「ファッションとアート 麗しき東西交流展」が教えてくれたこと

↑訪れたのは横浜美術館の「ファッションとアート 麗しき東西交流展」ですが、ミュージアムショップでは’90年代の「モードのジャポニスム」展の図録を買ってしまいました。カバーになったエイミー・リンカーの伊達衿コートが単に好みだったため。

先日、横浜美術館開催の「ファッションとアート 麗しき東西交流展」。今週末には終了してしまいますが、ぜひお出かけください。美しい服や工芸品の細部に見入るだけでも単純に楽しめます。また、薩摩藩が輸出した陶器のボタンや、はるばる欧州へ渡った日本の日傘やクラッチバッグを見るに、慣れ親しんだ”和のもの”が「こりゃー金になる」と思った日本人がどれだけいたことか、なんて当時に思いを馳せてワクワクしたり。

さて、本題です。モードは西洋のものという認識が一般的には強いですが、日本の文化が多大な影響を与えていた、しかも私たち日本人からしたら「どんだけ〜」という深いレベルでというのがこの展覧会でわかること。

特に西洋の服飾文化にフォーカスすると、日本開国以来、異文化を見事に消化・吸収していくさまがわかりやすく展示されています。はじめは着物を夜の部屋着としてただ洋装にはおったり(今はTシャツとデニムにヴィンテージの着物をはおる日本人もいますけど、おんなじ感覚ですね)、着物をドレスに仕立て直したり。メインのビジュアルにもなっているターナーの1870年代のボディス&オーバースカートが象徴するように、「着物なのにボンキュッボン!?」という不思議な感覚が面白い。そのうちドレスやマントの形はキープしながら、菊や波など日本的な文様だけを取り入れるという段階へ(このあたりで違和感はなくなってきます)。1900年代に入ると消化っぷりが洗練されてきて、着物風の衿や打ち合わせを取り入れたイブニングドレスが多数登場。「ボンキュッボン」でなくゆったりと体を包み込むようなシルエットが増え、着物インフルエンスが浸透し切った感があります。「グレート・ギャッツビー」の世界を彷彿させる、シルバービーズで青海波を描いたベールのドレスにうっとり。「ん、このヌキエモンはどこかで見たことが……」と思ったドレスは、デムナ・ヴァザリア率いる今のバレンシアガと脳内でリンク。雷に打たれたような衝撃を受けたのは、エミーリエ・フレーゲのコート。着物の”ひらたさ”から着想したのか、大胆なストライプが走るグラフィカルなデザインでモダンアートのよう。力強い存在感は数々の素敵なドレスの中でも光っていました。

女性の体を解放するのにひと役どころか大役を果たした着物ですが、現代の日本では「洋装の方がラク」という思い込んでいる人が多いのは残念なことです(そういう自分も浴衣でさえ気軽に着ることができません)。着物を洋装の中で見事に昇華させた西洋人の方が、日本人よりその本質を知っているのかもしれません。自国のカルチャーをもっと知らなくては。昨日エアウィーヴの記者会見に着物姿で現れてアッと言わせた浅田真央さんを見習わなくちゃ。

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