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180度開脚はカラダに良くない? ストレッチは“気持ちいい”が基準

  • 2017.6.5
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180度開脚はカラダに良くない? ストレッチは“気持ちいい”が基準

20年ほど前から、ボディメンテナンスにはストレッチが必須と提唱し続けてきた、フィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一さん。

「柔軟性があれば、カラダは驚くほど楽になるからです。ただ、生活習慣や運動不足が原因で、カラダが硬くなってしまう人が多い。ストレッチは、本来持っている柔軟性を取り戻すために欠かせません。実践すれば、誰でも確実にカラダは柔らかくなりますが、今日やって明日結果が出る即効性はありません。続けることで、少しずつ確実な変化がもたらされるものなので、最近、世の中でストレッチへの関心が高まり、日常生活に取り入れようとする動きがあるのは、とても喜ばしいことです」
ただ、ストレッチに関する間違った知識に不安を感じることも。
「ストレッチ=180度開脚と考えている人が増えています。180度開脚さえできれば、痩せられる、むくみが解消して健康になれる…。これは大きな誤解です」
頸椎や肩関節、股関節など、人間の関節のそれぞれが持つ可動範囲は、全て角度が決まっている。関節を回しすぎると周辺の組織が損傷してしまう可能性がある。
「180度開脚は、競技上、過度な柔軟性が求められるアスリートたちが、成長期からハードなストレッチを行い、靭帯を緩ませたり、骨を変形させるなどして得られるもの。靭帯が緩むと当然ながら関節は不安定になり、カラダに余計な負荷がかかります。過剰なストレッチを行い、アスリート同様の可動範囲を得ようとするのは問題です」
カラダのベースづくりとなるストレッチが目指すのは、私たちの関節が持っている本来の可動域。
「正しい姿勢とは、個々の関節にかかる力が最小で、すべての筋肉が均等に引っ張り合っている状態。逆に言えば、悪い姿勢を生むのは、一定の関節や筋肉が硬かったり、柔らかすぎる状態です。それでは、他の関節に余計な負荷がかかることになり、疲れやすかったり、肩こりや腰痛など、様々なカラダのトラブルを引き起こします」
中野さんが提案するストレッチは、レベルはそれぞれ、種類も豊富だけど、共通する条件は“気持ちいい”と感じる程度で行うこと。
「気持ちよく感じないと、効果が得られないからです。どこを伸ばしても気持ちよく伸びないなら、やり方が間違っているのか、あなたに必要な部位ではなかったのかもしれません。今回のメソッドは、多くの人に対応できるように作りましたが、紹介した以上にストレッチの種類はたくさんあります。ネットや本などを見て、自分が一番気持ちよく伸びを感じる方法を探してみるのもいいですよ」

さらに、ストレッチさえすれば美しいカラダが手に入る、と考えるのは短絡的だと中野さん。
「ストレッチは、あくまで動きやすいカラダをつくるベース。カラダが軽やかになるので、いつも以上に歩いてみたくなったり、運動する気持ちが湧いてくる。ストレッチでカラダが目覚める、と言った方が正しいかもしれませんね」
ストレッチでカラダを整えたら、取り掛かりたいのは筋肉作り。
「年齢とともに筋肉量は減ってしまうもの。ストレッチと筋トレを組み合わせることで、美しいカラダが手に入るのです。運動が苦手なら、よく歩く、エスカレーターではなく階段を使うなど、大きな筋肉をたくさん使う活動的な生活を送る工夫をしましょう。それでも筋トレ効果はあります。生活の中で、あなたが無理なくできること。ぜひ実践してみてください」
中野ジェームズ修一 フィジカルトレーナー。トップアスリートから運動初心者まで数多くのクライアントを持ち、25年以上にわたりメンタルとフィジカル両面の指導を行う。『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)など著書多数。
Tシャツ¥4,290(アディダス/アディダス ジャパン/アディダスグループお客様窓口)
※『anan』2017年6月7日号より。写真・小川朋央 スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・高松由佳 取材、文・板倉ミキコ
(by anan編集部)

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