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彼の愛は本物!? シンママが子連れ再婚する前に確認すべきこと

  • 2014.12.25
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【ママからのご相談】

30代です。まだ結婚はしていないのですが、今一緒に住んでいる彼と、私の2人の息子たちのいい関係の築き方に悩んでいます。彼にも将来的にはなんでも言い合えるような関係になってほしいと思うのですが……。今は、できるときには一緒に宿題をしてくれたりゲームをしたり仲良く見えますが、子どもたちも私に気をつかっているのではと思うと、たまに聞こえる彼の子どもたちに対する少しきつい言葉(宿題の間違い指摘やけんかの仲裁の際に出る言葉)が心配です。

●A. きつい言葉の中に愛情が感じられないようであれば、結婚はよく考えてからにしましょう。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

あなたの子どもさんたちに対する彼の“きつい言葉”の中に愛情が感じられないようであれば、彼との結婚はよくお考えになってからの方がいいかと思います。逆に、彼の言葉に、「君たちにちゃんとした大人に育ってほしいから、厳しいこと言うんだよ」というものがあふれ出るように感じられるのであれば、何もお悩みになることはありません。

以下の記述は、ご相談を読んだあとすぐに、長年にわたってシングルマザーの再婚に関する悩みと向き合ってきた精神科医に連絡をとって聴いたお話しに基づいて、すすめさせていただきます。

●子どもを愛する心に“血のつながり”などという概念が入り込む余地は一切ありません

『子どもと一緒に彼氏と暮らすようになった女性から、しばしば、「彼が子どもにきつくあたる」「“しつけ”と称して叱るけど、度を過ぎているように感じる」「彼から見放されると経済面で困るので、私も一緒になって怒鳴ってしまう」といった相談を受けます。

そのようなときにはまず、「彼のきつい言葉やきつい態度は、あなたからみて子どもを愛するがゆえの言葉や態度に見えますか」と、聞くことにしています。もしあなたが自信をもって、「間違いなく、愛情ゆえです」と言い切れないのであれば、このまま結婚まで進むことは一度立ち止まってよく考えてみてください』(50代女性/都内メンタルクリニック院長・精神科医師)

少し厳しいかもしれませんが、精神科医がこのようなアドバイスをするのには理由があります。それは、子どもを愛する心に“血のつながり”などという概念が入り込む余地など一切ない、という理由です。

“甘やかす”ということとは、全然違います。ただ“いとおしい”ということです。ですから、ご相談者さまの彼氏の、「少しきつい言葉」が、「どうもそういった愛情から出たものでもないように思える」というのであれば、子どもさんたちのために考え直す必要もあるのではないかということです。

●彼は子どもを含めたあなたを愛しているかどうか、よく見つめてみてください

『次にお伺いしたいことは、彼は、「子どもを含めたあなたという女性を愛していると思われますか」ということです。今のあなたに人の子どもがいることは紛れもない現実です。一緒に暮らすほどあなたのことがいとしくてたまらないのであれば、あなたの子どもたちのこともいとしくてたまらないはずです。つまり、彼の、「少しきつい言葉」の中に一点の曇りがあるのならば、それはあなたへの愛にも一点の曇りがあるということなのです』(前出・精神科医師)

●経済面で彼がいないと困るからという理由で“いい関係”を求めるのなら、筋違い

『最後に確認しておきたいことは、あなたの中に万が一、「経済的な面で彼がいないと困るから、子どもたちと彼とが“いい関係”を築いてほしい」というような心理があったとしたら、それは筋違いです。子どもは、自分を本当に愛してくれる人と一緒に日常の暮らしが送れるのであれば、少々の貧しさなど意にも介しません。

彼の、「少しきつい言葉」が愛情から発せられているものではないのに、あなた自身が自分をごまかしてまで、「あれが彼流の愛の形」と思い込もうとされているのだとしたら、そのような無理は残念ですがそんなに長続きしないということを、申し上げておかなければなりません』(前出・精神科医師)

●“里親”や“養子を育てている人”は、子どもに意味なく“きつい言葉”はぶつけない

直木賞や菊池寛賞を受賞した有名な社会派女性作家の作品で、敗戦で中国に置き去りにされた日本人の戦争孤児が、貧しい中国人の小学校教師夫妻に命を助けられ、実の子同様に愛情こめて育てられるさまを描いた大河小説があります。機会がありましたらぜひお読みになってみてください。上述の精神科医からのアドバイスともども、参考になるかと存じます。

一般論としてですが、いわゆる“里親”をなさっているような人や、養子を迎えて育てているような人が、意味もなく子どもに、「きつい言葉」をぶつけるようなことはまずありません。彼の、「少しきつい言葉」の本質が、子どもたちへの愛から発せられるものであるのか、子どもを疎ましく思う気持ちから発せられるものなのか、見極めることはあなたの責任でもあります。

結果としてもし、“彼とは結婚はしない”という選択をされた場合、国が実施しているひとり親家庭の支援策も種々ありますので、厚生労働省のホームページから調べられることをおすすめいたします。

どうしても子どもを対象としている問題であるため、取り返しのつかないような事態が生じることだけは回避しなければなりませんから、彼に対して慎重すぎる見方の回答になってしまったことを、お詫び申し上げます。

彼の、「少しきつい言葉」が、子どもたちへの愛情から発せられたものであることを、祈念してやみません。

【参考リンク】

・母子家庭等関係 | 厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-katei)

(ライタープロフィール)

鈴木かつよし(エッセイスト)/慶大在学中の1982年に雑誌『朝日ジャーナル』に書き下ろした、エッセイ『卒業』でデビュー。政府系政策銀行勤務、医療福祉大学職員、健康食品販売会社経営を経て、2011年頃よりエッセイ執筆を活動の中心に据える。WHO憲章によれば、「健康」は単に病気が存在しないことではなく、完全な肉体的・精神的・社会的福祉の状態であると定義されています。そういった「真に健康な」状態をいかにして保ちながら働き、生活していくかを自身の人生経験を踏まえながらお話ししてまいります。2014年1月『親父へ』で、「つたえたい心の手紙」エッセイ賞受賞。

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