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スタイリストが明かす!セレブの「ドレスコード」の秘密

  • 2017.4.16
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授賞式や映画のプレミア、映画祭…セレブのレッドカーペットのドレスはいつだって注目の的。でも実はセレブのドレスコードには、"隠れたメッセージ"が含まれているそう。つまりそのドレス自体がメッセージの役割を果たしていて、単純に「目立てばいい」というものではないんだとか。

そんなセレブのドレスコードを分析したのが、コスモポリタン アメリカ版ファッションエディターのレイチェル・トーガーソンと、現在第一線で活躍するセレブのご指名スタイリストの面々。彼女たちがセレブのあのドレスやこのドレスについて解説した内容を、コスモポリタン アメリカ版からご紹介します。

■セレブはレッドカーペットで自分という「ブランド」を披露している

「授賞式やイベントのレッドカーペットで、セレブ達は自分の個性を十二分に発揮できるドレスをまとって現れます。プラス、そのシーズンのトレンドや各イベントのドレスコード(例えば、グラミー賞はアカデミー賞に比べ、大胆な衣装で現れる人が多いetc.)も、レッドカーペットのドレスを決定する重要な要素になります。

ですが、それ以外にもセレブのドレスコードが発する別のメッセージが存在するんです。それは自己の発掘だったり、成長だったり、そして時に自分というブランドのイメージチェンジの場だったりするのです」と、レイチェル。

エマ・ストーン


「エマ・ストーンはまだ、自分をハリウッドのファッションリーダーとして意識してはいないと思います。だけど、アカデミー賞を受賞した今、今後レッドカーペットでもっと勝負を仕掛けてくるかもしれません」(レイチェル)

セレーナ・ゴメス


「では、セレーナ・ゴメスはどうでしょう。2013年のVMAアワードに、深いスリットと、トップ部分をレース素材で大胆に露出したアトリエ ヴェルサーチの紺のドレスで現れたとき、彼女は21歳。このセレーナのファッションの転換は世界中の度肝を抜きました。が、同じ年に彼女は『カム&ゲット・イット』や『スロー・ダウン』などのアダルトな曲が収められたアルバム『スターズ・ダンス』を発表。このドレスには転換期を迎えた彼女のブランドチェンジの意味が込められていたんです」


「15歳で芸能活動を始めた頃のセレーナのドレスコードは、トレンディなティーンエイジャー。それがハリウッドで活躍するに従って、グラマラスな古き良きハリウッドのスタイルにシフト。さらに、後にもっとセクシーな役柄を演じるようになると、ファッションはより大胆に、セクシーさを増していきます」


「そして病気療養のため、スポットライトから遠ざかった後にカムバックを果たしたセレーナのスタイルは、とても印象的でした。久々にファンの前に現れたセレーナがアメリカン・ミュージック・アワードでまとっていたのは、クラシカルなスタイルのカルバン・クラインのドレス。この時の彼女のイメージは洗練されて落ち着いた雰囲気。実はこの時すでに、コーチのミューズとしての契約が交わされており、このスタイルもやはり戦略的に計算されたものと考えることができそうです」(レイチェル)

ルーシー・ヘイル


クリステン・スチュワートなどのスタイリングを担当するタラ・スウェネンさんは「(セレブの)イメージを考えることはとても大事…それを考えないようなスタイリストなら、セレブは私たちを雇ったりはしないわ。これは私たちの仕事の一部なのよ」と解説。

スウェネンさんが今手がけているセレブは、ルーシー・ヘイル。「ルーシーは自分のスタイルを変えたがっているの。ドラマ『プリティ・リトル・ライアーズ』では、若い女の子だった彼女。でも今、もっと大人の役をやりたがっているのよ。だから彼女にはエッジィで洗練されたスタイリングを提案しているの。かつては小悪魔的で、キュートな女の子のイメージだったから、お色気があってヒラヒラしていて、カラフルでロマンチックなコーデだったけど、今はもっと細身のシルエットを意識してるわ。スカートの丈も長めで、ペンシルスカートは床まで届く長さのものを選んだりね」。

ヘイリー・スタインフェルド


大人のスタイリング=セクシー路線か、というと実はちょっと違うみたい。今人気急上昇中のヘイリー・スタインフェルドを、14歳から18歳まで手掛けたカーメル・ハリスさんとカーラ・ウェルチさんは、ヘイリーのスタイルを大人っぽくはしたものの、露出を多くする方向には走らなかったんだとか。その年齢にあった服装ではあるけれど、高級なブランドのものを選び、「肌をもっと見せる」選択肢はなるべく避けていたそう。

クリステン・スチュワート


また、代表作からのイメージ脱却も、ファッションの1つの役割なんだとか。「『トワイライト』シリーズに出演していた頃は、クリステンのスタイリングは『トワイライト』のファン層であるティーンに合わせていました。でも、シリーズ最後のプレミアでは、完全に肌が露出するようなキャットスーツをスタイリングしました…あの時彼女は初めてセクシーなファッションに身を包んで現れたんです。彼女が次のステージに移るためのちょっとした"サヨナラの儀式"でした。そのあと、彼女は(今のような)クールなファッションに移行したんです」(スウェネンさん)

ロビン・ライト


ドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』では、ペンシルスカートのスマートなファッションに身を包む、クレア・アンダーウッドに扮したロビン。でも、リアルなロビンは、クレアとは正反対なんだそう。「ロビンはむしろパンツスタイルが快適な人なんです…だから彼女にはよくパンツスーツをスタイリングしているんですよ」と語るのは、彼女を担当するカーメル・ハリスさん。

アレクシス・ブレデル


ドラマ『ギルモア・ガールズ』では、役柄に合わせてとってもガーリーなファッションに身を包んでいたアレクシス。でも実はアレクシスも、『ギルモア・ガールズ』で演じるローリーとは正反対なんだとか。同じく彼女を担当するハリスさん曰く「アレクシスの趣味はローリーより洗練されてるんです。そしてファッションへの興味の方向性がローリーとは違うんですよ」とのこと。

ケリー・オズボーン


ケリー・ワシントンやグウィネス・パルトローなどのセレブのスタイリングを手掛けた、カイリー・リンカーさんの顧客の1人が、オジー・オズボーンの娘であるケリー・オズボーン。「私たちは話し合って、もっと先を見据えた計画を立てました。そして私たちは、彼女のイメージをガラッと変えることに決めたんです。もっと落ち着いた、よりファッショナブルでエレガントな方向に転換したんですよ」。

スタイリングは話題作り?


時には売り出し中のセレブが、他のセレブの着たドレスをわざと着ることもあるのだとか。たとえば2世モデルのセイラー・ブリンクリー・クック(モデルのクリスティ・ブリンクリーの娘)が選んだのは、なんとあのジジ・ハディッドと同じドレスで、しかもスタイリングもほぼ一緒。なぜこんな自殺行為を?と思うかもしれないけど、これはメディアでの露出を増やし、話題性を狙って戦略的にやっていることなんだそう。たとえそれが、ネガティブな取り上げられ方であっても…。

普段何となく見ているセレブのスタイリングには、いろいろなメッセージや狙いが隠れているんですね。

※この翻訳は抄訳です。

Translation:山下 英子 COSMOPOLITAN UK

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