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子どもの防犯ブザー、本当に鳴る? 「持っているから安心」が危険を招く

  • 2017.5.5
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子どもが巻き込まれるた事件が報じられるたびに、何とも言えないほど、胸が苦しくなります。こうした悲しいニュースを聞くと、防犯ブザーの必要性を強く感じるママも多いことでしょう。

私たちが子どものころはほとんど使われていなかった防犯ブザーですが、いまではさまざまなタイプがあり、親としては何を選べばいいのか悩みます。しかし防犯ブザーには選び方よりももっと大切なことがあります。

© chihana - Fotolia.com

■防犯ブザーの選び方

防犯ブザーは大きな音を鳴らすことで、ほかの人へ身の危険を知らせると同時に、不審者が一瞬たじろいたすきに子どもが逃げるチャンスを作るためのアイテムです。

音を鳴らす方法としては、ボタンを押す、ひもを引っ張るという、この2タイプがメジャーではないでしょうか。

どちらを選べばいいのでしょうか。以前、防犯の専門家に取材したときは、次のようにアドバイスをされました。その答えは「子どもが使いやすいことがいちばん」。どんなに高性能であっても、実際に使う本人が操作できなければ意味がないからです。

また、低学年の子どもの場合、ボタン式は使いやすいけれど、何も起きていないのにふざけて押してしまうなどの問題が生じることも。そのため、どのようなタイプのものでも、防犯ブザーのつける意味と役割を事前に教えておく必要があります。

そして、実際にどのように使うのか、実践することも大事。店舗によっては購入前に実際に使わせてくれるところもあります。こうしたサービスを利用するのもいいですね。

■防犯ブザーの正しくつける場所

基本的な性能をチェックしたら、次に防犯ブザーをつける場所を考えます。

防犯ブザーは、ランドセルやポケットの中に入れっぱなしでは意味がありません。すぐに使えるよう、ランドセルに装着するのが一般的。さらに、つける場所にも注意が必要です。サイドにつけている子どもを見かけることがありますが、これでは手が届かなくて使えないのでは? と心配になることがあります。
<防犯ブザーをつける場所>
防犯ブザーはランドセルのショルダーベルトにつけるのが基本。
位置は胸の高さがいいとされていますが、実際につけてみて子どもに合わせて調整しましょう。
最近では、防犯ブザー用のフックがついたランドセルが増えてきました。このフックにつけられる防犯ブザーアイテムを選んだほうが、装着具を選ぶ手間が省けます。

首からかけられるタイプのものもありますが、ひもで首がしまったり、不安定な位置でブザーがつかめなかったりする恐れがあります。

■さらに安全を求めるときの機能

ここまでは基本中の基本。さらに安全を求めるなら、次のような機能がついたものも検討してはいかがでしょうか?

●GPS機能
人気のない田畑のあいだなどを通る場合には、ブザー音がほかの人に届かない可能性もあります。そんなときでもGPS(衛星利用測位システム)があれば、居場所を探しやすくなるのでおすすめです。これにプラスして、ブザーを使用したらセキュリティセンターに通報されるタイプも登場しています。

●防水加工
意外と忘れがちだけど、あると便利なのが、防水加工です。精密機器は雨などに弱いため、すぐに壊れてしまった、という話をママ友から聞くことも。そのため、こうした性能もチェックしておくといいですね。

■買っただけで安心は危ない! 半数以上が使えないという事実
防犯ブザーは買っただけで安心してしまいがち。でも、いざというときに使えなくては意味がありません。定期的にバッテリーの有無をチェックする、使い方を確認するなどのフォローを親が忘れずに行いましょう。

国民生活センターが実施した調査によると、小学生が使用していた防犯ブザーの半数以上に、音がならないといった異常が生じていたそうです。

消費者へのアドバイス
1.最低でも1カ月に一度は家庭で保護者が作動確認を行い、電池の点検と交換も定期的に行いましょう。
2.かばんなどの取扱いも含め、携帯時に強い衝撃を与えるなど、乱暴な扱いをしないように教えましょう。

出典:出典:独立行政法人 国民生活センター「防犯ブザーの電池切れや故障に注意!–いざという時のために家庭で点検を–」

■防犯ブザーの訓練

© hanapon1002 - Fotolia.com

何もなければ防犯ブザーを使う機会がないので、子どもには危機感が持てないかもしれません。そんなときは、模擬訓練をするのがいいそうです。
●訓練内容
犯人役:パパ
子ども:防犯ブザーのついたランドセルを背負う
訓練:パパが犯人になって、子どもに後ろから抱きついても、ブザーを使うことができるか
最初は遊びの一種と思ってまじめに取り組まないかもしれません。ケガなどには配慮するのはもちろんですが、犯人役は子どもの動きを完全に封じ込める勢いで臨むと、子どもも真剣に取り組みます。

また、恐怖で防犯ブザーの存在を忘れてしまうことがあるため、大声を出す練習もおすすめ。家の中では難しくても、カラオケボックスなどを利用すれば、遠慮なく叫ぶことができます。一応、お店の方に大声を出す練習をすると伝えておくといいかもしれませんね。

防犯ブザーは使う機会がないことがいちばんですが、「もしも」のために必要なもの。防犯ブザーを性能だけで選んで、親は安心してしまうのではなく、定期的なメンテナンス、そして防犯について子どもと話し合うことが大切です。

(丸部りぃ)

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