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『闇金ウシジマくん』原作者・真鍋昌平は“ヤクザの冷蔵庫”まで調べる!? 関係者が明かす驚きの取材術

  • 2016.11.2
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2010年に深夜ドラマからスタートした『闇金ウシジマくん』は、タイトル通り“闇金”を舞台にアンダーグラウンドの世界がシビアに描かれているにも関わらず、続編のたびに視聴者層を広げてきた。そしてシリーズ最終章となる『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』が10月22日に公開されると、オープニング興収で1億4000万円を記録し、シリーズ最高興収を狙えるような好スタートを切った。

このヒットの要因はどこにあるのだろうか……。原作漫画にアドバイザーとして参加し、映画版にオリジナルキャラとして登場する犀原茜の設定にも監修として協力したライターの上野友行さんに話を聞いた。

上野さんが原作者の真鍋昌平氏と出会ったのは、ちょうどドラマが始まろうとしていた6年前ぐらいだという。「連載が始まったときは、ただの読者だったのですが、本当に描写がリアルで『いったいどうやって書いているんだろう』って思っていたんです。そうしたら、行きつけの飲み屋で担当編集の方と出会って、僕のことを知っていただいていたらしく、そこから縁が始まりました。いろいろお話をさせていただき、先生が題材として取材したいと思っている人を紹介したりという、いわゆる取材協力として参加させてもらっています」。

上野さん自身、地元の福岡で風俗雑誌の編集からキャリアをスタートさせると、上京後もアンダーグラウンドを舞台にした漫画などの原作を多数抱えるほど、裏社会には精通していた。当然、さまざまな漫画家と仕事をしてきたが「真鍋先生の描く漫画の雰囲気はなかなか出せないです。例えば風俗嬢の部屋の描写なんか本当にリアリティがある。資料や写真だけじゃあそこまで描けない。ちゃんと取材しているだろうなって思ったんです」と他とは一線を画す『闇金ウシジマくん』の魅力を力説する。

上野さんの予想通り、取材協力として携わるようになると、「真鍋先生の取材方法は半端なかった」と実感したという。「『ホスト編』の取材のとき、真鍋先生の取材風景を始めて見させてもらったのですが、ホストの寮に行ったとき、冷蔵庫やごみ箱をくまなく調べるし、排水溝の髪の毛まで(写真に)撮るんですよ。髪の毛を見ながら『人間関係の象徴だ』ってつぶやいたり」。

さらに「やくざの事務所に取材に行ったときも、いきなり部屋の写真とかを撮るのではなく、湯飲みの裏とか冷蔵庫をあけたり……。そういった部分に上下関係や人間関係が垣間見えると思っているのでしょうね。最後は金庫まであけようとしてね。さすがに親分さんに『そこはちょっと……』って断られましたけれどね」と楽しそうに振り返る。

こうした細部へのこだわりを描くことによって「アンダーグラウンドな非日常の世界をリアルに感じることができ、読者や視聴者の『自らは立ち入りたくないけれど、覗いてみたい』という欲求を満たしてくれるんじゃないかな」と上野さんは分析する。

一方で『闇金ウシジマくん』はアンダーグラウンドな世界の人々にも絶大なる人気があるという。映画の客足も、地方都市の夜の稼働が良いという(プロデューサー談)。「いやぁ、本当に無敵ですよ」と上野さんは笑顔を見せると「例え親分が知らなくても若い衆たちは大抵ファンですから、基本的にやくざの事務所に『闇金ウシジマくん』の取材を申し込むと『ぜひ来てくださいよ』ってウェルカムなんです」と語る。

同業者や、いわゆる「マイルドヤンキー」と呼ばれる人々にも絶大な支持を受ける『闇金ウシジマくん』。その理由を上野さんに問うと「身近に感じているみたいですね。みんな『俺の話だ』みたいな。現役もそうですが、昔悪いことやっていた人たちが『こんなことやってたな~』みたいなノスタルジックな気分に浸れる。また、やんちゃしたかったけれど、できなかった人も、その気になれるリアリティがある」と答えてくれた。

また「映画の中で言えば、多くの人は(やべきょうすけ演じる)柄崎(貴明)の気持ちで見ているんじゃないかな。ウシジマという絶対的な存在が主人公の話ですが、大多数の人間はウシジマにはなれない。柄崎のポジションなんですよ。すごいピンチがあっても、絶対的に信頼できる奴がいて、そいつと一緒に危険な目にあったり、ピンチで助け合ったり……。そういう狭い世界の仲間の描き方も、やんちゃしている“輩(やから)”には共感できるんじゃないですかね」と魅力を語っていた。(磯部正和)