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「LOVE」をテーマに第5回KYOTOGRAPHIE開催中!

  • 2017.4.21
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満開の桜から新緑の季節へと移り変わる京都で、今年も「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭」が開催されています。前年度に世界中で起きたことから選ばれるテーマ、第5回目となる今年は「LOVE」。世界で活躍する写真家の貴重なコレクションや新鋭アーティストの意欲作を、市内の18会場で展示。庭園が美しい寺院や情緒あふれる町家など、世界屈指の歴史と文化を誇る京都ならではの空間とのマッチングも、このフェスティバルの大きな楽しみです。国際色豊かな写真に彩られた京都の街を、「愛」について考えながら巡りませんか?

● アーノルド・ニューマン「マスタークラス-ポートレートの巨匠」 特別展示:BMWアート・カーbyアンディ・ウォーホルpresented by BMW @二条城二の丸御殿台所・東南隅櫓

今年初めて会場となった世界遺産・二条城に展示されたのは、マリリン・モンローやパブロ・ピカソなど数多くの著名人を撮影したアメリカの写真家アーノルド・ニューマンの作品群。モデルの仕事場や住まいで撮影することで、その人の個性や人格を浮かび上がらせるような表現方法、幾何学的なバランス感覚によるトリミングの妙。150点余りの写真には、いまなお鮮烈なモダニズムが息づいています。展示デザインを手がけたのはおおうちおさむ氏。屏風のように屈折した展示壁面の至る所に鏡面があしらわれ、写真鑑賞と同時に自己の存在を再認識する空間コンセプトになっています。アンディ・ウォーホルがBMW社のために手がけたアート・カーの展示もお見逃しなく。

Copyright:Takuya Oshima

● MEMENTO MORIロバートメイプルソープ写真展」ピーターマリーノコレクションpresented by CHANEL NEXUS HALL @誉田屋源兵衛 竹院の間

20世紀を代表する写真家ロバート・メイプルソープ。本展は世界的な建築家ピーター・マリーノの約150点に及ぶプライベートコレクションからおよそ90点を出展したもので、シャネル・ネクサス・ホールからの巡回展です。創業280年を迎える老舗帯匠の家屋に造られたのは長いトンネル。トンネルの切れ間からは建物本来の古材や唐紙がのぞき、静謐さと力強さという共通項において作品と家屋が呼応するかのようです。トンネルを進むごとに写真は過激さを増していき、彼が時代に与えた影響をあらためて思わされます。ここでは2階も必見。100年前の銀箔の帯や伊藤若冲の水墨画を織りで再現した帯など誉田屋源兵衛のコレクションが展示され、京都の職人技に感嘆すること間違いなしです。

All Mapplethorpe images © Robert Mapplethorpe Foundation. Used by permission.

● 荒木経惟 「机上の愛」supported by shu uemura @両足院(建仁寺内)

北斎が自称した画狂老人をもじり、自らを「写狂老人」と名乗る荒木経惟氏。通常非公開の両足院に展示されているのは、昨年、パリのタカ・イシイギャラリーで発表された「机上の楽園」に、新たに撮影した作品を加えた12点です。前立腺がんを患い、愛猫を亡くし、右目の視力を失ったことで、刻々と自分にも近づきつつある死。花や人形、オブジェなど「即物的に、気に入ったものをポンと置いて」撮影したという極彩色の世界は、荒木氏がイメージする極楽浄土の世界なのかもしれません。KYOTOGRAPHIEの共同創設者&代表の仲西祐介さんの「荒木さんの作品は卑猥なところを抜けたところにある。荒木さんのイメージを覆したい」というコメントも印象的でした。

Copyright:Takuya Oshima

>>ヤン・カレン、トイレットペーパーの展示をご紹介。

● ヤン・カレン 「光と闇のはざまに」 @無名舎

築120年の京町屋を舞台としたのは、香港のヤン・カレン。1981年生まれの注目の若手作家です。本展の被写体は、昨年末より京都に滞在して出会った伝統工芸の分野における8人の職人。それぞれの道具や風景を切り取ったモノクロの写真は、目に見えない気配や空気感まで写し取ったように濃密で、思わず見入ってしまいます。「生から死へ、光から闇へ。命や日々はその繰り返しで、職人の仕事も同じ。それをモノクロの写真で表現したかった」と本人。プリントした紙は阿波の手漉き和紙だそうです。釜師、鏡師、神具指物師とともに製作したカメラの原点ともいわれる「写真鏡」や、染司よしおかの道具から着想を得たという竹とピンチを使った展示方法もチェックしてください。

Copyright:Takuya Oshima

● TOILETPAPER Maurizio Cattelan&Pierpaolo Ferrari 「Love is More」presented by FUJIFILM  @ASPHODEL

現代美術家のマウリツィオ・カテランとファッション写真家のピエールパオロ・フェラーリが創刊したアートビジュアル雑誌「TOILETPAPER」。刺激的なコンセプトとシュールなビジュアルで世界的に注目されている彼らが、祇園のビルをジャック。1階はSELETTIとコラボした食器などを扱うショップ。2階は壁紙や照明などすべてをビビッドな写真で覆った空間。3階は妖しげな真紅のベッドルーム。作品の中で自由に過ごせる体験型インスタレーションで、その世界観をたっぷり堪能できます。フェラーリ氏は「僕たちの写真は雑誌から始まって、壁紙やカーペット、服、靴にまで派生している。作って売って終わりじゃつまらない。継続的なプロセスが好きなんだ」と語っていました。

Copyright:Takuya Oshima

『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2017』
会期:開催中〜2017年5月14日(日)
開催時間:会場により異なる
開催場所:京都市内18会場
料金:一般パスポート(美術館「えき」KYOTOを除く全会場に会期中各1回のみ入場可能)¥3,000、一般プチパスポート¥1,500(美術館「えき」KYOTOを除く3会場/1日のみ入場可能)、学生(大学・高校・専門生)¥2,000
休館日:会場により異なる

 

●問い合わせ先
KYOTOGRAPHIE事務局
tel:075-708-7108
www.kyotographie.jp

 

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