孔ができて、表面積が増える。それによって、吸着性がアップするという。そしてこの吸着する性質を活用して、身体の中からきれいにすることができるので腸も肌もきれいになるという。

栄養士のトム・オリバー氏は活性炭の性質が、身体の有害物質を吸着してくれると話す。「活性炭をメニューに取り入れたのは身体の大掃除をしてくれるから」と言うのはロンドンのレストラン「ファーム・ガール・カフェ」の創業者、ローズ・マン。「チャコールラテがインスタグラムでシェアされて評判になったため、人気の食材になった」と話す。今では、塩やコショウのように、どんな料理にもお好みで活性炭をふりかけることができるそう。

活性炭はそのままでは、少しスモーキーな風味があるが、ココナツミルクやカシューナツミルクに加えるとほとんど味がなくなるそう。

活性炭が身体にいいという医学的根拠はある。たとえば1980年代に、カリフォルニア大学のデービス・メディカルセンターの研究で、身体の毒を排出すすることができるということが分かってから、薬物の過剰摂取後の腹部洗浄などにも使ってきた。さらに、心臓の健康にもよい、とヘルシンキ大学の専門家は話す。ヘルシンキ大学での調査では、4週間一日3食毎回8gの活性炭を食べさせたところ、悪玉コレステロールの値を41%減らせることが分かった。

さらに嬉しいのは、料理だけでなく水に溶かして飲むのでも同じような効果があるということ。「水に加えれば自然の浄化剤としても使える」と生化学者でもある栄養士のピクシー・ターナー。「活性炭は塩素や肝臓に負担をかける重金属を取り除くのにも優秀」とターナー氏。

ただし、活性炭の唯一の欠点は、吸着力が高すぎて不要な飽和脂肪酸だけでなく身体に有益な栄養をも吸着してしまうこと、と英国栄養学会の栄養士、ミシェル・マクギネス氏は話す。「活性炭を脂質や糖質の多いものと一緒に食べたからといって、ヘルシーになるわけではない。これは脂質や糖質だけでなく、大切な食物繊維やタンパク質も一緒に排泄してしまうから」とマクギネス氏。

さらに、気になるのは、活性炭が水分を口に入れた食物だけでなく身体自体からも吸収してしまうこと。つまり、これが脱水や便秘につながると、エクセター大学のエザド・アーンスト教授。

また気をつけなくてはいけないのは、薬に吸着してしまうこと。薬とくっつくことで薬の効果を減らす、あるいはなくしてしまう。最近ではアメリカで活性炭を使ったアイスクリームには健康に関する警告を記載するよう求める署名運動が起きたそう。

「チャコールラテには薬の効果を減らすほど活性炭は含まれていないだろう。ただ、カプセルなどで活性炭を多く摂取している人は注意が必要、とマクギネス氏。

では、流行りの黒い食べ物は食べるべき? たまの黒ピザや炭アイスクリームは身体に悪い影響はないだろうけれど、健康にどうしても食べておきたいものではなさそう。「有害物質を排出したいなら、肝臓や腎臓が十分やってくれている」とターナー氏。

結論は、たまに食べたり、インスタグラム用に食べるのはOK。でも、食べたからといってなにか奇跡が起きることは期待しないように。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスより翻訳されました。

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