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食べたものが、わたしになる! 和食の給食が子どもの命に…映画「いただきます」

  • 2017.10.3
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© イーハトーヴスタジオ

福岡市にある高取保育園。玄米、みそ汁、納豆を中心とした、和食の給食を取り入れていることで知られ、全国から教育者が視察に訪れる園です。また、ドラマや映画化された『はなちゃんのみそ汁』のはなちゃんが通った保育園としても有名です。

そんな高取保育園の一年間を描いたドキュメンタリー映画『いただきます~みそをつくる子どもたち』が、2017年10月7日(土)より、渋谷アップリンクをはじめ全国の劇場で公開されます。かわいくて、心がほっこり温まる、そして子育てのヒントがたくさん詰まった作品です。

■玄米、みそ汁、納豆…「和食」給食を出す保育園

© イーハトーヴスタジオ

高取保育園の子どもたちは、朝から元気いっぱい。裸足で園庭を駆け回ったり、竹馬を乗りこなしたり、まるで毎日が運動会のよう。その元気のパワーのもとになっているのが、伝統的な和食の給食です。

日本の伝統的な「食養生 医食同源」に基づいた同園の給食は、玄米が主食。それに、みそ汁、納豆、旬の野菜を中心にした和食の献立です。

高取保育園の開園は1968年。西福江園長は、まだアレルギーや食育という言葉がない当時から、アレルギー疾患の子どもたちを受け入れ、その解決策や食のあり方を模索してきました。試行錯誤を続けるなかで、先人たちの技や知恵が息づく「和食」へと帰り着いたそうです。

■5歳児たちが毎月100キロの味噌を仕込む

© イーハトーヴスタジオ

映画のタイトルのとおり、高取保育園では全園児200人分のみそ汁のみそ100kgを、毎月5歳児クラスが仕込んでいます。作るときは、心をこめて、もったいないから「こぼさない」ように、つばが入ってしまうから「しゃべらない」で作ります。さらに、梅ぼし、沢庵、高菜漬けづくりにも、子どもたちが参加します。

みそは日本人の食べ物の要。映画では、発酵学の第一人者である小泉武夫先生が、みその抗酸化作用などを詳しく解説してくれます。和食には、興奮ホルモンをおさえる働きがあるという学説もあるそうで、たしかに映画に出てくる子どもたちは、とても穏やかです。

■「子どもは和食が苦手」は大人の思い込み

© イーハトーヴスタジオ

映画を観ていて、一番印象的なのが、子どもたちが本当においしそうに給食を食べていること。なんとなく「子どもは和食が苦手」というイメージがありますが、おいしかったら、ちゃんと食べるんですね。

しかも高取保育園の子どもたちは、朝から体をたくさん動かしているので、お昼にはおなかがペコペコ。給食の食べ残しは、毎日ほぼゼロです。「いただきます!」と元気にあいさつをしたあとは、みんな静かになって食べることに夢中。なかにはお皿までペロペロなめる子も。その食べっぷりの良さは気持ちがよく、見ていて幸せな気持ちになります。

映画では、30年前から和食給食を取り入れている神奈川県の麦っこ畑保育園も紹介されています。こちらの園でも子どもたちは食欲旺盛。なかには3杯もごはんを食べる子もいて、「大人以上に食べます。おかわりをストップさせるのに苦労するくらい(笑)」と同園の大島貴美子園長。

「どちらの保育園の子どもたちも、自分の意思で食べているから、イキイキしてる。普通はお皿をなめると、お行儀が悪いなんていわれますが…。子どもの遊び心が食につながっているんだなあと思います」というのは、映画『みんなの学校』で注目を集めた大空小学校の元校長であり、映画にも登場する教育者の木村泰子さん。ちなみに木村さん、この映画をきっかけに、毎回の食事にみそ汁を欠かさないようになったのだとか。

■食べたものが子どもの命になる

完成披露試写会後のトークショー。右から、オオタヴィン監督、教育者・木村泰子さん、麦っ子畑保育園大島貴美子園長

よく動き、よく食べて、よく眠る高取保育園の子どもたち。そのキラキラ輝く姿を見ると、食の力を感じずにはいられません。子育てのノウハウはいろいろあるけれど、私たちが親として、まず子どもにしてあげるべきことは、毎日の食を整えて、子どもたちの体と心の健康を保ってあげることなのだと、あらためて気づかされます。

さすがに毎日完璧な手作りの和食を用意するのは難しいかもしれません。でも「ごはんと具だくさんのみそ汁だけの食事でも、みそ汁をおかずだと割り切ってしまって、みそ汁には、旬のものをどんどんいれていけばいい」とオオタヴィン監督がいう献立だったら、真似できるのではないでしょうか。

映画の最後には、「食べたものが、わたしになる」というメッセージがを出てきます。

「本当にそのとおりだと思っています。自然の恵みに感謝して喜んでいただくというのが基本だと思ってやってきました」と麦っこ畑保育園の大島園長。子どもたちの「いただきます」には、野菜の命や魚の命に感謝する気持ちが詰まっているのですね。

坂本美雨 with CANTUSさんが歌うやわらかなエンディング・テーマ「星めぐりの歌」を聞くころには、心がほんわか温かくなっているはず。子育ての本質を考えたり、家庭の和食力を見直したり、いろいろなきっかけをくれる映画です。

映画『いただきます~みそをつくる子どもたち』

2017年10月7日(土)より、渋谷アップリンクほか全国順次公開
公式サイト:http://itadakimasu-miso.jp/
●映画『いただきます~みそをつくる子どもたち』イベント情報
公開を記念して、10 月7 日(土)から9 日(月・祝)まで、初回の10:30の回は、なんと振る舞いみそ汁付きで上映!

さらに、上映終了後には日替わりゲストとオオタヴィン監督とのトークイベントも。日本の食養生の歴史や、みそをより深く知ってもらうための食文化についてなど、興味深いトークが連日繰り広げられます。

また劇場では、ロングライフデザインをテーマに、日本各地の個性を物販・飲食などを通して紹介するD&DEPARTMENTが手がける「d47 食堂」セレクトのみそや玄米、みそや発酵にまつわる書籍なども販売され、多角的に和食の世界を楽しめます。

<公開記念イベント 上映後 オオタ監督アフタートーク>
●10月7日(土)
10:30の回の上映終了後 小倉ヒラク(発酵デザイナー)
●10月8日(日)
10:30の回の上映終了後 川口恭(川口糀店9代目)
●10月9日(祝)
10:30の回の上映終了後 服部みれい(文筆家)

※上記イベントは要予約。予約は10/4(水)朝10時にオンライン/窓口ともにチケット発売スタート。
詳細について:http://www.uplink.co.jp/movie/2017/48956

※このほか、毎週水曜日、午前中の回はお子さんと映画を楽しめる「親子上映会」を実施。足下が見えるくらいの薄明かりのなかで、通常より小さめの音量で上映するので、小さいお子さん連れも安心です。
(古屋江美子)