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DNA鑑定で親子関係ナシの割合は2割、慰謝料や養育費はどうなる?

  • 2016.10.21
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親子関係を調べるDNA鑑定が急増

近年、DNA鑑定で親子関係を調べる人が増えているようだ。それも、特に多いのが、「両親に促されて」行うパターンだという。

DNA鑑定を専門に行っているNPO法人遺伝子情報解析センターの山田浩史代表理事は、「4年前から親子鑑定を請け負うようになって、毎年10~15%ずつ依頼が増えています。特に依頼が多くなるのが、お盆と正月。帰省したときに、父親の両親が『似てない。一度、鑑定したほうがいい』と息子を説得するケースが多いのです」と話す。

同センターでは毎月150件ほどの鑑定依頼を受けているという。そのうちの40%が父親、40%が母親で、残り20%が祖父母からの依頼だという。

 

DNA鑑定が増えた背景は鑑定料金の低下と芸能人のスキャンダル

裁判所や捜査機関からのDNA鑑定依頼も多く受けている法科学鑑定研究所の山崎昭所長は、「鑑定用の試薬の価格が引き下げられたうえに、鑑定所が増えたことで、鑑定料金はこの10年で半額程度になりました。加えて、2013年には女優の喜多嶋舞さんと俳優の大沢樹生さんの騒動がありました。DNA鑑定の結果、2人の結婚中に生まれた子どもが、大沢さんと親子関係がなかったことが明らかになり、これによりDNA鑑定が注目を浴びるようになったのです」と話す。

料金は私的鑑定が2万~4万円程度。法的鑑定は7万~8万円が相場。鑑定人が立ち会うため、出張が伴う場合は、別途交通費が上乗せされる。

鑑定結果が出るまでに要する時間は、どちらも1~2週間程度とのこと。

 

親子関係ナシの判定結果は2割

実は、親子鑑定において、「親子関係がない」と判断されるケースは少ない。

山田代表理事よると、「年間2千件以上の鑑定を行っていますが、80%以上は『親子関係がある』という結果。ほとんどが『自分の子どもなのか?』と疑いを持っての鑑定の割には、親子関係が認められないケースは少ない」ようだ。

この「親子関係がない」という鑑定結果が2割という割合について、SNSなどでの反応は…

「全体だと何割になるんだろうな」

「疑っているケースで2割とはいえ、やっぱり自分は多いと感じるけど」

「最近は出来婚が普通だから子供に不安を覚える男は多いだろうな」

「結婚しない理由がまた1つ増えた」

「未婚化を止めたいなら絶対にDNA検査を義務付けるべき」

「むしろ鑑定までして、やっぱり自分の子供だった8割の方の家庭が気まずい」

などであった。

SNSなどの反応を見ていると、専門家のコメントとは異なり、2割は多すぎるという意見が大半を占めている。

 

親子関係の解消は可能

それでは、「親子関係がない」という鑑定結果が出た場合に、親子関係の解消や慰謝料・養育費などはどうなるのだろうか。

DNA鑑定の結果、夫の子ではないことが明らかだった場合には、夫が「嫡出否認調停」や「親子関係不存在確認調停」を申し立て、それが認められることで親子関係の解消が可能だ。

しかし、「親子関係不存在確認調停」を申し立てる場合には、DNA鑑定の結果で実子ではないことが証明されたとしても、それに加えて、妊娠した時期に長期間の別居状態や海外出張であったなど、明らかな状況証拠も揃っていないと、法律上の親子関係を解消することができない。

なお、夫と子どもの親子関係が解消されると、子どもには法律上の父親がいない状態となるが、その場合には、実の父親が認知をすることで法律上も本来の親子関係を実現することができる。

もし実の父親が認知を拒否するようなら、調停を申し立て強制的に認知させることもできる。

 

養育費の支払いには2つのパターンがある

DNA鑑定の結果を受けて、親子関係を解消している場合には、当然ながら養育費の支払い義務も消滅するため、夫に養育費を請求することはできない。

そのため、養育費が必要な場合には、実の父親に認知させ、養育費の支払いを求める必要がある。

DNA鑑定で実子ではないことが証明されたとしても、法律上の親子関係を解消できていない場合には、引き続き養育費の支払いを求めることが可能である。

 

慰謝料や損賠賠償を求められることもある

DNA鑑定で夫の実子ではなかったことが判明した場合には、すなわち妻の不倫が発覚したことになる。

不倫は不法行為であるから、およそ100~300万円程度の慰謝料の請求対象となる。

また、慰謝料の時効は、「損害及び加害者を知ったとき」から3年のため、妊娠してから何年も経ってるのだから時効ということにはならず、夫から不倫慰謝料を請求される可能性がある。

そして、親子関係を解消できていた場合には、本来であれば払わなくて良い養育費を支払っていたことになるので、過去の養育費を損害賠償として請求される可能性もある。

 

おわりに

DNA鑑定で親子関係を調べる人が増えていること、また実際に親子関係がないと判明した場合には、養育費や慰謝料の取り扱いがどうなるかを見てきた。

ただし、一方で親子関係がある場合も8割あり、DNA鑑定後に「浮気の事実はないし、疑われるようなこともしてないのに、疑われていたと思うだけで一緒にいるのが苦痛。」となってしまい、その後の夫婦生活がギクシャクしたケースもある。

いずれにせよ、DNA鑑定を行うには相当の覚悟が必要そうだ。

 

(恋愛結婚学研究所 大木隆太郎)

参考:YAHOO!JAPANニュース(AERA)