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PTA改革がぶち当たる「非加入家庭の子どもはどう扱うの?」問題【はじめてのPTA 第3回】

  • 2017.5.12
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連載第1回目、第2回目では、本来は任意加入であるはずのPTAが現状なぜ自動強制加入になってしまっているかということや、それによって起きているさまざまな問題点について、お話ししてきました。

第2回目でも少しふれましたが、なぜいまPTAで自動強制加入が可能になっているのかというと、学校の名簿が、保護者に無断でPTAでも使われているからです。そのようなやり方をしている場合、学校はすでに各自治体の個人情報保護条例に違反していますし、また改正個人情報保護法が施行される今月末(2017年5月30日)以降は、名簿を受け取るPTAの側も、法律上の義務違反を犯すことになってしまいます。

「違法なPTAなんて、いやだな…」と思う方が多いかと思いますが、でもこういった状況は、少しずつではありますが、変わりつつあります。

PTAがちゃんと入会届を配布して保護者の加入意思を確認し、また会員となる保護者の個人情報を自ら取得するケースが出てきているのです。

■入会届け完備の“合法PTA”がじわじわ増殖中

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筆者がこれまでに聞いている「PTAが入会届を配るようになった経緯」は、いろいろあるのですが、わりあいよく聞くのは、こんなパターンです。

▼PTA合法化 パターン1
・退会者、あるいは非加入者が現れたことを機に、入会届が整備される
・退会者・非加入者、あるいは会員から、入会届がないことや個人情報の取扱いに関する不備を指摘されて、入会届が整備される
このパターン1はどちらも、実質的には、校長先生の判断であることが多い印象です。あとは、こんなパターンもあります。

▼PTA合法化 パターン2
・会員がPTA総会で入会届の整備を要望することによって、実現する
・PTA役員(会長や副会長等)の発案・主導で、入会届が整備される
こちらは主に保護者の判断によって入会届の整備が進むパターンですが、前者(校長主導)のパターンと比較すると、どちらかというと少ない印象があります。というのは、役員がいくら入会届を整備しようとしても、もしも校長先生が反対すれば決して実現しない、というのが現実だからです。

なお、まれにではありますが、校長先生が整備を進めたいと思っても、役員である保護者の反対によって入会届が実現しないというケースもあるようです。

ほかには、こんなケースもあります。

▼PTA合法化 パターン3
・P連(自治体ごとに作られる、PTAの連絡ネットワーク)や教育委員会の指導によって、入会届の整備が促される
このパターンは状況によって、校長先生の判断だったり、保護者側の判断だったりするようです。

■「非加入家庭の子どもはどう扱うの?」問題について

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さて、このように経緯はそれぞれながら、入会届を配るPTAが徐々に増えているわけですが、自動強制加入をやめようというときには必ず問題になる、あるポイントがあります。

それは、「PTAに入らない」という家庭が出てきたときに、そのご家庭のお子さんに、全員に配るものをあげるかどうか、という問題です。たとえばよく話題になるのは、卒業式で配られる祝い品(記念品、コサージュ=胸につける花飾り、等)についてです。

こういったものは本来、非加入家庭のお子さんにも、配られるべきものです。

PTAというのはそもそも「その学校に通う子ども全員」のためのことをする団体だからです。そうでなければ、学校施設を使用するという特権は受けられないでしょう。ところが、そのことがあまり理解されていないケースが見受けられます。

■PTAは「会員限定サービス」をする団体ではない

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PTAはこれまで長いこと、全員加入を前提に運営してきてしまったため、PTAを「会員家庭向けのサービスを行う団体」だと誤解している人が少なくないのです。そのため、非加入家庭のお子さんに対して、会員家庭と同様の祝い品を渡そうとすると、「会費を払っていないおうちにあげるのは、ズルイ」などという声が、他の会員からあがる場合があるのです。

そこでやむなく、子どもたち全員に配るものについては、非加入家庭からも実費を徴収しているPTAが多いのですが、これも“本当に正しいやり方”とはいえないでしょう。

いま、大阪のある学校では、保護者会(PTA)をやめたご家庭のお子さんが卒業式のコサージュをもらえず、しかも保護者が実費負担を申し出たのに、その申し出も断られたことから、裁判が起きています。PTAはそもそも、子どもたちのために存在するはずなのに、逆にこんなことで子どもに辛い思いをさせてしまっているというのは、とても残念なことではないでしょうか。

いま一度確認したいのは、PTAというのはあくまで学校に在籍する子どもたち全員のための活動をする団体であり、かつ、保護者は活動したい人が活動し、加入したい人が加入する団体である、ということです。

これらのことを大前提に、これまでのPTAの運営方法や活動内容、組織のあり方全体を、見直していく必要があるのではないかな、と思います。

■大塚玲子さんの著書
『PTAがやっぱりコワい人のための本』
(太郎次郎社エディタス/¥1,620)

そこにいるのはどんな人たち? 負担はいったいどの程度? PTAのネガとポジを徹底仕分け。読めば気持ちが軽くなる一冊!



(大塚玲子)

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