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ヴェトモン 17年秋冬コレクション - ”秘書”や”観光客”など典型的なスタイルを解体

  • 2017.9.12
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ヴェトモン(Vetements)2017年秋冬コレクションが発表された。

テーマは、”アーキタイプ ディスクリプション”。「典型の描写」と訳すことができるこのテーマの通り、今シーズンはヴェトモンらしいストリート精神が感じられるコレクションを展開した。単なる美しいものではなく、社会と密接な関係を持つファッション。それは、様々な斬新な試みを行ない近年ファッション界で異彩を放つ革命児・ヴェトモンの哲学を体現しているようだ。

ランウェイを歩くのは、若くすらっと背が高いモデルではなく、若い青年から老婆、中年男性まで、人種も体型も様々な37人。それぞれのルックには、”秘書”や”不良少年”、”ご近所さん”といったソーシャル・ステータスが割り振られている。「どこかで見たことある」というような既視感にあふれたランウェイは、あたかも私たちの常識をファッションという形で浮かび上がらせているようだ。

例えば、「パリジェンヌ」と名付けられたルックでは、トレンチコート姿にブルージーンズ、赤いバレエシューズを合わせ、首元にはスカーフを無造作に巻いた白人女性が、典型的なパリの女性を表現。ドイツの都市の名前が書かれた”お土産Tシャツ”に、レインコートを着込み、リュックサックを背負った中年男性は、「観光客」に見立てられている。

しかし、単に舞台衣装のようにそのまま世間のイメージを再現しているのではない。不自然に解体・誇張されたディテールや大きすぎるシルエットなど、典型的な着こなしとの”ズレ”の中に、ヴェトモンらしいセンスを織り交ぜている。

「不良少年」を表したルックでは、大胆に2枚重ねされたMA-1ジャケットや、手先まで隠してしまうスーパーロングスリーブで、ヴェトモンのアイコンスタイルを作り上げた。さらに、先シーズンのランウェイにも登場したブーツとパンツが融合したアイテムも登場。モードなスタイルとしてではなく、ハイキングパンツとしてカジュアルに取り入れられていることで一層異質な存在感を放っている。