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パリのふたつの展覧会で、インテリア・デザインのお勉強

  • 2017.4.6
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3月の最終週、パリでは近代〜現代のインテリア・デザインの選り抜きを集めた、二つの展覧会が開かれました。

一つ目、PAD(Pavillon des Arts et du Design)は、もう20年も前から毎年春にパリで、数年前からは秋にロンドンでも開かれるフェア。今回も、PADは4日間に渡り、チュイルリー公園内仮設テントで開かれました。ここではヨーロッパ精鋭の家具やジュエリーのギャラリーが、アンティークと新作をミックスし、それぞれのお抱えアーティスト、またはデザイナーの代表作を、各スタンドでひとつの世界にまとめて発表します。私にとって手の届くものはないのですが、毎年目の保養とデザインのお勉強のために出向きます。モダニズム、コンテンポラリー、ナイーヴ、プリミティヴ、エスニック、とスタイルは多種多様。今回私は、動物モチーフに注目してみました。

もう一つは、インテリア誌ADのフランス版が主催する短期のテーマ展、AD Collectionの3回目です。今回は、元々1937年の国際工芸博覧会のために当時の作家たちが作り、パリ市立近代美術館に所蔵されているものと、今日のベスト・デザイナーたちの新作を並列。テーマは「1937/2017、昨日と今日の装飾美術」と題されました。当時の作品の数々は、「ガラスの家」で知られるピエール・シャロー(Pierre Chareau)の家具、ジャン・デュナン(Jean Dunand)の花瓶、アンドレ・アーバス(Andre Arbus)の椅子など、いずれも時代を反映したアール・デコ様式、またはモダニスムの逸品。

一方これら傑作に応えるべく新作を寄せたのは、最近ではラデュレのビバリーヒルズ店とジュネーヴ店の内装を手がけたインディア・マダヴィ(India Madhavi)、クリストフルのアート・ディレクションにも携わるステファン・パルモンティエ(Stéphane Parmentier)、クロエのパリ・サントノレ店やレストラン「ルルー」の内装を手がけたジョセフ・ディラン(Joseph Dirand)など、ファッションやライフスタイルとも関わりの深い面々。また、家具と並列して、ヴァンクリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)のアーカイブスから、アール・デコ様式のジュエリーやオブジェの一連もウインドウを飾りました。会期が短く既に幕を閉じてしまいましたが、ADではこの手のイベントを定期的に開いているので、サイトでチェックしてみて下さい。

ADコレクションにて。Maurizio Galante & Tal Lancmanの新作「Waves」シリーズから、サイドボードとついたて。サイドボードの内側は、なんと金箔貼り!

ADコレクションにて。ヴァンクリーフ&アーペルの1930年頃のアーカイブズから、右:アール・デコ様式のイヴニングバッグやクリップなど。左:オニキスやクオーツ、ルビーを使った手鏡、ランプ、お皿。

PADにて。右:あまりに有名な、フランソワ=グザヴィエ・ラランヌ(François-Xavier Lalanne)の羊のオブジェ。左:クレモンティーヌ・シャバネ(Clémentine de Chabaneix)の陶器。

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