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お味噌汁、ちゃんと飲んでる?発酵食品の味噌を食べてヘルシー女子になる!

  • 2017.8.26
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発酵食品が身体に良いと話題に上ることがあります。でも、大袈裟な事を言うまでもなく、私たちの身近には発酵食品の代表、味噌を使った「味噌汁」というものがあるんです。そんな味噌汁のおいしさ、日本人に欠かせない役割の再発見に取り組んでいる東京・亀戸の佐野みそ亀戸本店さんにうかがってみました。

味噌汁は、もっと自由で楽しくていい!?

先日テレビを見ていたら、「味噌汁を週に何回飲みますか」という街頭インタビューをしていました。驚いたのは、週に1回ぐらい、あるいは1回も飲まないと言う人がいたことです。ご飯と言えば味噌汁というのは、もう遠い時代の話になってしまったのでしょうか?「イタリアンだ、エスニックだと、海外からいろいろな美味しいものが入ってきて、味噌汁の美味しさが忘れ去られてしまったのかもしれませんね。味噌の消費が年々下がっているのは事実です。うちの店でも、それを食い止めるのはどうしたら良いかと、味噌汁の勉強会をしたり、研究を続けてきました」と語るのは、昭和9年創業の佐野みそ亀戸本店の三代目社長・佐野正明さんです。味噌汁の美味しさ、自由さ、楽しさを再発見してもらうために、店の奥に設けたペース“味苑(あじえん)”で、お味噌汁を出し始めたのだそうです。

具だくさんの味噌汁をしっかり作れば、子供も大人も大満足

「味噌汁の具と言えば、豆腐とわかめだけ。それ以上にある?なんて言われますけど、本来味噌汁はどんな具材でも合うし、季節感はあるし、もっと楽しいものであるはずなんですよ」(佐野さん)。今回、お話を伺いたいとご連絡した際に、Sheageをご覧になっていただいたそうです。そこで思い出したのは味苑を作るとき、誰をターゲットにするかを考えた時のこと。「最初は50~60代ぐらいの、子育てを終えて後は夫とこれからどういうライフスタイルを作っていくかと考えている世代を考えました。年齢的に、もうハンバーグとかを一生懸命作る必要もないでしょう。だったら具だくさんの味噌汁をしっかり作ればいいんじゃないですか?という提案をしようと思いました。次に考えたのは、その娘さんたちの世代。子供が味噌汁を食べなくて困っている。じゃあ、こんな味噌汁を作ってみたらいいですよ。楽しく作れば子供は食べてくれるし、それで問題解決しますよ。ということでターゲットを考えたんです」(佐野さん)。

出汁と味噌、そして季節の野菜さえあれば

味苑のメニューはとってもシンプルです。味噌本来の味を楽しむ、味噌と出汁と菊の花やルッコラなどの季節の吸い口のみのシンプルな味噌汁。あるいは季節の具材を豊富に入れた具だくさんの味噌汁。サイドメニューとして、ごはんとおかず味噌のセットや、焼きおにぎりとおかず味噌のセットなどがあります。「うちは調理人がいないんです。社内の人間で作っていますが、調理の基礎として私と店長、女性社員の3人で週5日、9時〜21時まで、半年間、人気の外食店に入らせてもらい調理場で修行をしました。本当にめちゃくちゃしんどい半年だったんですが(笑)、私たちが考えるお味噌汁をつくるには、一番味噌のことをわかっている自分たちがつくるのが一番良いと考えたからそうしました。現在は7名の調理できる人が社内にいて、修行を受けた私や社員が指導を行っています。そもそも味噌汁は、難しい調理をしなくても、出汁をきちんと取って厳選した味噌を入れれば美味しくなるんですから」(佐野さん)。取材で店内に入ったときから、美味しそうな味噌汁の匂いがプーンとしてきて堪らなかったんです。早速具だくさんの味噌汁、それに焼きおにぎりとおかず味噌のセットをいただくことにしました。

丁寧な下ごしらえと、すり鉢で合わせる味噌が美味しさの秘密

本日の具材は、かぼちゃ、さつまいも、ズッキーニ、なす、とうもろこし、トマト、大根などの野菜の他、選択できる魚と肉は、鮭をチョイス。味噌は何種類かあるものの中から好みの2種類を選ぶと、丁寧にすり鉢で混ぜ合わせてから出汁に入れるのだそうです。具材も、ひとつひとつ焼くとか、煮るとか、きちんと下ごしらえしたものが並んでいて、そこから入れて作られます。本当に細やかな味噌汁づくりなので、まさに頭が下がります。そんな様子を見ていたら、これが美味しくないはずがないと思えました。そして実際に味わったお味噌汁は…、「お味噌汁ってこんなに美味しかったっけ?」というのが私の感想です。佐野さんは、お味噌汁を食べながら涙を浮かべている女性のお客様に出会ったことがあるのだとか。それも納得の美味しさでした。

赤・白・黒。三種の味噌を冷蔵庫に

こんなに美味しいお味噌汁をいただいたのですから、是非お味噌を買っていきたいと思って、どんなものを買ったら良いのか佐野さんにうかがってみました。「味噌によって合う具材というものがあるので、基本は赤・白・黒の三種を持っているといいと思います。魚介類、肉、緑黄色野菜、夏だったらゴーヤなどの強い味のする野菜には赤味噌が合います。同じ野菜でも、カボチャや人参、玉ねぎなど甘味の強いものには、同じく甘い香りの白味噌がいいでしょう。シジミなどの貝類、納豆やなめこ、叩いたオクラやモロヘイヤなどのネバネバ系、トマトなどの味を引き立てるのは黒味噌です。またこれはアボカドにも合うんですよ。味噌汁にちょっと牛乳を足すと味がマイルドになって、これが味噌汁?と思うんじゃないでしょうか」(佐野さん)。トマトやゴーヤ、それにアボカドまで…。味噌汁の自由さを感じられるアドバイスで、早速家で試してみたくなりました。

好みの味噌を噌ムリエに選んでもらいましょう

佐野みそ亀戸本店では、「噌ムリエ」という資格があります。佐野さん自らが作ったテキストで勉強して、年に一回試験があるのだそう。それに合格した店員の方が店頭にいて、お客様のさまざまな相談に乗ってくれます。同店で取り扱っている味噌は、オリジナルが13種類、その他全国各地から取り寄せたものを合わせて常時70種類程度が並んでいます。ご飯に合うおかず味噌や漬物類も所狭しと並んでいて、ついいろいろ買いそろえてみたくなり、嬉しい悲鳴。お味噌汁は古いけど新しい…、それを今日買ったお味噌でいろいろ試して見ようと思いました。みなさんも是非足を運んで、お味噌汁を味わってみてください。そうすれば帰りにはお味噌を手に入れているはずです。
writer / reeeko photo / reeeko

取材協力

佐野みそ亀戸本店
03-3685-6111

東京都江東区亀戸1-35-8
(月〜土)09:00〜19:00
(日・祝日)10:00〜19:00
年中無休(正月三が日を除く)
https://sanomiso.com/

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