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「ついで掃除」が基本! 世界一のカリスマ清掃員が教える掃除テク

  • 2017.6.30
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羽田空港で働くカリスマ清掃員、新津春子さん。NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』にも登場し、新津さんが特集された放送回は、2015年度の最高視聴率を記録しました。

2013年、2014年、2016年、2017年と羽田空港が「世界一清潔な空港」に選ばれたことにおける功労者のひとり。現在は環境マイスターとして、約500人いる清掃員を束ねるリーダーです。いわば「世界一の清掃員」である新津さんの自宅でのお掃除術とは、どんなものなのでしょうか?

新津さんのベストセラー書籍『“世界一”のカリスマ清掃員が教える 掃除は「ついで」にやりなさい!』から、目からウロコの掃除のコツやポイントをいくつかをご紹介します!

■“ついで掃除”こそ家事の基本!

がんばろうと気負いすぎても続かないのが日々の掃除。新津さんは本の中で、掃除を気軽に楽しく続けるための6つの心がけを提案しています。そのひとつが本のタイトルにもある「ついで掃除」です。

掃除の仕事をはじめる前は、掃除ギライだったという新津さん。本でも次のように書いています。

「家じゅうを毎日ちゃんと掃除するなんて、清掃のプロの私でも無理ですし、“わざわざ掃除”じゃなくて、“ついで掃除”こそが家庭の掃除のキホンだと思っています」

毎日の掃除は、「見えるところ」や「触れるところ」だけやれれば十分だそう。ポイントは、汚れやすい「普段から通る場所」とホコリが落ちやすく手アカなどもつきやすい「目線より低い場所」を掃除すること。具体的には、パパの出勤を見送りながらタオルで廊下や階段の手すりをサーッと水拭きしたり、歯を磨きながら洗面台の鏡を乾拭きしたり…。なにかのついでに、ササッとやるだけでOKなのです。

そのためには、掃除用具をすぐに手にとれる場所に置いておくことも大事。30秒くらいの短い「ついで掃除」でも、積み重ねると部屋はきれいに保てるといいます。

■道具は極論、タオル1枚でもOK!
空港では、多くの洗剤を使い分けて掃除をしている新津さんも、自宅には汎用性のあるいくつかの洗剤と道具があるだけ。「極端な話、一般家庭なら、タオル1枚あればだいたいの場所はきれいになる」そうです。

基本の拭き掃除には、使い古した綿のタオルを使用。「折り方」「持ち方」「絞り方」に注意すれば、掃除の効果が格段にアップします。

●ムダなく面を使えるタオルの折り方
折り方は8つ折りに。表裏16面できるので、1面ずつ使っていけば、掃除の途中で洗い直したり、たたみ直したりする手間がぐっと短縮できます。

タオルを広げて両端の上部をそれぞれつまんで持ち、横に2つ折り→横に2つ折り→縦に2つ折りで完成。手のひらサイズの長方形になります。

●一度できれいに拭けるタオルの持ち方
拭く場所によって持ち方も変えると効果的。平面を拭くときは、できるだけタオル全体に力が均等にかかるようにすると、無理なくムダなく拭けます。

8つ折りにしたタオルの全体に手のひらをのせ、親指で端をしっかりはさみます。手のひら全体で拭けばタオルが途中でくずれません。

●ダラダラ水がたれない! タオルの絞り方
気をぬいて適当に絞ると、拭き残しがでたり、水跡がついたりするので、水気をしっかり絞り切る「かた絞り」をします。

タオルをもみ洗いしたら、基本の8つ折りをさらに横に追って16折りにして絞ります。バットや竹刀を握りしめるイメージで、両手が横並びではなく前後になるように持つ。

タオルを必要なかたさに絞り終わったら8つ折りに広げ、手の甲についた水分を拭けば完了。床に水滴を落とさないように注意。

■1日3分! 玄関の「ついで掃除」のやり方
本では、キッチンやリビング、浴室、トイレ、玄関、ベランダ、庭など場所ごとの「ついで掃除」とたまにやりたい「しっかりお掃除」のやり方が丁寧に説明されています。例として、玄関の「ついで掃除」の方法をご紹介しましょう。

やることは大きく以下の4つです。

(1)出している靴をしまう
使ったばかりの靴や傘は風を通してから。それ以外はしまっておく。

(2)たたき(靴を脱ぐところ)のホコリをとる
家の中と外、両方からのホコリが落ちて貯まりやすいので注意。

(3)ドアノブを水拭きする
タオルで包みこむようにして拭き残しのないように。

(4)たたきの四隅を湿り拭き
ホコリを多く含む汚れは、濡れたタオルを乾いたタオルではさんで水分を移したタオルを使う「湿り拭き」がおすすめ。

1日3分でも、続ければ見違えるほどきれいになるそうです。このほかに、「濡れたものは置かない」「下駄箱にニオイをこもらせない」「郵便物をちょい置きしない」などを心がけることも、すがすがしい玄関にするコツです。

■心がけ次第で掃除のモチベーションもアップ!

本には掃除のテクニックに加えて、新津さんが掃除から教わったことも書かれており、掃除のモチベーションも上がります。たとえば、掃除の心がけのひとつとして掲げている「掃除は相手への思いやり」という考え方もそう。掃除は自分が快適になるだけでなく、家族も幸せな気分になれるもの。さらに、体力づくりにもひと役買ってくれます。そう考えると、すこしやる気がでてきませんか?

「ついで掃除」なら、3分でも、1カ所でもOKなので、忙しいママもすぐにはじめられます。本には疲れず、合理的に掃除ができるポイントやコツが盛りだくさん。掃除ギライの人も、肩の力をぬいて掃除を楽しめるようになりますよ。

『“世界一”のカリスマ清掃員が教える 掃除は「ついで」にやりなさい!』
新津春子(著)、 ふじいまさこ(マンガ)/主婦と生活社 1,200円(税別)

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で2015年度最高視聴率を獲得した「世界一の清掃員」、新津春子さんが実際に自宅で実践しているお掃除術をあますところなく紹介した1冊。いますぐ使える極意を楽しいマンガとくわしい写真入りでわかりやすく紹介。掃除にまつわるお役立ちコラムも多数収録されています。

新津春子(ニイツハルコ)
1970年、中国・瀋陽生まれ。17歳で来日、高校に通いながら清掃の仕事に従事する。日本空港テクノ株式会社に入社後、全国ビルクリーニング技能競技会で最年少優勝。羽田空港の清掃を中心に手がけ、同空港が2013年、2014年、2016年、2017年と「世界一清潔な空港」に選出された功労者のひとりとして活躍。2015年4月からは「環境マイスター」として、技術指導や知識伝達を中心とし、後輩の育成にあたっている。
(古屋江美子)

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