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至福の時間を求めて、冬の京都へ味探訪。

  • 2016.12.21
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澄んだ出汁の中に美しく並べられたおでんダネ。

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身も心も芯から温めてくれる冬の美食探訪の第三弾は、四季折々の味わいでゲスト楽しませる京都の旅。老舗のおでんに名店の湯豆腐、そして柚子香る料理旅館で過ごす至福の時間。

出汁をたっぷりと含んだ美味なるおでん。

明治15年創業、130年以上の歴史ある京都の老舗おでん屋「蛸長」は、派手さはないが風格ある外観で、暖簾の先はカウンターのみの小さな店。文豪・池波正太郎が著書に登場させるほど思い入れのあった店としても有名だ。明石蛸はもちろん、大根、宝袋、ひろうすなど、手間暇かけたタネがゆらゆらとおでん鍋で揺れる。

店名の元になった蛸は、7時間以上下調理されたものを、注文を受けてからおでん鍋へ。柔らかくそして出汁が程よく染みた極上の味わいだ。冬のおすすめは、海老芋や聖護院大根、堀川牛蒡に牡蠣など。食べたいタネを数点選ぶと、澄んだ出汁と共に一皿に盛られる。店のこだわりを聞くと「こだわりは、こだわらないことです」と店主。このイキさも京都らしい。

蛸長

京都府京都市東山区宮川筋1-237

TEL/075-525-0170

https://www.facebook.com/takochokyoto

京豆腐の神髄が味わえる湯豆腐の名店。

冬の京都の名物といえば湯豆腐。名勝・天龍寺の景観に溶け込むように建つ「湯豆腐 嵯峨野」では、目の前に広がる竹林の美しい日本庭園を眺めながら、湯豆腐をはじめとする本格的な豆腐料理が楽しめる。京豆腐の名を一躍有名にした「森嘉」の豆腐を使用。厳選された大豆と清らかな井戸水を使い、独自の製法で1つ1つ手作業で丁寧に作られる豆腐は、絹ごしの柔らかさ、なめらかさと木綿の腰の強さを合わせ持つ、独特の味わいだ。

昆布だしを張った鍋でゆっくりと温められた豆腐を、特製のつゆにネギと生姜をたっぷりと添えていただく。優しく滋味深い味わいに心が温まる。このシンプルな料理にこそ、素材の味を大切にする日本料理の神髄が宿っている。

湯豆腐 嵯峨野

京都市右京区嵯峨天竜寺芒ノ馬場町45

TEL/075-871-6946

FAX/075-871-6921

http://www.kyoto-sagano.jp

見て、触れて、食べる、柚子尽くしの宿。

爽やかな香りで人気が高く、柚子茶や柚子味噌、七味唐辛子の材料から鍋料理の薬味まで、さまざまな場面で重宝される柚子。鎌倉時代に当時の花園天皇が初めて柚子を植えた場所が、今も「柚の里」と呼ばれる京都の水尾であり、京都は柚子と縁が深い土地。その柚子を、眺めて、触れて、食べてと、とことん堪能できる宿が京都祇園の「柚子屋旅館」だ。

八坂神社西楼門の隣に位置し、神社の一部と思えるような風情あふれる建物。月ごとに変わる玄関の床飾りは、今の時期はもちろん柚子の飾り。整然と並ぶ丸い黄柚子がゲストを出迎える。お風呂は、たっぷりの柚子を浮かべた「柚子風呂」。ゆったりと浸かれば体の芯から温まり、湯気と共に立ち上る柑橘系の香りに癒される。

柚子屋旅館

京都市東山区祇園町八坂神社南隣545

TEL/075-533-6369

FAX/075-533-6380

料金/1人1泊30,000円~(2016年12月)

http://yuzuyaryokan.com

柚子を丸ごと楽しめる目にも麗しい柚子鍋懐石。

柚子屋旅館は「料理屋が営む旅館」を理念として、京野菜、京豆腐や湯葉に加え、丹波の山の幸、若狭の魚介、そして幻の京都肉など、できる限り地元の食材を使用している。京都では昔から親しみを込めて「おくどさん」と呼ばれる竈(かまど)で毎日炊き上げるご飯も絶品。極め付けは、なんといっても柚子をふんだんに使った柚子鍋懐石だ。

先付け、お椀に始まり、お造り、焼き物と続き、柚子鍋へ。まずは柚子のスライスを浮かべた湯豆腐を楽しみ、次に鯛の薄造りと京野菜をサッと湯にくぐらせて、しゃぶしゃぶに。締めの柚子雑炊は、鯛や野菜の出汁が充分に出た鍋にご飯と卵を加え、そこに大胆にも丸ごと1個の柚子を入れる。立ち上る柚子の香りがたまらない、ここでしか味わえない絶品雑炊をぜひ堪能して。

参照元:VOGUE JAPAN

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