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我が家らしさとは? 自分の「インテリアの好み」を知る方法【人気ブロガー・ひよりさんインタビュー(後編)】

  • 2017.9.23
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隅々まで、すっきりと洗練された家にお住いの、ブログ「ひよりごと」を主宰するひよりさん。前編では、収納やきれいを保つための掃除術を中心にお話を伺いました。そんなお住いを彩るアイテム選びは、どのようにされているのでしょうか?

我が家らしく、居心地のよい空間にするためのもの選びのコツを伺いました。

これまで出された著書。近著に、『後悔しないモノ選び』(KADOKAWA)、『「ひよりごと」我が家の逸品』(イースト・プレス)』。

■自分のインテリアの好みを知る
お買い物は、ほとんどネットでするというひよりさん。だからこそお買い物は常に計画的だといいます。

「出先で素敵だなと思っても買わずに、後で調べます。このメーカーにはどういうバリエーションがあるのか、商品背景などを知ってから買いたいので、タイムラグができるんですよね。そこでいろいろ見ているうちに、『あ、ちょっと違うかも』と思うこともあれば、『このブランド、すごく好きなものばっかり』ということもあります。そういった、少し冷静になる時間が必要ですね」

北欧のなかでもデンマークのデザインが好きだというひよりさん。お気に入りの照明は、デンマークの「アンド・トラディション」のもの。

そんなひよりさんが欠かせないのが、ウィッシュリスト作り。スマートフォンのメモに欲しいものを思いつくままに書き出しているそう。

「それから、気になったインテリアの写真は、携帯に何千枚も保存しています。例えば、このオブジェがほしいと思ったら、海外の家ではどんな風にディスプレイされているかを検索して、やっぱりこういうインテリアが好きだなと思ったものを、直感的にどんどん保存していきます。1枚1枚じっくり観察するのではなく、バーッと並べて全体像を見るんです。そうすると、共通点があって、自分の好みがわかります。

それぞれ素敵なので、こういうテイストも好きだと思ったり、見るたびにときめきが変わりますよね。だけど自分の中の軸にある、本当に好きなものってあまり大きくぶれていかないので、それを知るために全体像を見るのは大切ですね。

私の場合は白ベースのインテリアで、モノトーン。冷たくなりすぎないような天然素材をプラスしたインテリアが好きという、好みの方向性がわかります。これを選んでおけば飽きないと再確認できるので、インテリア全体を考えるとき、ときどき見返して原点に戻ります」

ひよりさんのスマートフォンには、「リビング」「キッチン」など細かくフォルダ分けされた写真がたくさん。

それは忙しくてもサッとできる、自分の好きなものの確認作業。買い物の失敗を減らすのに、必要なのだそう。今は「ピンタレスト(写真共有ウェブサイト)」で画像検索をしているというひよりさんですが、「海外インテリア 北欧」のように、キーワードを入れて、画像を探しているそうです。

「その時の気分で選ぶと、あのときはあれがよかった、あれが流行っていたとなりがちなので、自分の中の、本当に好きでずっと飽きないものを再確認するという意味で、写真を見返すことは結構重要だと思います。家具を買うときは特にですよね」

どういうものが落ち着くのか、楽しいのかを知ること、そして日々きれいに保つための、テンションの上がるもの選びが大切です。

「間に合わせで買うことがすごく嫌いなので、納得するものが出るまでは買わないです。真夏に冷蔵庫が壊れて、1ヶ月間冷蔵庫なしで暮らしたこともあるほど。

でも最近とうとう間に合わせで買ったのが、トイレットペーパーホルダー。スタンドタイプが好みなので、以前から2階で使っているのですが、1階にも同じものを置こうと思ったら、もう売っていなかったんです。間に合わせといいつつ、最低限はこだわっていますが、いつか『ファイル』さんが作ってくれるのを待っています」

■リフォームで、より理想の空間に
フルリフォームを終えたばかりのお住いは、これまでの集大成だと語るひよりさん。このリフォームで大掛かりに変えた場所のひとつが、元は和室だったというテレビルームです。この場所を皮切りに、リフォームの快適さに目覚め、2階まで大掛かりにリフォームがスタートしました。

壁紙はイギリスの「デザイナーズギルド」のキッズルーム向けを採用。

「家を建ててから20年近く経ち、水栓など変えなくてはいけない部分が出てきて、交換するのをきっかけにリフォームしたんです。それまでの収納や使い勝手で満足していたのですが、リフォームするとこんなに快適になるんだと知ってしまって、最初は予定になかった2階まで、どんどん広がってしまったんですよ」

タイル探しに苦労したという、グレーと白のツートーンカラーのお風呂。洗面所にかかる、デンマークのストリングシェルフはアクレルパネルを使った新作。水栓はすべてアメリカの「KOHLER(コーラー)」のもの。

2階にある書斎は、ハウススタジオのようなスタイリッシュな空間。壁付けの収納は、たっぷりの収納力を持ちながら、見えるところはゆったりとしたディスプレイなので、ものがたくさんあるようには見えません。

キャビネットの下段も、ゆとりのある収納に。国内外のインテリア関連の書籍や雑誌が入っています。

「ブログや洋書を見ていて、『うちと似たような状況で、うちはこうはいかなけど、このお宅はすごく素敵なのはなんでだろう?』と分析するのがすごく好きなんです。研究のために『CASAブルータス』など、日本のインテリア雑誌は買います。雑誌は情報量が多いので、ある程度テイストを絞りつつ、自分の好みの中で新しいものを知るのに最適。そこから気になったものをインターネットで調べる。インターネットだけだと、ピンポイントで自分の探したいものを探してしまうので、意外と視野が広いようで狭いと思うんです。欲しい情報が決まっているときは、ネットが便利ですね」

「ジーロック」のフローリングは、なんとビニール製。見た目も使い勝手もよく、価格もお手頃。

ひよりさんにとって、洋書もインテリアのひとつ。表紙のデザインや色のトーンで選ぶのだそう。

■お気に入りに囲まれて、居心地のいい家にするヒント
そのほかのひよりさんの愛用品をいくつかご紹介します。

▼グラスや器は、6個ずつ揃える
「お客様は4人が多いですけど、ときどき5.6人来ることもあって、そういうときに揃っていないと困るんです。お客様用に揃えているのに、数が足りないために使えないと意味がないので、少し多めの6つ揃えることにしました」

グラスはさまざまなサイズを6脚ずつ揃えて、キッチン台の収納に。

▼照明には特にこだわる
「海外のインテリアを見ていると、照明を大切にされているので、私もそういう文化を真似てみたいという気持ちがあります。置く場所や光の回し方によって雰囲気が変わるので、試行錯誤しながら光を楽しんでいます」

玄関ホールに新しく購入したのが、デンマークの「ルイスポールセン」の照明。

リビングに配置したのは、イタリアの「アルテミデ」のもの。

▼猫グッズもインテリアになじむものを
シンプルで素敵なデザインの猫アイテムを探すのはなかなか難しいなか、さすがのセレクトです。

スツールの下に置いた「ヴェルソデザイン」のかごのなかに、キャットフードを収納。ごはんとお水を入れるのは陶器に見えてシリコン素材の、「スリーピーポッド」ヤミートラベルボウル。

リトアニア製のミニはしごに、「menu」のほうき&ちりとりなど、猫のトイレ掃除グッズをかけて。

爪研ぎは二つ並べて置ける、木枠を手作り。底に滑り止めを貼っているので動かず、猫ちゃんもこの上でゆったりくつろげます。

最後に、自分らしい、居心地の良いインテリアにするコツを伺いました。

「私の場合は思いつきなんですよね。ただ手っ取り早く問題解決できる収納法が見つかったとしても、私は私流の収納にしたいと常に考えるようにしています。調べて、いろいろな方のインテリアを参考にしつつ、我が家らしい工夫もプラスできたら、収納にも愛着が持てるような気がします。

もの選びが好きなので、自分で見つけたものを使いたい。そしてそれを人に紹介して、使ってもらえるのもうれしいですね。皆さんもご自身の好きなものの軸があると思うので、そこを極めていくことが居心地の良さにつながると思います」

ひよりさんプロフィール

2009年6月より、ブログ「ひよりごと」をスタート。白を基調にしたインテリアやディスプレイ、モノ選びのセンスが多くの人から支持され、ブログランキングでは常に上位。「家事をもっと好きになる」をコンセプトに、現在も日々、ブログを更新中。

著書に「『ひよりごと』のシンプル&ホワイトインテリア」(マイナビ)、『ひよりごとの見せる収納/しまう収納』(マガジンハウス)、『後悔しないモノ選び』(KADOKAWA)、『「ひよりごと」我が家の逸品』(イースト・プレス)』。

ブログ:https://plaza.rakuten.co.jp/hiyorigoto/

(赤木真弓)

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