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実は…心が深く関係してる!メタボ解消のためのメンタルヘルス

  • 2017.4.30
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40歳以上の人が健康診断を受ける際に必須となっているメタボ健診(特定健診)。いまは、ポッコリお腹の人や太った人に対して“メタボ”という言葉がよく使われています。しかし実は体重が重いだけであったり、ポッコリお腹というだけでメタボリックシンドロームであるというのは勘違いなんです。そしてメタボリックシンドロームにはメンタルヘルスも大きく関係しているということを知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は予防医療推進協会の理事長を務める筆者がメタボリックシンドロームの定義と、そうならないためのメンタルヘルスについてご紹介します。
 

メタボリックシンドロームの診断基準

太っていたりポッコリお腹なだけで“メタボ”だと言われてしまう要因のひとつが、診断基準の必須項目としてウエストサイズがあることでしょう。ウエスト周囲が男性では85cm以上、女性では90cm以上あること。これにまずは該当していることが必須となりますが、この場合のウエストとは、クビレた一番細い部分ではなく、おヘソの高さの腹囲を指します。そして以下の検査の内2項目以上に該当した場合を“メタボリックシンドローム”と診断されます。
(1)中性脂肪(トリグリセリド)が150mg/dl以上、かつ、もしくはHDLコレステロール値(善玉コレステロール)が40mg/dl以下である
(2)収縮期(最大)血圧が130mmHgかつ、または拡張期(最小)血圧が85以上である
(3)空腹時血糖値が110mg/dlである
女性の方がウエストの基準が緩いのは、男性に比べると女性は皮下脂肪が多く、同じ内臓脂肪の面積で比較すると、男性よりもウエストが大きくなってしまうということからだそうです。
 

メンタルヘルスとメタボリックシンドローム

メタボと言えば、食べ過ぎ飲み過ぎに運動不足が原因だと考えられがちですが、実はメンタルヘルスも大きく関係しています。ストレスがたまったり精神的な疲労感が強くなったりする生活習慣ではどんなことが起こるのでしょうか? 忙しくて睡眠不足になったり、晩ご飯が遅くなったりしてませんか? 思うように進まない仕事などでイライラしてお酒を飲んだり、甘い物を食べたりしまてせんか?
まずストレスからの食事や睡眠の狂いからメタボへと繋がってしまうリスクが高まります。そしてストレスから眠りが浅くなったり睡眠不足になったりすると、食欲を抑えるホルモンの分泌が減少する上に、食欲を増進するホルモンの分泌が増加。結局、食べ過ぎや過剰な糖質の摂取に繋がってしまうのです。
 

ストレスは人生のスパイスである?

これはストレス学説を唱えたハンス・セリエの言葉です。今はストレスフリーなんて言葉もありますが、適度なストレスは心地よい緊張感を得ることができたり、モチベーションが上がったりと良い効果もあることを知っておきましょう。
そうは言っても過度のストレスはやはり抱えたくないもの。ストレスを緩和するための方法を以下にまとめてみました。
(1)自分なりのリラクゼーション法を見つける
ストレッチをしたりヨガを習ったり、緩やかで深い呼吸は自律神経を整えストレスを緩和してくれます。
(2)十分でかつ適度な睡眠をとる
平日の睡眠不足を補おうと休日は昼間でベッドの中。これではかえって体にだるさが残ってしまい、それが更なるストレスを招いてしまいます。週末の夜に寝るのが遅くなっても休日の朝はいつもより1時間程度のお寝坊に留めましょう。また寝酒は入眠こそは多少良くなっても睡眠の質を悪くしてしまうので、アルコールを飲む習慣のある人でも少量の晩酌程度にしておきましょう。
(3)最近、大笑いしたのはいつ?
仕事や家事に忙しくて、笑うことさえ忘れてはいませんか? 笑うことは自律神経を整えたり、免疫力を正常に保ったりとストレス解消の他にもさまざまな効果があります。
(4)仕事に関係のない趣味を持ちましょう
仕事に全く関係のないことに没頭する時間を持つことで、ストレスが緩和されます。よくリラックスというと、ゆったりしたりボンヤリしたりすることを思い浮かべますが、実は何かに集中することでもリラックス効果が得られるのです。
(5)タバコ、アルコール、甘い物はストレス発散にはならない!?
この3つのいずれかで、ホッとしたりストレスが解消されたりすると思っていませんか? 残念ながらそれはわずか30分から数時間の効果しかないといわれています。しかも下手をすると依存症のリスクまで……。それよりも公園や自然豊かな場所に行き、ゆっくりでもいいので歩いてみてはいかがでしょうか? 木の香りやいつもと違う光景にきっと癒やされると思いますよ。
 
いかがでしたか? ストレスはメタボと深い関係にあります。心に余裕を持った生活を心がけ、メタボになりにくい環境を整えて予防していきましょう。
【参考】
※ メタボリックシンドロームを防ぐメンタルヘルス – 厚生労働省
※ メタボリックシンドロームの診断基準 – 厚生労働省
※ こころの健康 気づきのヒント集 – 厚生労働省
※ なぜ男性85cm、女性90cmなの? – 厚生労働省

【筆者略歴】

佐々木 さゆり

長年の医療業界での経験や40㎏減量の体験を生かし、延べ3万人を超える人の心と体の健康に携わる。総合栄養学・身体機能等を学べる「予防医療指導士」のテキスト監修者でもある。著書は「本当は怖いデスクワーク」

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