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2017年LVMH プライズは誰の手に? 発表は6月16日。

  • 2017.6.13
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今年で4度目となったLVMHプライズ。受賞者は30万ユーロの賞金と、そしてLVMHグループからの1年間の指導が得られるので、若手ブランドには魅力ある賞だ。2016年度はロンドンのウェールズ・ボナーが選ばれ、またヴェジャスが特別賞を受賞した。

2017年度については、3月28日に21名のショートリストから、ファイナリストが8名に絞られ、あとは6月16日の授賞発表を待つばかりだ。8ブランドとは、Ambush(アメリカ/デザイナーはYoon Ahn)、Atlein(フランス/デザイナーはAntonin Tron)、Cecilie Bahnsen(デンマーク)、Jahnoky(ロシア/デザイナーはMaria Kazakova)、Kozaburo(日本/デザイナーはKozaburo Akasaka)、Marine Serre(フランス)、Molly Goddard(イギリス)、Nabil Nayal(イギリス)。ニコラ・ジェスキエール、ジョナサン・アンダーソンといったLVMHグループのデザイナー、カール・ラガーフェルド等が最終選考の審査員を務める。

Atlein(アトライン)のデザイナーであるアントナン・トロン(photo:Damian Noszkowicz)と彼のデビュー・コレクションだった2016〜17秋冬コレクションより。

思えば過去に受賞したブランドはいずれもイギリスがベース。今回はプライズ誕生の地でもあるので、ぜひフランス組に頑張ってもらいたいところだ。今回ファイナリストに残っている2つのフレンチ・ブランド中、Atleinは昨年3月に発表したデビュー・コレクションでANDAMファースト・コレクション賞を受賞し、ギャラリー・ラファイエットでの販売も始まり、今年3月にはパリコレでショーを開催……と、その仕事の確かさ、ブランドの認知度という点でフランスの数ある若手ブランドの中でも頭ひとつ秀でている。さらに5月には、カンヌ映画祭でレッドカーペットに登場という話題もプラスした。ロバン・カンピヨの『120 battements par minute』 の主演女優アデル・エネルがレッドカーペットのために選んだのは、ドレープと切り替えで立体感を出したジャージーのドレス。秋冬コレクションからの一着だ。

カンヌ映画祭でAtleinを着たアデル・ハネル(中央)。彼女が主演した『午後8時の訪問者』は日本でも公開された。『120 battements par minute』のフランスでの公開は8月の予定だ。

バレンシアガで仕事を続けつつ、アントナン・トロンが自分のブランドAtleinを創設したのは、このジャージー素材の魅力にとりつかれたのがきっかけ。それゆえにデビュー・コレクションは、ジャージーだけでまとめられていた。セカンド・コレクションではヴァロリスの陶器にインスパイアされたパンツとジュエリーが加わり、3回目の最新コレクションではデビュー・コレクションからのオーガニックなフォルムは継続しているが、ジャージーだけでなく、ニットやウール、プリントもミックスしたクリエーションへと幅を広げ、さらにクラシック・カーにインスパイアされたブーツもデザイン。着実に確実に成長しているAtleinに、LVHMプライズの審査員たちはどんな評価を下すのだろうか。アントナンと共に、6月16日の結果発表を待とう。

Atleinの2017〜18秋冬コレクションより。

Atlein
www.atlein.com

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