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他人事じゃない! 育児と介護を同時に行う“ダブルケア”の実態と体験談

  • 2017.1.12
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こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。

この記事をご覧になっている読者様は、子育て中で年齢は30~40代という人も多いのではないでしょうか。

子育てだけでもヘトヘト……という中で、実は日本では大変多くのママが介護も同時に行っているのです。

このように育児と介護を同時に行うことを“ダブルケア”といいます。

今回は、社会問題化しつつあるダブルケアについて、内閣府の情報や体験者への取材などからお話ししていきます。

●ダブルケアをする育児世代は25万人超!

内閣府男女共同参画局の『育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書』によると、ダブルケアをする人は、全国で25.3万人であることが判明しました。

ダブルケアを行う女性の平均年齢は38.9歳、男性は41.2歳。

ダブルケアをしている人の8割が30~40代 ということも推測されており、子育て真っ最中、人によっては乳幼児の子どもがいる状態での介護であることがうかがえます。

●体験談から知るダブルケアの実態と対策

実はかくいう筆者も経験者の一人でした。さらに、筆者のまわりにもダブルケアをしているママがちらほら……と増えてきています。その体験談をみてみましょう。

●体験談その1

『育児、家事で大変なときに、祖母に目をかけることができなくて徘徊されました。小さな子を連れて祖母を探すのも大変だし、徘徊者の交通事故も増えていると聞き心配だし、一度は警察に保護されているときもあって、肉体的にも精神的にもツラい です』(30代女性、子ども2人、ワーキングマザー)

●体験談その2

『当時は小さかった子どもを連れて、介護のために病院通いをするのが一番キツかった。認知症の父はイライラして大声を出すこともあるし、重ねて子どもが泣いたりすると地獄 でした。

夫には申し訳なく思いましたが、家計から捻出してヘルパーをお願いするようになって少し救われました』(40代女性、子ども2人、専業主婦)

●体験談その3

『フルタイムで仕事をしていましたが、介護を機に近場のパートにしました。子どもももう一人欲しかったけど、心も体も余裕なし。実際に介護してみたら、「何やってんだろう、私」とどんどん孤独になり、鬱っぽくなりました 。

行政が紹介していたシルバー人材センターの家事手伝いを頼むようになってから、介護の話し相手ができ、家事、育児も手伝ってくれて少しずつ元気になりました』(40代女性、子ども1人、ワーキングマザー)

●ダブルケアをしている人へのケアが必要

このように、育児と同時に行う介護は、大変な重労働であるうえ、精神的にも負担が大きいことがわかります。

30~40代の育児世代は、晩婚の人も多く、それに伴って出産も遅くなっているのが現状です。

そのため、昔ならば出産は終えて育児はひと段落したといわれる年齢でも、まだまだ現役子育て中という状況があります。

追い打ちをかけるように、少子化が進行し、兄弟が少ないために負担の分散ができないという事情もあるようです。

多くのダブルケア経験者がいうのは“支援の必要性” 。介護と育児の負担をできるだけ外に出すことです。

自治体や民間業者のヘルパーや病院の看護師、日中に介護が必要な人を預かってくれるデイサービス、ショートステイ、家事全般を手伝ってくれる人の手配、育児を手伝ってくれるシッターなど、“ダブルケアをしている人へのケア”が必要です。ただ、これには多くのお金がかかります。

調べれば自治体の制度や補助、支援だけでなく、民間業者でも安くサービスを提供していたり、中には短時間でもボランティアで支援しているところもあります。

ダブルケア人口の増加で、国を挙げて自治体を巻き込んでの対策が検討され、すでに実行されているところもあります。

いつ突然やってくるかわからないダブルケア。他人事と思わずに、少し気にかけてみませんか。

【参考リンク】
・育児と介護のダブルケアの実態に関する調査 | 内閣府男女共同参画局(PDF)(http://www.gender.go.jp/research/kenkyu/pdf/ikuji_point.pdf)

●ライター/佐藤理香(株)
●モデル/倉本麻貴(和くん)

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