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上手に摂って美と健康の味方に♡ヘルシーな油の摂り方3ヶ条を「金田油店」で教わる

  • 2017.7.12
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「油=高カロリー」と、ダイエットの敵のように悪者扱いされる油。でも、最近は身体を作るのに大事なものとして評価の動きも。話題のえごま油の他、バラエティ豊かな油を扱っている浅草橋の「金田油店(かねだあぶらてん)」をお訪ねし、油との良い付き合い方について教えていただきました。

創業以来140年余、油を扱うパイオニア

人形専門店や玩具問屋などが軒を連ねる街・浅草橋。ここで明治3年の創業以来140年余、さまざまなバラエティに富んだ油を扱っているのが「金田油店(かねだあぶらてん)」です。「元々は、この近くの柳橋で両替商をしていたのですが、その傍ら菜種油の量り売りなどを始めて、菜種油以外の油も扱うようになったのは、昭和になってからだそうです」と語るのは、ネットショップの店長で、リアル店舗も見ている青木絵麻さん。以前は全く別の業界にいましたが、ネットショップを立ち上げるタイミングでこちらに転職されたのだそう。「以前から、調味料オタクではあったんですけど、油について本格的に勉強をし始めたのはここに入ってからです」(青木さん)。実は私がこのお店を知ったのは、青木さんが油の知識の啓蒙のために書き始めたブログ「油屋ごはん」を見たのがきっかけでした。

魚の摂取量が減ったことで、油の摂り方にも変化が!?

油は、他の食品や飲み物と違って、見て美味しそうとはなりません。だから、料理を作って見せるしかないだろうということで、青木さんはブログを立ち上げたのだそうです。
「油は、皆さんが思っている以上に重要なポジションにあります。えごま油やアマニ油といった、いわゆる『オメガ3系』と言われる油は、体内で作られないので外から取り入れる必要のある『必須脂肪酸』を含んでいます。必須脂肪酸は、細胞膜やホルモンの原料になるものなので、できればバランスよく摂っていただきたいと思います」(青木さん)。
オメガ3といえば、青魚に多く含まれるEPAやDHA。以前日本人は現在より魚の摂取量が多かったので、必須脂肪酸が欠乏することはあまりなかったのだとか。「最近は中高年の方でも肉好きとか、手間がかかるからと言って魚を食べなくなっています。肉と同じ量の魚を食べるとなると、魚の方が高くつくというのも原因かも知れませんね」(青木さん)。

からだのための油の摂り方3ヶ条

青木さんは金田油店に入って約14年。油の販売に際して、いろいろ得た知識を元に、店を訪れるお客さんにはもちろん、さまざまなセミナーなどで油に関する話をする機会も多いのだそうです。その中で毎回皆さんに説明するのは、「油の摂り方3ヶ条」。

1.油の摂取量を正す
30、40代の女性で1日に摂取したい油は大さじ4程度(食材などに使われる油を含む)。油を構成する脂肪酸には、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸などがあり、その種類によって体内での使われ方、たまり方が違うので、どの油にどれが多く含まれているのかぐらいは知っておいた方がいいでしょう。

2.オメガ3小さじ1を毎日の習慣に
体内で作られず外から摂取する必要のある必須脂肪酸の中でも、欠乏しがちなα-リノール酸の含まれるオメガ3系オイルを意識して摂るといいでしょう。

3.加熱には加熱に強いオイルを
加熱調理には飽和脂肪酸やオレイン酸が多めの油(オリーブオイル、こめ油、菜種油、ひまわり油など)を使用すると良いでしょう。

まずは自分が日々どんな油をどれだけ摂っているかを知ることから

上記のことに注意しつつ、気をつけなければいけないのは、やはり摂る油の種類のバランスなのだそう。「α-リノレン酸を多く含むオメガ3系オイルを摂るのは重要なんですけれども、同時にリノール酸を多く含むオメガ6系オイルを摂り過ぎると、せっかくのオメガ3系オイルの代謝を邪魔してしまうので、効果が相殺される可能性があります。だから、オメガ3系の油を摂りつつ、オメガ6系の油が過多にならないよう気を遣うことが大事なんです」(青木さん)。

なんだか難しい話になってきましたが、まずは、自分の食生活の中で、どんな油をどれだけ摂っているかを把握し、手持ちの油の種類の把握を。上記の3ヶ条を意識しつつ、油の香りや、さまざまな違いを楽しんで欲しいと青木さんはアドバイスしてくれました。

写真:「油屋ごはん」より
左/鮭と豆乳のポタージュ
右/藻とマメと野菜のサラダ

良質の油を毎日小さじ1杯摂ることを習慣化しましょう

青木さんがオススメするオメガ3系オイルの代表、えごま油は数年前、認知症予防に効果が望めるとテレビなどで紹介されたことからブームになりました。20年程前からえごま油を取り扱っていた金田油店でも通販で注文が殺到してあっと言う間に品切れになってしまったのだそう。
「えごま油はクセがないから、何に使っても大丈夫です。一応私は本を出したりしてレシピを紹介していますが、わざわざ料理しなくても、ヨーグルトやスムージーに入れても良いし、お味噌汁などの汁物、納豆、キムチ、卵がけご飯とか、その日に食べるものにかけて摂ればいいんです。難しく考えず、毎日小さじ1杯摂るというのを習慣化して、続けることが大事です」(青木さん)。

香りと風味を楽しみながら、いろいろな油を味わってみましょう

金田油店の店頭には、話題のえごま油はもちろん、おなじみのオリーブオイルや胡麻油、菜種油のほか、さまざまな珍しい油が並んでいます。「世の中に出回っている油のほとんどは種を絞るんですが、オリーブとパームヤシ、そしてアボカドは果肉を絞ります。うちで扱っているアボカドオイルはエクアドル産で、アンデアンスター=アンデスの星というネーミング通り、アボカドの葉を星型にパンチし、乾燥殺菌の上混ぜてあるものなんです。お料理にかけると星屑が散らばって可愛いんですよ。女性にも人気です」(青木さん)。

いろいろご紹介いただくと、どれもこれも欲しくなってしまいます。特に、クルミやヘーゼルナッツ、マカダミアなどのナッツ類の油は、香りがとても香ばしくて、パンケーキにかけるとか、茹で海老、蒸し鶏などにかけても美味しいそうです。かなり黒に近い緑色のパンプキンシードオイルは、見た目かなりインパクトが強いのですが、味を見てみると甘く香ばしい感じ。ポタージュスープやサラダ、 意外なことにアイスクリームにかけても美味しいんだとか。うーん、どれもこれも目移りしてしまってついつい買いすぎてしまいそうですが、油の一番の敵は酸化。開封後、2、3ヶ月で使いきる量を買うのがコツだと青木さんからアドバイスされました。金田油店は、通販の利用もできますが、店頭に行ける方は直接出向いて、いろいろな油を見てみることをオススメします。

writer / reeeko photo / reeeko、油屋ごはん

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