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微弱も過強もダメ!? うまく分娩が進まない“陣痛の異常”について

  • 2014.12.3
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【ママからのご相談】

これから初めての出産を迎えます。出産の準備をしていて初めて知ったのですが、陣痛にもいろいろあるんですね。陣痛に関することをなんでもいいので教えてください。

●A. 弱すぎると『微弱陣痛』、強すぎると『過強陣痛』、それぞれ要因はさまざまです。

こんにちは、スチューデントドクターの“ひでくらてす”です。

ご相談いただいた内容について、前回は『知っておきたい“陣痛”の種類3つ』についてお話をしたので、今回は“陣痛の異常”についてお話をしたいと思います。

●“陣痛の異常”とは

少しだけ前回の復習です。陣痛とは、出産時に胎児を子宮外に押し出すための子宮の筋肉の収縮とそれに伴う痛みである、とお話ししましたが、子宮の収縮が弱すぎても強すぎても分娩はうまくいきません。

陣痛が弱すぎることを『微弱陣痛』、強すぎることを『過強陣痛』と言います。

●微弱陣痛(びじゃくじんつう)

『微弱陣痛』とは、陣痛が弱すぎるために分娩が進行しないことを言います。

原因はさまざまですが、発生時期により原発性と続発性に分けられます。分娩が開始した時から陣痛が弱いことを『原発性の微弱陣痛』と言います。多胎妊娠のため子宮の筋肉が過度に伸展しまった場合や、子宮筋腫といった病気で子宮がうまく収縮できない場合に生じます。

また、初めは正常であった陣痛が、分娩中なんらかの理由でうまくいかなくなった場合を『続発性の微弱陣痛』と言います。これは母体の衰弱や疲労、胎児の胎位や胎勢、麻酔などが要因で起こります。

対応としては、まずは待機して、陣痛の回復の様子をみますが、時には子宮収縮促進薬の投与や、帝王切開や吸引による分娩が選択される場合もあります。どちらにしても無事に胎児を取り上げ、母体への負担を最小限に留めるためにも迅速な決断と柔軟な対応が要求されます。

●過強陣痛(かきょうじんつう)

逆に陣痛が強すぎても分娩はうまくいきません。過強陣痛では子宮内で胎児が締め付けられるような状態になり、大きな負担がかかるため注意が必要です。

過強陣痛の原因で多いのは子宮収縮薬の不適切な使用ですが、胎児の胎位や胎勢が良くない場合にも過強陣痛は起こります。また、時には過強陣痛により子宮が疲弊して微弱陣痛になる、といった場合もあります。それだけ陣痛のコントロールは難しいということですね。

対応としては、子宮収縮促進薬を使用しているのであれば直ちに中止し、必要に応じて子宮の収縮を抑制する薬を投与します。過強陣痛により子宮が裂けてしまった場合など通常の分娩が不可能と判断されれば帝王切開へと踏み切ることもあります。

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以上、2回にわたって陣痛についてお話をしてきました。

陣痛は自分でコントロールできるものではなく、また大変強い痛みを伴います。ですが、その痛みを経験したからこそ、子どもに対し、「自分がこの子の母親なんだ」と自覚し、より強い愛情を持って接することができるのかも知れませんね。

(ライタープロフィール)

ひでくらてす(スチューデントドクター)/関東の某大学医学部在籍中。映像制作や広告などの社会人経験を経た後、突然「医者になる」と路線変更を宣言。同僚や家族を驚かせる。現在は大学病院で実習中。

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