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年に1度。梅雨が大好きな「生き物たち」と出会える絵本【親子で楽しむ絵本の時間】 第9回

  • 2017.6.19
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© hakase420 - Fotolia.com

1年のなかで、雨の多い季節。それが「梅雨」ですよね。じめじめしてるし、洗濯物は乾かないし… とぼやくママのよこで、窓をぬらす雨のしずくや、しとしと、ザーザー、ぽたぽたなど音の変化を楽しむ子どもたち。子どもたちにとって梅雨は、いつもは出会えない生き物と出会える特別な季節です。今回は、かえるやかたつむり、あじさいなど梅雨ならではの生き物が登場する絵本をご紹介しましょう!

■なけない ちっちゃい かえる

作:エクトル・シエラ/絵:やまうちかずあき/出版社:鈴木出版
「なけない ちっちゃい かえる」

主人公のちっちゃいかえるは、上手に鳴くことができなくて自信がもてずにいました。でも、池の外で初めて動物にはそれぞれの鳴き声があることを知ります。ちっちゃいかえるは「自分は自分でいい」と自信をもって鳴くことができるように…。この絵本は作者の「上手じゃなくても自己流に外国語を話してみてほしい。恥ずかしがることなんてなにもない」という思いが込められているそうです。完ぺきであること、上手であることもいいけれど、「自分らしい」ことも同じようにいいことだよ、と教えてあげられる絵本。

■紫陽花さんとお話しているよ

作:滝口 龍/絵:中村 陽子/出版社:しおり書房
「紫陽花さんとお話しているよ」

ちょうど梅雨の時期に青や紫色の見事な花をさかせるアジサイ。自分の背丈と同じくらいのアジサイにやさしく話しかけるぼく。絵本には「ぼくだって休んで元気になるんだ。お花さんも休まなければね」というセリフがでてきます。その言葉を聞いて、自分の子育てについて考えさせられた、というママもいるようです。「あせらなくて大丈夫」「息抜きはゆっくりと気持ちよく」おおらかな気持ちを保てるよう、休むことはとても大切。そんなことに気づかせてくれる一冊です。

■あめがふってよかったね

作:よしいたかこ/絵:石倉 ヒロユキ/出版社:佼成出版社
「あめがふってよかったね」

幼稚園の運動会を明日にひかえたけんちゃん。「あめ、ふるなー!」と叫んでいたら「あめ、ふれ!」と小さな声…。声の主はかたつむりのデンデン。かたつむりの運動会は雨で決行! 晴れじゃダメなんですね。それでも、けんちゃんとデンデンの間に芽生えた友情に心があたたかくなります。雨ふりが誰かの願いになっていることもある。相手の願いを同じように願う思いやりの気持ち。それがステキな結末を呼んでくれるのかもしれませんね。

■かえるのじいさまとあめんぼおはな

作:深山 さくら/絵:松成 真理子/出版社:教育画劇
「かえるのじいさまとあめんぼおはな」

ふとったイナゴ5匹とやせたあめんぼ2匹を食べた、かえるのじいさま。イナゴはおいしかったけど、あめんぼは食べるつもりがなかった…。そんなじいさまの前にあらわれた、あめんぼおはな。実は食べたあめんぼ夫婦のむすめで…。出会うべきではない2匹が出会い、生きるために食べることの切なさを痛感させられます。素直で前向きなおはな、本能と後悔の間で苦悩するじいさま。生き物の世界の深みを感じさせる、嘘のない絵本です。

■オタマジャクシのうんどうかい

作:阿部 夏丸/絵:村上 康成/出版社:講談社
「オタマジャクシのうんどうかい」

タマはしっぽの短いオタマジャクシ。かけっこすれば、いつもビリです。そんなタマのことを気遣ったみんなは、運動会で特別にハンデをつけてあげることにしたけれど…。その子のためと思って考えたことが、その子のしてほしかったことだとは限らない。でも、そうやって考えることが大事なんだ。そう思える一冊です。タマはみんなのやさしさがわかるから、いいだせずにいました。でも本当はみんなと同じように挑戦したい、やりとげたいと思っていたんですね。読みやすい文章で「ひとりよみ」できる絵本としてもすすめられています。

梅雨がくるのを心待ちにしている生き物たち。雨の日も傘をひろげてお散歩すれば、絵本で親しんだ生き物たちの生き生きした姿を目にできるかもしれませんね。
(すだ あゆみ)

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