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咳が長引くなら…要注意!結核の症状とリスクを高める生活習慣とは

  • 2016.11.30
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結核というと石川啄木、高杉晋作、正岡子規など教科書に出てくるような人物を連想することから“昔の感染症”だというイメージが強いようです。しかし、よくよく思い出してみると、お笑い芸人の箕輪はるかさんやタレントのJOYさんの発症が一時話題になったように、結核は今でも年間約2万人の人が新たに感染している現在進行形の感染症です。

そこで今回は、予防医療推進協会の理事長を務める筆者が、結核感染予防のために避けるべき生活習慣をご紹介します。

 

■結核の症状

現在は抗生物質等が発達しているため、結核は昔のように不治の病ではありません。しかもその主な症状は長引く咳、痰、微熱が続いて体がダルイなど“軽いけどしつこい風邪”程度のもの。重症化すると血痰が出たり喀血して呼吸困難になったりしますが、進行が遅いため「これくらい大丈夫」だと放置しがちな症状でもあります。

例えば、今年千葉県船橋市で発生した、感染者41人、発病者15人を出した集団感染の場合。もともとは慢性的な咳があった30代男性が3年にわたり検診で肺の異常を指摘されていたにもかかわらず「大したことはない」と再検査を受けず放置。今年に入り咳や痰がひどくなり体重が減少、手の震えまで出るようになりはじめて受診すると肺炎と誤診されましたが、その後、別の病院で結核と診断されたそう。

このように症状が軽いがゆえに感染を広めてしまうケースもあるのです。

 

■ワクチンを打っても成人の予防効果は?

赤ちゃんの時にBCGワクチンを打っていても効果は10~15年といわれています。当然アラサーにもなればその効果はあまり期待できない可能性もゼロではありません。とはいえ、通常は万一感染しても免疫系の働きにより結核菌を抑え込んでくれるので発病することは多くありません。しかし、免疫が弱くなってしまっている時に人の多い場所に行ったり、都市部では医療機関だけでなく、カラオケやネットカフェ、ゲームセンターなどのレジャー施設での感染もたまに見られるので注意が必要です。

 

■結核を発病しやすいNG生活習慣チェックリスト

・いつも咳が続くくらいでは病院に行かない

・休日は人の多い都心部で遊ぶことが多い

・通勤ラッシュの中でもマスクをしない

・忙しいから疲れが溜まるのは仕方ない

・慢性的な睡眠不足

・ストレスはたまっているけど、解消できない

・食事はコンビニ食や出来合い、インスタントでもとりあえず空腹が満たさればいい

・ねばねば系の食品は苦手、もしくはあまり食べない

・今年は野菜が高いから緑黄色野菜はあまり食べていない

・便秘は体質だから仕方ない

当てはまる項目が多いほどリスクは高まります。結核菌は空気感染するため不特定多数の人が集まる場所ではマスクをする。感染しても発病しなければ咳などで排菌(菌を体外に出す)ことはないので、人にうつすこともほぼありません。

発病しないためには免疫を強くしておくことが必要なので、粘膜を強くするねばねば食品や緑黄色野菜をしっかり食べることも大切です。当然、腸内環境と免疫は関係性が強いといわれているので、便秘の改善をすることも重要なポイントとなるでしょう。

また、体質とは遺伝的な要素30%、生活習慣70%で作られるという考え方もあるということからも、生活習慣の重要性が理解できるでしょう。

 

これから年末年始に差し掛かり仕事も遊びも忙しくなるからこそ日常の生活習慣を少し意識して改善してくださいね。

【参考】

結核(BCGワクチン)- 厚生労働省
【監修者略歴】

※ 川上智史 ・・・ 医学博士。主に予防医学を専門とし、各種教育機関で基礎医学について講義を行う他、一般向けに予防医学に関する講演を行うなど、予防の重要性を啓発し続けている。また、アンチエイジングアドバイザー、メディカルアドバイザーとして医学的に“美と健康”を追求し、コメンテーターとしても幅広く活動。

【筆者略歴】

SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

【画像】

※ Image Point Fr / shutterstock

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