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“手軽&おいしい” だから手放せない! 干しシイタケ活用術

  • 2017.1.27
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干すと旨みがアップするキノコ類。特に干しシイタケは便利な食材で、「どんこ」と呼ばれるものは高級食材としても知られています。使い方やメリットがイマイチわからない、と、手をつけないのはもったいない! そこで今回は、干しシイタケの魅力や活用法、自家製干しシイタケの作り方を紹介します。

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■生のシイタケよりも、干した方が美味しくなるのはなぜ?

キノコ類の細胞には、「グアニル酸」という旨み成分が閉じ込められています。これは、昆布などに含まれる「グルタミン酸」、かつお節などに含まれる「イノシン酸」と並ぶ、三大旨み成分のひとつです。

干しシイタケのように乾燥させると細胞が壊れ、この旨み成分が溶け出しやすい状態になるため、戻して料理に使うと、生のシイタケよりも旨みが強く感じられます。

また、戻して調理した干しシイタケは、その独特の食感も魅力。生から調理したものよりしっかりとした食感になり、歯ごたえが楽しめます。

■干しシイタケをおいしく戻すコツ

カリカリに乾燥した干しシイタケを使うためには、水で戻す必要があります。戻し方はいたって簡単。保存容器に干しシイタケを入れて、ひたひたになるように冷水を注いだら、そのまま冷蔵庫に置いておくだけ。

よほど肉厚なものでなければ5~10時間で戻りますが、丸1日かけてしっかり戻した方が、よりおいしく戻せます。

ポイントは、冷水を使用して冷蔵庫に入れておくこと。冷水で戻すと、干しシイタケの甘みがより引き出されるのだそう。また、水を吸った干しシイタケはかなり膨らむので、大きめの容器を使って、水は多めに入れましょう。

干しシイタケはどうしても浮いてきてしまいます。傘の裏を下にして入れたら、水とシイタケに密着するようにラップを乗せてから、容器のフタをすると良いでしょう。保存袋を使用してもOKです。

■活用アイデアその1:だしいらずのシイタケスープ

干しシイタケの戻し汁は、それだけで十分にだしの替わりになります。まずは、シンプルなスープを味わってみましょう。

シイタケの戻し汁を鍋に入れて加熱し、沸騰する直前で薄口しょうゆと酒を少々加えたらスープの完成。あとはお好みで、溶き卵を加えて「卵スープ」にしたり、ワカメや豆腐などの具を足したりと、いろいろなスープにアレンジできます。

最後に味見をして、もし味が足りなければ塩・コショウ・しょうゆで調味します。中華風に仕上げたい場合は、最後にゴマ油少々を加えてもおいしいです。

■活用アイデアその2:干しシイタケの佃煮

五目蕎麦のトッピングなどでよく見かけるシイタケの佃煮。生シイタケで作る場合はだしにしょうゆ・みりんなどを加えて煮ますが、干しシイタケならわざわざだしを取る必要なし。戻し汁をだしとして使います。

戻し汁にしょうゆ・みりん、そして戻した干しシイタケを薄切りにしたものを入れて火にかけ、じっくり煮込んで水分が少なくなったら完成。途中でアクが出てくると思いますので、丁寧にすくって取り除きます。甘めに仕上げたい場合は、砂糖を加えましょう。

旨みたっぷりで、ご飯にのせても、麺類にトッピングしてもおいしいですし、大根おろしと和えると、ちょっとした小鉢料理にもなります。冷凍できるので、たくさん作って保存しておくと便利です。

■簡単! 干しシイタケの作り方

家庭で生のシイタケを干す際は、まずシイタケについた土や汚れを丁寧に拭き取ります(水洗いはしません)。

そして石づきを取ったら、丸ごと、またはスライスしてザル・網のような通気性の良いものの上に広げて干します。

干すときは、できるだけ湿度の低い日・場所を選びましょう。環境が良ければ2~3時間程度でセミドライ状態になり、この状態でも旨み・香りがグッとアップしていることを実感できます。

ただ、市販品のように長期保存したい場合は、完全に乾燥させましょう。シイタケの大きさや干す環境にもよりますが、日中の天気が良い時間帯に5~6時間程度、これを5日ほどが目安です。

炊き込みご飯や煮物はもちろん、鍋、炒めもの、パスタなど、普段生シイタケを使っているメニューを干しシイタケで作ってみると、旨みや香りが違うことに驚くかもしれません。長期保存も可能なため、常備しておきたくなる、とても便利な食材です。

(森川ほしの)

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