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燃え尽きて倒れそう! 年末年始のSOS【時短オンナの年末かけこみ美容 Vol.2】

  • 2016.12.21
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もうすぐ年の瀬ですが、みなさんやり残したことはありませんか? そう、それは自分メンテナンス!

家事に仕事に子育てにとフル稼働のママたちが、ついつい年末まで積み残してしまったお悩みを、肌・食・体のスペシャリストユニット「&Beauty」が解決します。

■以前より疲れやすく、元気でいられるか心配…

ママリーダーズ 加藤優香理さん(30歳)
Q.産後、疲れやすく、風邪もひきやすく治りにくくなった気がします。年末年始はお付き合いでお酒を飲む機会も増えますが、飲みすぎると翌日しんどくて。これから迎える感染症シーズンに立ち向かえるように、元気にがんばれる方法を教えてください!
■答えるのは、国際薬膳師の野本佳代子さん

野本佳代子 Kayoko Nomoto国際薬膳師、Cocoro薬膳ブランディングプロデューサー、(株)I.V.J.代表取締役。米国大学の心理研究学科を卒業後、東洋医学・中医薬膳学の世界へ。「薬膳×心理学」をテーマに、難しいイメージを持たれやすい中医薬膳学の概念を、かんたんに分かりやすく! をモットーにお伝え。2015年より「&Beauty」のメンバーとして活動中。

Cocoro薬膳:http://www.cocoro-yakuzen.com/
blog:http://ameblo.jp/cocoroyakuzen/
A.体調チェックの結果、加藤さんには気虚(脾気虚)および「肝」機能の不調がうかがえます。これは出産で環境が変わり、子育てや仕事に忙しくしているママたちには、一般的に多く見られる体質・症状。薬膳の考え方に基づく食養(養生ごはん)で「脾」と「肝」を養生し、忙しい年末を乗り切りましょう。
■ついがんばってしまう30代ママは、心身の過労に注意
気虚(ききょ)、脾気虚(ひききょ)は「気」が不足している、エネルギーが足りない状態です。脾(ひ)の機能がうまく働いていないと、
・疲れやすい
・風邪をひきやすく治りにくい
・食後眠たくなる
・体が重だるい、むくみが気になるといったトラブルが起きやすくなります。

また肝臓は、西洋医学でも解毒や代謝機能を担う重要な臓器とされています。年末年始でお酒の席が増え、疲労や体調不良を感じるようになるのは、肝臓に負担がかかっていることが考えられます。一方、中医学の考えでは「肝(かん)」は気の巡りをコントロールし、情緒のバランスを整える働きをする臓腑と考えられています。心身の過労は、この「肝」の機能失調によるものと考えられるのです。

お酒を飲まなくても、子育てや仕事にまじめに取り組むがんばり屋の性格ですと、知らず知らずのうちにストレスがたまってしまい、「肝」の働きに影響を及ぼすことも。そういった方には、子供と一緒にお散歩する、深呼吸をしてヨガやストレッチを行うといった副交感神経を優位にする健康的なリラックス方法をおすすめします。

■旬の食材と調理法でプチ薬膳! 不調に負けない体に

(c) norikko - Fotolia.com

薬膳とは、東洋医学のひとつである中医学の理論をもとに食材と生薬を取り入れた「薬」+「膳(食事)」のこと。本来は疾病をお持ちの方が対象ですが、近頃は予防医学や健康促進、美容などの関心が高まったこともあり、持病をお持ちでない方に食材だけを用い、養生を目的にしたプチ薬膳を提案しています。

気虚の方は胃腸が弱いことが多く、栄養分を吸収できないために「気」の生成ができずに気が不足しやすくなります。食べるものを消化し吸収するにもエネルギーを使います。いくら栄養豊富な食事であっても、それをきちんと消化・吸収できないと意味がありません。

そこで、病気ではなく、ちょっとした不調に対処する食養(養生ごはん)を実践しましょう。体質や体調に合わせて食材を選び、調理法を変えるだけなので気軽にできます。

次のページでは、積極的に食べてほしいおすすめ食材を紹介します。

■たんぱく質をしっかりとり、トッピングにも工夫を

(c) bit24 - Fotolia.com、(c) moonrise - Fotolia.com、(c) Gelpi - Fotolia.com、(c) Tsuboya - Fotolia.com

まず気虚の方に積極的に食べてほしい食材は、鶏肉、牛肉(特に赤身)、ウナギ、タラ、イワシ、カツオ、サバ、スズキなどのたんぱく質です。野菜をたっぷりとるように心がけ、バランスのとれた食生活をしているという方が多いのですが、一方で、たんぱく質の摂取量が不足していることが多いのです。消化器系にトラブルがなければ、動物性たんぱく質をしっかりとってください。

コンセプトは「スーパーで買える食材でできる薬膳」。実用的で手軽に試せるので、忙しいママには助かります

気虚を改善する食材としてその他に、米、もち米、カボチャ、サツマイモ、ジャガイモ、豆類などがあります。山芋はすりおろして食す「とろろ」が一般的ですが、加熱すると「気」を補う働きがアップすると考えられオススメです。また、どの体質の方にもオススメできる万能食材です。

上記の食材にプラス、生姜やネギ、シソ、パクチーといった薬味類は、米や、体を温めるとされるもち米と一緒に食べると一層効果的なので、一緒に炊き込む、おにぎりにするのが手軽です。

ほかに、キャベツ、ブロッコリー、インゲン(さやいんげん、モロッコインゲンなど)、免疫系に働きかけるキノコ類もしっかりととりましょう。旬の食べものを選ぶのが基本ですが、トマトのような夏野菜は、お味噌汁に入れたり、トマトソースにするなど加熱調理すればOKです。

(手前から)乾燥させたナツメ、クコの実、生姜、柚子の皮

さらに、香りのいい食材をプラスして気の巡りを高めましょう。柑橘系(みかん、ゆず、金柑、オレンジ)の皮や、生の生姜を刻んだものなどはトッピングにぴったり。なつめやクコの実(ゴジベリー)といった食材は汁物で煮出すとよいでしょう。

■お茶や薬味なら、今すぐに実践できる!
飲み物は温かいものがおすすめです。紅茶やほうじ茶、ルイボスティーなど茶色い飲み物を選びましょう(ただし麦茶は夏の飲み物で体を冷やすので避けましょう)。気を補うとされるはちみつを加えれば甘みやミネラルも摂取できます。香りのいいミカンやゆずなど冬の柑橘類、バラの花をプラスするのもおすすめです。

バラの花はハーブティのお店でも購入可能。「時間のないときは、サプリメントに頼るのもアリです」と野本さん。新日本漢方株式会社「西洋参」120粒 ¥8,532(税込) / 「金蠣(きんれい)」180粒 ¥10,260(税込)

次のページでは、いよいよママリーダーズの加藤さんがプチ薬膳ライフに挑戦!

■これ一杯で完璧! カボチャとキノコたっぷりお味噌汁
日本人の体調管理の基本はやっぱり和食。発酵食品の味噌も加わった、具だくさんのお味噌汁は家族みんなで毎日食べられるプチ薬膳です。

野本さんが家でつくってきてくれたお味噌汁。ナツメは軽く指で剥いてから鍋に投入

今回おすすめする具材は、カボチャ、シイタケ、シメジ、エノキタケのほか、精神を安定させると考えられるナツメに、「肝」に良いとされるクコの実を加えます。たんぱく質はかつおだしで補い、トッピングには皮ごとスライスした柚子の皮と生姜を使いましょう。

体は毎日食べているものでつくられています。ちょっとした不調なら薬を飲むよりも毎日食べている食事、食材からしっかりと栄養補給をしましょう。量より質を重視し、おなかから養生するという心がけが大事です。

気を補い、肝の働きがよくなると体も肌も美しくなります。年内かけこみ美容は、まだ間に合います! ぜひ試してみてくださいね。

■ママリーダーズ加藤優香理さんがプチ薬膳ライフに挑戦!

ちょっとの意識で変わる、食事との向き合い方

「カボチャとキノコたっぷりお味噌汁」に入れるなつめやクコの実は新たに購入。クセもないので続けられそうです。毎朝の朝食は忙しいこともあり、以前から「具だくさんの味噌汁」をつくっていたので、毎回入れてみようと思います。またトッピンクのゆずの皮の爽やかな香りと苦味が食欲をそそり、リラックスもできるので、ふだんのいろいろな料理にも足してみたいです。

牛肉と山芋が良いとアドバイスをいただいたので、さっそくお昼に社食で選んでみました。また、自宅でのおやつや食後には金柑をつまんでいます。

さらにオフィスでは、飲み物をコーヒーから紅茶+はちみつに変えてみました。最近は小さなはちみつをデスクの引き出しに常備するなど、小さなところから意識が変わってきました。習慣にして、不調の波を乗り切りたいです。

次回は体編!「&Beauty」ボディケア担当のスペシャリストが登場します。


(はまだふくこ)

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