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函館の観光地にひっそりと佇む、自家製天然酵母パン屋さん「 tombolo(トンボロ)」

  • 2017.1.16
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ロープウェイがある函館山やハリストス正教会など函館の観光名所がひしめく西部地区にある「天然酵母パン tombolo(トンボロ)」。歴史ある函館の美しい街並に溶け込んだ坂の途中にひっそりと佇む本格派の天然酵母のパン屋さんです。

函館西部地区の大三坂沿いにある「トンボロ」。店名は陸繫砂州(りくけいさす)を意味する地理用語。フランスの小島のモン・サン・ミッシェルや京都の天橋立のように、陸地ではなかったところを砂によって陸地とつながる地形のことで、“人と人とがつながる場所でありたい”という想いが込められています。
「響きが良かったのと、主人が地理マニアなんですよ(笑)」。そう話すのは店主の妻の苧坂(うさか)香生里さん。パン作りはご主人の淳さん、販売・その他デザイン全般を香生里さんが担当しています。

人と人とがつながる場所であること

2010年6月にご主人の実家がある函館にUターンするかたちでオープンしたトンボロ。お店は一階が和で、二階が洋の和洋折衷の造りとなっている函館の伝統的建造物に指定された建物です。もともとは栃木県の益子で陶芸家として活動していた淳さんの父・苧坂恒治さんが20年前からギャラリーとして使っていたそうですが、7年前に和室をワンフロアに改装し、今は陶芸作品のギャラリーとパン屋を半分ずつ、スペースをシェアしながらお店を経営しています。

自分のお店を持ちたくて、模索した結果、パン屋にたどり着いたという苧坂さん。「パンをつくっている時に酵母が起きていくというのが科学的でおもしろくて。でも実際に自宅で焼いてみると味が全然おいしくなかったんですよね(笑)。天然酵母パンの草分け『ルヴァン』のテキスト通りにつくっているのに、どうして味が違うんだろうと思って。そこで実際に東京のルヴァンで修行しました」と、パン屋さんを始めた当時のことを振り返ります。

伝統的な製法でつくる自家製酵母のパン

トンボロの店内でもっとも目を引く石窯。商品ディスプレイ用のショーケースとして使用し、窯本体は試作でカンパーニュを焼いたり、パーティーを開いてピザを焼いたりもしているそうです。
通常メニューには「カンパーニュ」のほか、「NUTsパン」や「レーズンパン」、程よい酸味が特徴の「山葡萄とくるみのパン」、そして「バゲット」など、自家製天然酵母・小麦・塩・水のみで作ったシンプルな6種類のパンが並びます。

トンボロの自家製酵母はフランスで何百年も前から受け継がれてきた伝統的な製法で毎日つないでいるそうです。季節によってオレンジピールが入ったパンやクリスマス時期にはシュトーレンも販売していますが、“これだ”というものができない時は、メニューとして出さないこだわりも。シンプルな素材だけに、その日の天候や季節の変わり目で変わるので水分の配合率も微妙に増やしたり、減らしたり気をつけています。

おすすめは、無漂白いちじくとくるみをたっぷり使った「いちじくとくるみのパン」。生地の中にもカットしたいちじくが練りこまれているのが特徴です。購入したパンはコーヒーとともにその場で味わうこともできます。
今後は通販でより多くの人に気軽に使ってもらえるよう充実させていくそうです。全国発送もおこなっていますので、トンボロの天然酵母パンをぜひ楽しんでみてください。

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