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ハーバード入学が実現!? 日本でも学べる“国際バカロレア”の知識

  • 2017.9.22
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みなさま、こんにちは!

海外生活25年続行中、国際結婚、国際子育て真っ只中のバイリンガル教育パパ、Golden Beanです。

今、日本の教育が大きく変わろうとしています。

“知識詰め込み型教育からの脱却”を実現するため、2020年にセンター試験は廃止され、試験一発勝負の入試制度はついに終焉を迎えます。

文部科学省はセンター試験廃止をはじめとする大学入試制度改革に合わせ、“グローバル人材の育成”を政策の中に盛り込んでいます。

中でも特に力を入れているのが、“教育の国際化”です。

2013年、文部科学省は“教育の国際化”を進めるため、IB(International Baccalaureate,国際バカロレア)プログラムの導入を決定しました。

「国際バカロレアって、どのような内容の教育プログラムなの?」

まだ、ほとんどのママやパパはご存じないのではないでしょうか?

間もなく16歳になる愛娘が、上海で『国際バカロレア』プログラムを受け始めたばかりのパパであるGolden Beanが、『国際バカロレア』プログラムについて、わかりやすく説明をさせていただきます。

●世界共通の大学入学資格

国際バカロレア・プログラムは1968年にスイスで設立された非営利団体である『国際バカロレア機構』によって運営されている、3~19歳までの子どもを対象とした 総合的な教育プログラムです。

(1)3~12歳までを対象としたプライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)
(2)11~16歳までのミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)
(3)16~19歳までのディプロマ・プログラム(DP)
(4)16~19歳までを対象としたキャリア・リレーテッド・プログラム。キャリア教育・職業教育に関連したプログラムであり、生涯のキャリア形成に必要なスキルの習得を重視する(CP)

以上の4種のプログラムが用意されています。

PYPは日本でいう幼稚園・小学校、MYPは中学校、DPは高校に相当します。

国際バカロレア・プログラムは、海外を転々とする外交官や、駐在員などの子女がインターナショナルスクールを卒業後、さまざまな国の大学にスムーズに入学できるよう、世界共通の大学入学資格や成績証明書を付与することを目的として作られました。

大学の入学試験のシステムは国によって違うからです。

どの国の大学も認めてくれる、世界共通の学力、世界共通のテストを作ろうとした のが、国際バカロレアの始まりなのです。

以上の理由で、国際バカロレアで最初に生まれたプログラムはDP(ディプロマ・プログラム)であったのです。

国際バカロレア・プログラムは2017年6月1日現在、世界140か国以上、4,846校において実施されています。以下、文部科学省の『国際バカロレアの認定校』から引用します。

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『PYP実施校 1,509校(22校)
MYP実施校 1,398校(14校)
DP実施校 3,209校(33校)
CP実施校 136校(0校)

・()内は、日本国内の認定校数
・1校で複数のプログラムを実施している学校があるため、プログラムごとの学校数の合計は全体の学校数と一致しない』

**********

DP(ディプロマ・プログラム)で、所定の2年間のプログラムを履修し、最終試験を経て一定のスコアを取ると、世界の2,500校以上の大学で入学審査を受けることができます。

そのスコアによって受けられる大学は異なりますが、高得点を取りますと、イギリス・オックスフォード大学やアメリカ・ハーバード大学、スタンフォード大学など、世界の有名校、一流校への入学を認められます 。国際的に通用する資格なのですね。

●なぜ国際バカロレアが高く評価されているのか

過去40年間に渡り、DP(ディプロマ・プログラム)の修了生が世界中の難関大学に入学し、入学後も好成績を残している という実績があります。

国際バカロレアのプログラムは、ある特定の国の教育システムにとらわれず、数か国の教育システムの最も優れている要素を取り入れて構成されているのです。

●国際バカロレア機構が掲げる教育理念“全人教育”

思考力・表現力に重点を置いた高い知的水準の達成、異文化に対する理解と尊重を通じ、より良い平和な世界の創造のため、探求心旺盛で、聡明かつ思いやりのある若者を育成することを目標としています。

国際バカロレア・プログラムでは学力を重視するだけではなく、人間力を育むための幅広い知識と教養を身に付けることが求められているのです。

評価の方法も単に計算力や読解力、記憶力といった知識やスキルをテストだけで測定するわけではありません。

日本の高校に当たるDP(ディプロマ・プログラム)を例に見てみましょう。

2年間に渡り6教科(言語と文学、言語習得、個人と社会、実験科学、数学とコンピュータ科学、芸術または選択科目)を学ぶと同時に、課題論文、知の理論(TOK)と呼ばれるレポート、CASというスポーツや社会奉仕活動といった課外活動を行うことが義務付けられています。

卒業前には、論文形式と口述形式の試験が3週間 に渡り行われます。

これらの学習活動や試験を経て、最後に一定のスコアを満たせば、DP(ディプロマ・プログラム)修了資格が取得できるのです。

DP(ディプロマ・プログラム)修了資格取得者は、大学の学習に対応できる実力が備わっている優秀な学生として認められ、世界中の大学で入学を歓迎されるのです。

●国際バカロレア・プログラムのカスタマイズ

国際バカロレアではこれまで英語、フランス語、スペイン語の3か国語のみが公用語として使用されてきましたが、近年、導入国の事情に合わせて、プログラムをカスタマイズする動きが広がっています。

世界で最初にプログラムのカスタマイズを行ったのはドイツです。全教科のうち、最大で4分の3を母国語であるドイツ語で学ぶことができます。

インドネシアや中国といった国でも、一部の教科を母国語で運用しています。このカスタマイズの動きが日本でも始まろうとしている のです。

●日本語で学べる国際バカロレア・プログラム

『国際バカロレア 日本語デュアルランゲージ ディプロマ(通称:日本語DP)』と呼ばれる、母国語である日本語で教科の大部分を受けられるという新たな試みがスタートしようとしています。

『日本語DP(ディプロマ・プログラム)』の活用などを通じて、政府は2013年6月に閣議決定された『日本再興戦略』で2018年までに200校の高校にDP(ディプロマ・プログラム)を導入する計画を正式に決定しました。

200校の高校に導入されようとしているDP(ディプロマ・プログラム)では、これまで、英語、フランス語、スペイン語の3か国語しか使用が許されていなかったプログラムに、日本語を大幅に加えることができるようになりました。

もちろん、全ての教科が日本語で行われるわけではりません。少なくとも“言語習得(外国語)”を含む2教科だけは必ず英語で学ばなければならない ことになっています。

日本にいながら、日本語で学んで、世界中の大学への門戸が開かれる。素晴らしいことだと思います。

●留学してグローバル人材に

海外への日本人留学生の数は、2004年の82,945人をピークに減少傾向にあります。

DP(ディプロマ・プログラム)修了生は、国際バカロレアのプログラムで学ぶことで、自分の強みや関心分野を知り、その強みを最大限に伸ばしたり、自らの進みたい道を歩むために最適な大学を選ぶようになるため、進路選択の範囲が国内だけに限定されなくなります。

世界中の大学に眼を向ける ことができるのです。

●現在日本で国際バカロレア・プログラムを学べる学校

2017年6月1日現在、日本で国際バカロレアの認定を受け、学校教育法第1条に規定されている学校は20校あり、その中で日本語DP実施校は8校あります。

文部科学省ホームページで、日本国内で国際バカロレア・プログラムを学べる学校について詳しく紹介されておりますので、一度ご覧になってみてください。

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いかがでしたでしょうか。

国際バカロレア・プログラムについて、基本的なポイントをご理解いただけましたでしょうか。

現時点では、日本国内で国際バカロレア・プログラムで学べる学校は決して多くはありませんが、これから徐々に増えていくことは確実だと思います。

ひとりでも多くのお子様が、国際バカロレア・プログラムに興味をお持ちになられ、世界中で活躍できる人となりますように。

【参考文献】
・『世界で生きるチカラ 国際バカロレアが子どもたちを強くする』坪谷ニュウエル郁子・著
・『全国版インターナショナルスクール活用ガイド』増田ユリヤ・著

【参考リンク】
・4. 国際バカロレアの認定校 | 文部科学省(http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/1307999.htm)

●ライター/Golden Bean(バイリンガル教育パパ)
●モデル/REIKO(SORAくん、UTAくん)

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