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ふわふわとした雪のよう!口の中でとろける、不思議な “焼きアイス” って?

  • 2017.3.23
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冬には、盆地をとり囲む山々が、うっすらと雪化粧することも多い京都。そんな中、春を心待ちにする気持ちはひとしおです。寒さがやわらいでくる今こそ味わいたい、ちょっと不思議な話題のスイーツを紹介します。

一度は歩いてみたい織物の街・西陣にある町家カフェ

市バスを堀川寺ノ内停留所で下車し、寺ノ内通を西へ約7分。間口の広い京町家が「京西陣 菓匠 宗禅(きょうにしじん かしょう そうぜん)」です。
西陣織の美しさや、職人さんのもの作りに対するこだわりに感銘を受けた店主が、この地に店を構えたのは9年前のこと。それを機に、従来のあられやせんべいの販売に加え、茶房をオープン。新しいセンスで伝統的な米菓子をアレンジしたメニューを展開しています。

店内は、白い壁に並ぶ柱、そして高い天井が印象的です。かつては、ここに背の高い織機が並び、バッタン、バッタンと西陣の織物が織られていたそう。
ソファ席にゆったりと腰掛けて、心地よいときを過ごすことができます。

冷たいのに春を感じる、不思議なアイス

さて、お目当ての焼きアイスは、「大文字」などの送り火で知られている京都の五山に降り積もった雪を、ふわふわのメレンゲで表現。

一番の見どころは、目の前で焼き色をつけてくれるパフォーマンス。うっすらと焦げ目のついたメレンゲに、抹茶、きな粉、そして黒ごま・黒米・黒大豆・黒松の実・黒かりんから作る黒五のパウダーがトッピングされる様子は、雪解けを迎え、徐々に色づいてゆく春の野山を思わせます。

メレンゲの中には、それぞれのトッピングと同じく、抹茶、きな粉、黒五入り黒豆アイスが隠れんぼ。お米のラングドシャ、お米のラスクなど、あられ匠ならではの素材が、さりげなくアイスの下に敷かれています。
口に入れた瞬間はメレンゲのとろける風味、そして一歩遅れてアイスのひんやり感が伝わってくる面白い食感を楽しみましょう。

素材へのこだわりを集大成したパフェ「ひとえふたえ」

こちらのパフェは、何色もの糸を使って織り上げる西陣織をイメージした「ひとえふたえ」。
まあるい抹茶ときなこのアイス、お米のラスク、アイスショコラなど、15の素材が奏でるハーモニーにワクワク感が高まります。スラリとした立ち姿も美しいですね。

食べ進めていくと、次々と現れる層に、ちょっとした宝探しをしている気分になれます。なんと、生クリームには、あられ用のしょう油を加えて、コクを出しているそうです。

西陣を彩る桜さんぽのお休み処としても、おすすめです

実は、宗禅のある西陣の街は、人知れずひっそり咲く桜の隠れ名所なのです。
ショップでも桜の形をしたあられ「京からん 桜」を見つけることができました。かわいい缶に入っているので、おみやげにもよさそうです。

もし、旅の時期が桜の時期には少し早いけれど……ということであれば、「妙蓮寺」を訪ねましょう。こちらでは、10月から咲き始め4月に満開を迎える「御会式(おえしき)桜」を楽しめます。
また、遅めの旅であれば「雨宝院」も魅力的です。小さな境内いっぱいに枝を広げる「歓喜桜」は、例年4月中旬に満開を迎えます。どちらも、宗禅からは徒歩5分以内の距離。今も機を織る音が石畳の街に響く西陣で、桜を愛でて、疲れたら茶房でひとやすみ。この春は、そんな街あるきを楽しんでみませんか?

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