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東京の箱入り娘と地方出身女子を描く、山内マリコ新作。

  • 2017.2.20
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『あのこは貴族』

山内マリコ著 集英社刊 ¥1,620

榛原華子は東京生まれの箱入り娘。彼氏に振られ、婚活を始めるが、育ちの違いから空回りばかり。親が代々政治家の生粋のお坊ちゃま、幸一郎と出会い、トントン拍子に婚約するが、彼には時岡美紀という腐れ縁の恋人がいた。地方出身で、自力で道を切り開いてきた美紀にすれば、恵まれた境遇の華子は「貴族」のようなもの。デビュー作『ここは退屈迎えに来て』以来、地方出身女子の葛藤を描いてきた著者が、あえて生粋の東京のお嬢様を主人公に描いたこの小説は、憧れとコンプレックスがないまぜになった街・東京に対する思いの総決算になっている。

*『フィガロジャポン』2017年3月号より抜粋

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