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フードジャーナリストの小松宏子さんがセレクト「秋の訪れを告げる栗のお菓子」

  • 2017.9.19
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9月も中盤になり、だんだんと秋めいてきました。秋の味覚もたくさんお店に並び始めています。そこで、今回は、「秋の訪れを告げる栗のお菓子」と題して、美味しい栗のスウィーツをフードジャーナリストの小松宏子さんにセレクトしていただきました。この季節ならではの手みやげとしてはもちろん、自分へのおやつにぴったりです。どなたにも喜ばれる和菓子に洋菓子、取り揃えてご紹介します!

栗きんとん by『川上屋』


『川上屋』の歴史は、初代原四六(はらしろく)が中山道宿場町中津川宿で江戸末期の1864年(元治元年)より始まりました。東美濃随一の宿場町として栄えるなかで恵まれた土地から生み出される産物を使用し、こだわりの風味逸品をつくり歴史を重ねてきた和菓子の名店です。その『川上屋』の数ある銘菓のなかでも、国産の栗のなかからひとつひとつ鮮度にこだわってつくったのがこの「栗きんとん」です。「蒸してつぶし、砂糖を加えて炊き上げただけの自然な味わいのきんとんは、栗をもっとも栗らしく美味しく食べる方法だと思います。ほっくりとして、控えめで品のいい甘さ。茶巾で絞っただけの素朴な形にも好感度大です」と小松さんもいうように、栗をていねいに蒸してから中身を取り出して、少し粒を残しながら砂糖を加えて丹念に炊き上げ、そして、そのまま茶巾で絞って作る素朴な味わいは、まさに秋の訪れを感じさせるもの。自然な淡黄色と優しい甘さがどこか懐かしさも漂わせます。「栗きんとん」〈6個入り〉¥1,556、〈10個入り〉¥2,538(2点共税込) *販売期間は2017年9月~12月26日まで。賞味期限は3~4日間。

 
■お問い合わせ先/川上屋 tel.0573-65-2072

六代目 栗蒸しようかん by『やまり菓子舗』


明治42年創業、伝統の和菓子店である『やまり菓子舗』。100年以上の歴史をもつこちらの名店が使用している栗は、六代目の新宮利幸さんが全国各地の栗の産地を自らの足で訪ねたうえで厳選した茨城県産生栗です。契約農家からの産地直送品を使用し、その栗に自家製飴と最高級の吉野本葛を加えて作ります。一般の栗ようかんとは違い、生栗と吉野本葛を使うことによって、栗本来の甘みとホクホク感、芳醇な香り、そして特徴的な口の中に入れたときのパラりと融け落ちるような感覚が楽しめる栗蒸しようかんに小松さんも「ずしりと重い羊羹で、切り口には栗がびっしり。桐箱入りのものもあり高級感もひとしおなので、栗好きの美味しいもの好きの方にはぜひ差し上げたい逸品」と絶賛。上品な甘さにすっきりとした後味、手作りならではの上質な下舌触りはまさに唯一無二の栗ようかんです。毎年心待ちにしているファンも多く、予約必須です。「六代目 栗蒸しようかん」〈通常〉¥2,700、〈栗増量〉¥3,780、〈化粧箱入り・通常〉¥2,910、〈高級桐箱入り・通常・2本〉¥6,480 *9月20日販売開始、予約順に随時発送になります。賞味期限は冷蔵14日間。

 
■お問い合わせ先/やまり菓子舗 tel.0238-85-2146

わたぼうし栗餡 by『紫野和久傳』


京都の老舗料亭として有名な『和久傳』。こちらの歴史と伝統を受け継ぎ、料亭の味をおもたせに仕立てる『紫野和久傳』は、何をいただいても美味しいと多くの人に愛される名店です。こちらでは、今、まさに旬の味として数々の栗のおもたせを展開しています。特に小松さんが推薦するのが「わたぼうし栗餡」。「なめらかな栗餡を、ふんわりと柔らかで真っ白な求肥で包んだ季節のお菓子。わたぼうしという名前は頭をすっぽりとおおった花嫁の綿帽子からきています。美しい花嫁さんのイメージそのままの品のいい甘さ」という小松さんの言葉どおり、見た目の可愛さももちろん、上質な栗を丹念に裏ごしした栗餡は、優しい甘さと栗の風味が香る絶妙な美味しさ。誰にでも喜ばれること間違いなしの一品です。「わたぼうし栗餡」〈紙箱2個入り〉¥864、〈紙箱3個入り〉¥1,296、〈紙箱6個入り〉¥2,592(すべて税込)*販売期間は2017年11月30日まで。消費期限は製造日を含み3日間です。

 
■お問い合わせ先/紫野和久傳 tel.075-495-5588

栗のテリーヌ 天 by『仏蘭西焼菓子調進所 足立音衛門』


京都・福知山城の近くに本店を構える『仏蘭西焼菓子調進所 足立音衛門』。手作りで仕立てた焼き菓子には定評があり、多くのファンが通う名店として有名です。なかでも小松さん推薦の「栗のテリーヌ 天」は栗がたっぷり入った絶品パウンドケーキ。「お値段も飛び切りですが、お味も飛び切り。ぎっしりと詰まった栗と、上質なバターをたっぷり使ったしっとりした生地の断面に栗が顔を出すさまは、まさにテリーヌ。『足立音衛門』の栗のお菓子作りへの熱意は驚くほど。種類の違う栗を使い分け、粉やバターにも徹底的にこだわるといった姿勢に頭が下がります」と小松さんのいうとおり、発酵バター、讃岐和三盆糖などの上質な素材に、栗本来の自然の味わいを楽しめる糖度を抑えた丹波栗とヨーロッパ種の栗を2種類使うことで、その食感と味わいに奥行きを出しているそう。1本に400グラムもの栗がギュウギュウに詰まっているその栗のほっこりした味わい、ケーキの上品な甘さ、その見た目と重量感は必ず満足できるはずです。「栗のテリーヌ 天」¥10,000 *お取り寄せは冷蔵便にて。賞味期限は冷蔵約2週間。

 
■お問い合わせ先/仏蘭西焼菓子調進所 足立音衛門 tel.0120-535-400

善兵衛栗(西明寺栗)マロングラッセ by『くら吉』


『くら吉』は、みちのく小京都、秋田・角館に店舗を構えるお菓子店。厳選した素材のみを使用し製法に工夫をこらした、職人による手作りの菓子にこだわる名店です。こちらの秋の看板商品が「善兵衛栗(西明寺栗)マロングラッセ」です。「日本一大きい、秋田の善兵衛栗を、時間をかけて少しずつ糖度を上げて蜜漬けにしたマロングラッセ。フランスやイタリアのマロングラッセにくらべてあっさりとしている分、栗そのものの優しい甘みをダイレクトに感じます」という小松さんの言葉のように、栗本来の甘さを引き立てた優しい味わいは『くら吉』ならではのこだわり。安心で安全な栽培を行った大粒の和栗を使用したマロングラッセは、自分へのご褒美にはもちろん、大切な方への贈り物にもぴったりです。「善兵衛栗(西明寺栗)マロングラッセ」〈4個入り〉¥5,940(税込) *2017年分は11月より販売、なくなり次第終了。賞味期限は常温1カ月です。

 
■お問い合わせ先/くら吉 tel.0187-52-0505

和栗のパテ by『くりはち』


「日本の伝統的食文化を探索しながら、時代・環境の変化と共に減少しつつある食材・食品を次代の人達に紹介することで日本人としてのアイデンティティを受け継いで行ってほしい」という代表の大高広行さんのポリシーどおり、和栗にこだわり、無燻蒸(通常収穫したあとに施される燻蒸剤を用いた処理をしていない)で厳選された和栗だけを使用している『くりはち』のお菓子。期間限定で販売される「焼き栗」も評判ですが、今回小松さんが紹介するのは「和栗のパテ」。「日本全国の和栗を追いかけて焼き栗や栗のお菓子を作り続ける、こだわりの店。栗そのもののナチュラルな甘みを何より大切にしているので、加える砂糖も最小限。栗のつぶつぶをほどよく残した食感も絶妙で、口の中でより風味が強く広がります」と小松さん。和菓子としてそのまま食べるのはもちろん、寒天と一緒に白蜜をかけて栗あんみつとして食べてもとても美味しいです。直営店は東京・世田谷区中町にオープン。地方発送・お取り寄せも可能です。「和栗のパテ」〈1個80g入り〉¥900 *消費期限は冷蔵で購入日含め4日間。開封後はその日中に。販売期間は売れ行き次第で変わりますが、例年、12月ごろ完売。

 
■お問い合わせ先/くりはち tel.03-5706-3534

栗薫 by『和栗や』


『和栗や』はその名の通り、和栗専門のスウィーツのお店。全国一の栗の産地である茨城県の笠間地方で採れた栗にこだわり、なかでも通常収穫したあとに施される燻蒸剤を用いた処理をしていない栗を用いています。そんな農家の方が丹精込めて育て、ひとつひとつ手で収穫した栗のもつ本来の美味しさを生かすために、長年の経験に基づいた、迅速な選別と処理、加工を施して生まれたのが「栗薫」です。「笠間の栗に特化した栗菓子屋さん。こちらの栗薫は、栗と砂糖しか使っていないのに驚くほどしっとりと濃密な食感で、感激の美味しさ。笠間の栗への頑な愛を感じます」と小松さんも絶賛。東京の下町、谷中銀座にあるお店では、モンブランやパフェなど、栗を使った作り立てのオリジナルスウィーツが楽しめて大人気。そして、栗薫はもちろん、栗の大福や栗のパイなどはお持ち帰りやお取り寄せもできます。和栗ならではの上品な風味、凝縮された栗本来の美味しさをぜひ試してみて! 「栗薫」〈4袋入り〉¥2,900、〈6袋入り〉¥4,300(2点共税込) *1袋に3切入り。賞味期限は冷蔵7日。


■お問い合わせ先/和栗や tel. 03-5834-2243

カスターニャス by『カカオサンパカ』


16世紀、中南米で硬貨の代わりにもなっていた貴重な果実の豆、カカオを初めてヨーロッパにもたらしたのは、スペインでした。そのスペイン王室御用達のショコラテリアが『カカオサンパカ』。スペイン最大のカカオ輸入・製造会社ネダーランドグループのチョコレートブランドとして1999年に誕生しました。日本では東京・丸の内、大阪・梅田、そして金沢にショップがあり、連日チョコレート好きでにぎわっています。その『カカオサンパカ』の秋の限定商品が「カスターニャス」。厳選した良質なスペイン・ガリシア産の栗のペーストを練りこみ、ひとつひとつていねいに手作りしたチョコレートは、上品な栗の甘みとチョコレートが溶け合う贅沢なテイストが魅力。「栗の形をかたどって、ひとつずつホイルで包んだ姿がなんとも愛らしく、栗のペーストを練りこんだ濃厚な味わいは、欧州の栗ならではのもの。シックなピロー型ボックス入りなのもおしゃれで、センスのいい方に差し上げたい」と小松さん。秋の風味をチョコレートに凝縮したこの時期だけの美味しいお菓子、期間内にぜひ試してみて。「カスターニャス」〈8個入り〉¥2,400 *賞味期限は出荷日より2週間。販売は数量限定なので売り切れ次第終了します。

 
■お問い合わせ先/カカオサンパカ tel. 03-5218-8839

マロンパイ by『ラ・プレシューズ』


上質で美味しいスウィーツで人気の『ラ・プレシューズ』。こちらの秋のお菓子といえば和栗のモンブランが有名ですが、この「マロンパイ」も実は隠れた逸品。「数あるマロンパイのなかでも格別に美味しいと評判の『ラ・プレシューズ』看板メニューのひとつです。強めに焼いた香ばしくはらりと崩れるパイのなかから、大きな栗の渋皮煮が丸ごと1個入っている贅沢なパイで、ほくほくとさくさくのコントラストが絶妙」と小松さんの言葉どおりその栗のボリューム感とパイの食感はみごとなハーモニーを奏でます。リッチなバターの香りとあいまって、ひとつで秋を堪能できる大満足のパイです。軽く温めていただくのも美味しいそう。ぜひ試してみてください。「マロンパイ」〈1個〉¥460 *販売期間は毎年9月~1月末ごろ(栗の収穫状況により変わります)。賞味期限は常温で4日間。


■お問い合わせ先/ラ・プレシューズ tel.03-6268-9755(紀尾井町店) tel.03-3356-6559(四谷店)

モンブラン by『パティスリー ラブリコチエ』


2009年11月にオープンした『パティスリー ラブリコチエ』。「ラブリコチエ」はフランス語で「杏の樹」という意味。「ペシェ・ミニョン」や「ダロワイヨ」などを含む10店舗で修行を積み、渡仏。その後、このお店を開いたオーナーシェフ、佐藤正人さんのこだわりの生菓子や焼き菓子がショーケースいっぱいに並んでいます。なかでもこの季節に大人気なのがこの「モンブラン」です。「オーダーが入ってからひとつひとつ手で絞るこだわりのモンブラン。最近はその場で絞るというお店も増えましたが、こちらは、和栗の風味がしっかり生きているという意味では別格。なかのクリームシャンティもあっさりとした風味で和栗の優しい甘さを引き立てます」と小松さん。さくさくのメレンゲの土台も美味しく、シーズン中に何回か食べに足を運びたいですね! 「モンブラン」〈1個〉¥480円(税込)*2018年3月中旬ごろまでの限定販売。

 
■お問い合わせ先/パティスリー ラブリコチエ tel.03-5364-9675

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