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春はピンクがマスト♡大人女子のための“草木染め”のお洋服でワンランク上のコーデを

  • 2017.4.1
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「草木染め」と「天然素材」、「メイドインジャパン」をコンセプトにしたものづくりをしているファッションブランドMAITO。全国から集められた草木を使って染め上げられた商品は、体に優しいだけでなく、身につけた人の心を幸せにする、自然のエネルギーと優しさに満ち溢れています。

安心でお洒落な天然素材のファッションアイテム

MAITOは、お洒落スポットとして注目の蔵前の中でも、ひときわ人通りの多い国際通り沿いに2012年にオープンしたファッションブランド。「真(まこと)の糸」という意味を持つブランド名にふさわしく、「草木染め」と「天然素材」、「メイドインジャパン」をコンセプトに、原綿から草木染めして紡いだ糸や素材を使った商品を展開しています。作られているアイテムは、手軽に買える草木染めのハンカチや靴下から、色鮮やかなショール、ニットやスカート、さらにはバッグまでと多彩。

デザインだけでなく、「安心して長く着られる」を大切に

蔵前本店の奥には小さな染色工房があり、一点ものの商品を染めたり、新作の企画・開発などが行われることも。そのため店頭には、商品と一緒に実際の染色に使われる草木などの原料がディスプレイされています。最近、飲食業界では素材の生産地や生産者がわかるお店が増えていますが、口に入れるもののと同じで、直接肌に触れるものが、どんな原料から出来ているのかを見られるのは安心ですよね。

桜色を生み出すのは、花びらではなく…

たとえば取材に伺った日は、春まだ浅い3月。桜が咲くのを待ちわびるかのように淡いピンクのニットやブラウス(写真右)が並んでいましたが、工房にあったのは桜の木の枝。なんと、桜色の染料は、花びらではなく、これらの枝部分から抽出するのだそうです(写真左)。桜の木は、冬のうちから開花にそなえて、その幹や枝に「赤」の色素を溜め込むため、花びらよりも幹や枝の方がより濃い桜色を抽出できるのです。実際に開花前の桜の枝皮をこすってみると、深い赤色が現れるそう。

四季折々の自然の恵みから抽出された多彩な色の数々

MAITOのオーナーで、デザイナーでもあり、染色家でもある小室真以人さんのご実家は、九州で草木染工房を営んでいます。そのため、道路整備のためにやむなく切られることになったり、雪や強風で折れてしまったりした桜の木や枝が、各地から持ち込まれるのだそう。一度失われた桜の命は、小室さんの手によって鮮やかな桜色の染料に再び生まれ変わります。そのことを小室さんは「自然をいただく」と表現します。MAITOの商品に触れると、身にまとうもので季節を感じられるということは、当たり前のようでいて、とても幸せなことなのだと改めて実感させられます。

着る人を幸せにする職人技とものづくり

桜以外にも、蘇芳からは華やかな赤、みかんの皮からは爽やかな緑、桑の葉からは深みのある黄色など、さまざまな色が生まれます。ただし、原料が同じでも、採取された時期や育った場所、さらに染める際の水、あるいは染色家によって、染め上がる色は異なるといいます。それが、草木染めの難しさでもあり、楽しさでもあるという小室さんは、この草木染めの技術を後世に残すためにも、職人とお客様をつなぐ存在でありたいと熱く語ります。

実は同ブランドの名前は小室さんの名前・真以人(まいと)にちなんだものでもあります。まるで、「糸(いと)」を愛するために生まれてきたような小室さんの情熱は、これからもまだまだ、身に着ける人を幸せにしてくれる商品を生み出してくれそうです。
writer / カオリーヌ photo / 川村尚子

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