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植物療法士 森田敦子さんに聞く「ハーブとハーブチンキの力」

  • 2017.8.16
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ハーブチンキって何ですか?

「ハーブは求める薬理効果によって錠剤やパウダー、ハーブティーなどの形状に加工されますが、アルコールなどでハーブの成分を抽出した液状のものがハーブチンキです。ハーブティーがお湯で水溶性成分を抽出するのに対し、ハーブチンキは度数の高いアルコールにドライハーブを漬け込むことで水溶性と油溶性成分を抽出でき、薬効をより効率的に得ることができます」

ハーブって体にいいの?

「ハーブというとお茶やアロマを連想し、"癒やし"のイメージを持つ人が多いかと思いますが、ハーブ=植物には薬理効果があるためヨーロッパでは不調時のケアとして、東洋では漢方として取り入れられています。近年はハーブ効能のエビデンスも取られています」

どう取り入れればいい?

「ハーブチンキは飲むのが基本。回数や飲む量は、ハーブの種類によって若干異なりますが、1回10~15㎖をそのままか水や炭酸水などで薄めて飲めます。また、精製水で薄めればうがい用や化粧水、入浴剤やルームスプレーなどにも使えます」

自分に適したハーブの選び方がわからない

「ハーブの薬理効果はほぼ確立されているのでハーブやアロマなどの専門書などを参考に、自分の目的に合ったものを選べば大丈夫。また、ハーブ専門店や植物療法士がいるお店でカウンセリングをしてもらい、体質に合わせてブレンドしてもらうのもおすすめです」

ハーブティーとの違いは?

「ハーブティーはお湯または水出しのため、有効成分の抽出量を一定に保つことが難しいのですが、フランスの薬草薬局「エルボリステリア」では効能が得られるよう処方されます。ハーブチンキは一定量を抽出できる利点があるため使用しやすいというメリットが」

どこで買えるの?

「ドライハーブはハーブ専門店で買えます。ハーブチンキは日本ではまだ買えるところが少ないのですが、コスメキッチンなど、ナチュラルコスメを扱う店舗で購入できます」

注意することってある?

「度数の高いアルコールで抽出するため、アルコールが飲めない人や未成年の方は、グリセリンで抽出したものやアルコールを飛ばす製法で作られたハーブチンキがおすすめ。自分で作った場合は1カ月くらいで飲み切りを」

どんな効果が期待できるの?

「それぞれのハーブが持つ薬理効果はもちろん期待できますが、特に現代人が抱える不定愁訴を緩和するのにおすすめです。ストレス社会である現代は、病気ではないけれど、自律神経の乱れや生理痛、不眠などを訴える人が多いです。そんな不調の症状に合わせてハーブを選び、取り入れることで不調が緩和され、気がつけば"体の調子がよくなっている"というのが魅力です。また、自分の体や生活を見直すきっかけにもなります」

※この特集内で紹介している効果効能には個人差があります。
専門知識のある人のアドバイスのもと、取り入れることをおすすめします。

森田敦子さん Profile

客室乗務員時代の自身の不調をきっかけに、パリ第13大学にて植物療法を学ぶ。帰国後は後進育成やフィトコスメの開発など多方面で活躍。『潤うからだ』(ワニブックス)を上梓したばかり。

SOURCE:SPUR 2017年9月号『噂の「ハーブチンキ」を知っていますか?』
photography:Machiko Odan
styling:Masayo Kooriyama〈SIGNO〉
edit:Yuumi Fujii〈dis-moi〉

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