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キライがスキに変わるとき:よろず女子百景(15)

  • 2017.2.22
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嫌いだったはずなのに、いつの間にか好きになってしまう。そんな恋もある。

■彼の笑顔ひとつで恋に落ちてしまった

大っキライな男の子がいた。

じぶんのことしか考えてなくて身勝手で、こちらが優しく接してもことごとくスルー。

いつも我関せずで、じぶんからみんなの会話の輪には決して入らない男の子。

“絶対に好きにはならないタイプ”だった。

だけどナゼか、不思議といつも気になってしまう存在で・・・・・・。いや待てよ? この感じって何かに似てない!?

・・・・・・猫だ。

気ままな猫は、決して人間に媚びたりしないし、その塩対応こそが猫の醍醐味。

だけど、いざそれをリアル人間にされると、なんとも無性にイライラして・・・・・・

そう。彼ってば、猫っぽいのだった。

だからか! ムカつきながらも惹かれるのは。そう腑に落ちた。


そしてあるとき。みんなの前で急に話題を振られた彼が何かボソっと答えたら、思いっきりツッコまれて、その場にいた全員が大爆笑。

するとその瞬間、彼もフッと吹き出して顔を横にそむけ、肩を小刻みに震わせながらクスクスと無防備に笑ったのだった。

え? 今の何?

目がまんまるになった。そんな風に笑う彼は初めてだったから。メチャクチャ意外!

彼も笑うんだな~。しかも笑い方ウケる(笑)。

と、その姿を横目に、彼に対する敵意みたいなものが嘘みたいにスーッと消えていった。

そして何より、あの一瞬見せてくれた笑顔に、猫がものすご〜くたまにすり寄ってきてくれた時の「よっしゃ!」感と似たものを感じていた。

ツンデレもまた、猫の最大の魅力!

・・・・・・やっぱり彼って、猫なのだ。

私が最も嫌っていたはずだった彼のきまぐれさは、裏を返せば、猫同様めっちゃ「萌え〜」な性質だった。

そりゃ、ムカつきもするし、ある瞬間”デレ”を見せられたりしたら・・・・・・好きになっちゃうよね(笑)。

というか・・・・・・なってしまった。だけど今さら恥ずかしくって、彼にどう接したらいいの? と、分からなすぎて、

野良猫に恐る恐る近づくように、彼に接触を試みるドキドキな日々が始まった。

だって、あんなに可愛らしく笑う彼なら、”絶対に好きになってしまうタイプ”だもの。(大島智衣/脚本家、エッセイ・コラムニスト)

(ハウコレ編集部)

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