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お好みの具材をサンド!亀有にあるコッペパン専門店『吉田パン』|by PARISmag

  • 2017.6.22
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毎日の暮らしのなかで少しだけ心が弾むような豊かさをお届けするWEBマガジンPARISmag(パリマグ)から、亀有にあるコッペパン専門店をご紹介します。

東京の下町の代表格といえば亀有。そこから商店街を抜けたところにある、オレンジ色の看板が目印の『吉田パン』は、亀有の新しい人気パン屋さんとして注目を集めるお店です。

このお店はちょっと珍しいコッペパン専門店!そんな『吉田パン』にお邪魔し、代表の吉田さんと店長の小野寺さんにお話を伺いました。

始まりはひとつのコッペパンとの出会い

コロンとしたフォルムがなんだか懐かしい気分になるコッペパンですが、代表の吉田さんがコッペパンのお店を開こうと思ったのは盛岡市民のソウルフードとして知られる『福田パン』のコッペパンがきっかけ。

「盛岡に嫁いだ義妹さんに『すごいパンがある。ぜひ食べてもらいたい』と言われ食べたのが『福田パン』のあんバターでした。食べたときは本当に感動しましたね。この味をなんとかして届けたいと思ったんです。三代目の福田さんにもその想いが伝わり、協力していただくことになったんです。一緒にパンを手でこねるところから始めましたね。

初代の福田留吉さんが食糧の少ない時代に、コッペパンひとつでお腹いっぱいになるようにと作ったので『福田パン』のパンはひとつがとても大きいんです。コッペパンには盛岡の良さ、愛、人の良さが詰まっているんですよ」と語ってくれた吉田さん。

吉田さんはもともと服飾をされていたのですが、そのコッペパンと出会い、コッペパンの店をやろうと決めたのだそうです。亀有という場所を選んだのは、吉田さんの生まれが近所の小岩でなじみのある地だったから。下町のみんなのソウルフードになりたいと亀有にオープンしたのだそうです。

組み合わせ自由!ライブ感が楽しい自分だけのコッペパン

店内に入ると、そこはまるでお寿司屋さんのカウンターのよう。

「普通、パン屋さんってパンが並んでいると思うんですが、うちにはないので初めて来ていただいたお客さまは『あれ…パンないんですか?』って驚かれるんです。

注文していただいてから、目の前で作るのでそのライブ感をぜひ味わってほしいですね。いつでも作りたてですし、塗りたてなんですよ!」と話す店長の小野寺さん。

お客さまの中には、「これを買おう!」と思って決めて来ても、パンに塗っているところを見ていると「これもいいな…あれもいいな…」と、迷われる方も多いのだとか。

メニューは常時30種類ほど。定番メニューをオーダーするだけでなく、具材の組み合わせをカスタマイズできるのも『吉田パン』ならではのうれしいスタイル。

例えば、片面は「あん」、もう片面は「抹茶」など、その組み合わせはさまざま。

「片方ずつ違うものを塗るのはもちろん、お客さまもすごく色んな組み合わせを試してくださるので私たちも驚いています。最近だと、『カレー+あん』のようにお惣菜と甘いものを組み合わせる方も増えてきていますよ」と小野寺さん。

組み合わせ次第で、何百通りにもなるコッペパン。また、“季節のコッペ”というシーズナルメニューや定番メニューの「カレー」も季節によって具材が変わるそうなので、そちらもお楽しみに。

ふわふわのコッペパンを味わう!人気は「あんマーガリン」

取材中、実際に小野寺さんに作っていただいたのは、甘い系のおやつコッペの中で一番人気だという「あんマーガリン」。作っている様子が見られるのは、見ていてワクワクします。あんがたっぷり塗られ美味しそう!

持ってみるとずしりと重みがあります。早速いただくと…その食感に驚き!コッペパンのイメージというと、昔ながらの給食に登場するような少しパサパサしたものだったのですが、このコッペパンはふわっふわ、そしてしっとりとしていて歯切れが良いです。

コッペパンはふんわりと甘みが感じられる優しい味。あんも甘すぎず、大きいなと思っていたのにパクパクと食べられちゃうから不思議です。

惣菜系のおかずコッペの中でも人気なのはハムカツ、コロッケ、フィッシュ。月曜〜土曜まで限定のメニューで、コロッケ、フィッシュは午前中に、ハムカツも14時過ぎには売り切れてしまうほどの人気ぶり。

今回頂いた「ハムカツ」は、ボリュームたっぷりでとても食べ応えがあります。また、キャベツの量もちょうどよく、マスタード入りマーガリンがいいアクセントに。やみつきになる味です。

また、PARISmag編集部もカスタマイズして作っていただきました!おやつコッペのフルーツサンドの片方にジャム(ラズベリー)をチョイス。見ているだけで楽しい気持ちになります。ホイップとフルーツがたくさん入っていて、まるでケーキのようなコッペパンです。

ちなみに最近の甘い系での人気は「あん×黒豆きなこ」「抹茶×黒豆きなこ」と和風な組み合わせなのだそう。

大きめのパンなので友達や家族でシェアして食べるのも◎。また、毎日通っても、たくさんのメニューから組み合わせも選べるので「今日はこれにしてみよう!あの組み合わせに挑戦してみよう!」と飽きることなく違った味を楽しめます。

お昼の時間帯は行列もできるそうなので、9時〜10時、14時以降がちょっと空いて買いやすい時間とのこと。でも、行列に並んで人それぞれのコッペパンを見て待つというのも、また楽しい時間なのかもしれません。

奥が深いコッペの道

甘い系ともお惣菜系とも、和風にも洋風にも絶妙にマッチする『吉田パン』のコッペパン。その秘密を伺いに、お店のすぐ近くにある工房を見せていただきました。ふわっと甘い香りとともに目に飛び込んできたのは次つぎと焼きあがるコッペパン。毎日1日に2100個ほども作るというから驚きです。

「代表の吉田はよく『コッペ道(こっぺどう)』って言っています、コッペの道ですね。私たちには、コッペパン1種類しかないので、味も見た目もごまかしがきかないんですよ。コッペパンってパサパサしていて、何か飲み物と一緒に食べるイメージを持たれている方が多いんですが、うちのコッペパンはふわふわでしっとりしているのでそれだけでおいしく食べられるんです。

パンは生き物であるイースト菌を使って作るので、季節によって温度や湿度が変わると調整が必要になってきます。その中で、1種類のコッペパンを作るというのはかなり難しさがあるんです。今年の4月で4年目を迎えましたが、まだまだ奥が深いなと感じています」と小野寺さん。

こだわりが詰まったコッペパンだから何を挟んでも合うのでは?と思いきや…具材を決めるのはすごく難しいのだそう。具材もなんでも合うわけではなく、このコッペパンに合うようにと各具材何種類も試したり、オリジナルで作ってもらったりして選んでいるのだと教えていただきました。長い時は数ヶ月試作をすることもあるのだとか!

これからメニューも少しずつ変えていきたいという小野寺さん。その度に、「この量でいいのかどうか、一番美味しくうちのコッペパンを味わってもらえるように」という想いでスタッフの皆さんと一緒に考えているのだそうです。

目指すのは400年続ける吉田パン

「オープンして以来目指しているのは『おいしいコッペパン』と『感じのいい接客』ということ、それだけなんです。その思いから派生したのが具材のカスタマイズだったりするかもしれないですね。私たちは特別なパンというよりは、生活の中やその人の日常の中に入っていけるコッペパンになりたいと思っています」と小野寺さん。

私たちが訪れた際も、小野寺さん含めスタッフの方達がとても元気よく迎えてくださいました。取材中もおじいさんがいつもの頼むというカスタードを買いに来ていたり、お子様がお使いで買いに来ていたりと、すでに亀有の人々の日常に存在しているのかもしれません。

「この先も400年と続けていきたいです。何十年というと、自分たちのことしか考えていないような気がして。そうじゃなくて、もっともっと先まで続いていってほしいし、届けていきたいと思うんです。

私たち『吉田パン』はコッペパンしか作れません。だからこそ、コッペパンと言えば『吉田パン』、と言われることを目指したいと思っています」と吉田さん。

吉田さんたちのたくさんの想いが詰まったコッペパンを食べたら、これまでのコッペパンの概念がくつがえるかもしれません。その感動を味わいに、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

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