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食育に悩むママたちのヒントがここに! 西荻窪の人気店「たべごと屋 のらぼう」セミナーに潜入

  • 2016.12.12
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子どもの成長に深く関わっている毎日の食生活。我が子には食べることの大切さを知ってほしいと思いつつも、日々の慌ただしさのなかで後回しになってしまうというママも多いことでしょう。

野菜をしっかり食べてもらおうと栄養バランスを考えたごはんを食卓に並べても、まったく食べてくれないこともあるものです。

子どもをとりまく食環境に不安を感じるママたちのヒントになるべく、「予約が取りにくい」といわれる西荻窪の野菜料理店「たべごと屋 のらぼう」店主の明峯牧夫(あけみねまきお)さんの試食つきセミナーに潜入しました。

その日料理に使用する野菜を毎朝生産者の畑を訪れて調達する明峯さん。店名にもなっている“のらぼう菜”の畑で (撮影/広瀬貴子)

■採れたて野菜で作る“牧夫さんの味”

セミナー会場の明るいキッチンスタジオには、使いこまれた土鍋や蒸し器が置かれています

2016年で15周年を迎えた「たべごと屋 のらぼう」。明峯さんは、高校を卒業して八王子の料理店で(8年間)修行をしたあと、お姉さんがお店をされていた場所にお店をオープンしました。

人懐こい笑顔が印象的な店主の明峯牧夫さん。お客さんからは親しみをこめて「牧夫さん」と呼ばれているそう

のらぼうは季節の野菜を使ったサラダやかき揚げ、年間で30種類にも及ぶという土鍋ごはんなど“牧夫さんの味”を求めて遠方から訪れる人も多い人気店です。

お店で使われている野菜は、地元で採れたもの。営業日の午前中に明峯さんみずから畑や直売所へ足を運んで仕入れています。新鮮な野菜を手に入れられるのはもちろん、同年代の生産者との関係性を築くことも大切にされているといいます。

■「食べること」の奥にあるストーリー性を大切にする

セミナーは、「調理+トーク」と「実食+トークショー」の2部構成で行われました。第1部の調理デモンストレーションで作ったのは、下記メニュー。本来は3品だったところに煮びたしが追加されました。

・白菜と豚肉の蒸しもの

・ほうれん草の金柑 クリームチーズあえ

・ルッコラとオイルサーディンの混ぜご飯

・白菜とじゃこと油揚げときのこの煮びたし

(左上から時計回りに)白菜とじゃこと油揚げときのこの煮びたし、白菜と豚肉の蒸しもの、ルッコラとオイルサーディンの混ぜご飯、ほうれん草の金柑 クリームチーズあえ

煮びたしに使われたのは、白菜の外側の葉の周りや芯。明峯さんは、「はしはし」と呼んで活用しています。家庭では、うまく使いきれずに捨ててしまうことも多い部分。野菜をすみずみまでいただくという想いが、明峯さんの姿から伝わってきました。

「ほうれん草の金柑 クリームチーズあえ」は、ある冬の日の畑の景色をお客さんに伝えようと考案されたそう。農家の軒先につるされた干し柿と、庭に植えられた金柑の木、そして、畑で育っているのは甘みを蓄えたほうれん草…。エピソードを聞くと、料理に奥行きが広がります。

ほうれん草の金柑 クリームチーズあえ。干し柿の甘みがいいアクセントになっています。自宅で作ったところ、ほうれん草嫌いの娘(4歳)も食べてくれました!

この日のレシピには、のらぼうの店舗裏で作られた干し柿も入っています。食べて終わりではなく、その奥にあるストーリー性を大切にする。明峯さんの人柄も、のらぼう人気のひとつなのでしょう。

■地元の畑を訪れることの大切さ

第2部では、それぞれの席に試食の品々が並びます。味つけは濃くないのに、野菜そのものの味がしっかりしているため、満足度は高いです。

干し柿は甘みが凝縮されていて、ルッコラはほんのり苦い。それぞれの食材の味がほどよく感じられ、野菜の力強さを再認識させられます。

参加者に配られたプレート。会場にいい香りが漂っていました

「土から離れてしまうと、想像力や暮らしにまつわる基本的なことをどんどん忘れていってしまう気がする。まずは、自分が住んでいる地域の農家を訪れてほしい」と語る明峯さん。じつは、のらぼうの隠れたメッセージでもあるそうです。

自分が暮らす地域で、いまどんな野菜や果物が育っているのかは意外と知らないもの。畑に足を運ぶことは、食材の旬を感じられるいい機会でもあります。

■「想い」よりも「環境づくり」

畑の話をする明峯さん。映っているのは、お店の名前にもなっている「のらぼう菜」

5歳の娘さんのパパでもある明峯さん。お子さんの食事に関しては、「日々の食事は妻に任せていますし、基本は大らかです。『(もし食べなくても)おなかが空いたら食べるんじゃない』というスタンス」といいます。

一方で、毎週日曜日の仕入れには娘さんを同行させるなど、畑に触れる機会を積極的に設けています。

娘さんは、生産者のお子さんと畑で遊んだり、ブルーベリーを摘んで食べたりして過ごしているそうです。明峯さんの母親の畑で芋掘りをすることもあるとか。また、生きた魚をしめて、刺身にして食べさせるということもしているといいます。

子どもの食事は大切ではあるものの、あまりにも親の想いが強すぎるのも考えもの。環境を与えて、子どもが感じとる力を信じることも大切のようです。

仕事に家事・育児に忙しいママたちにとって、一度に買い物をすませられるスーパーマーケットは大きな味方です。しかし、ときには子どもを連れて生産現場に足を運び、収穫前の野菜や果物に触れる体験をするのもいいものです。

都内にも、収穫体験などをさせてもらえる畑は多数あります。まずは、お子さんと一緒にお住まいの地区のホームページをチェックするところから始めてみるといいかもしれませんね。

information

2016年9月に「たべごと屋 のらぼう」のレシピを集めた『野菜のごちそう 春夏秋冬』(KADOKAWA)が発売されました。人気メニューの「季節のかき揚げ」や「変わりポテトサラダ」など、「予約の取りにくい店」の味を家庭でも楽しめます。セミナーで作ったレシピのうちの3品も掲載されていますよ。

(畑菜穂子)