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「事件勃発!子連れで行く美容院」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.36 

  • 2016.10.13
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こどもが産まれてからというもの、せわしなく1日が過ぎていくものだから、ついつい後回しにしてしまいがちなのが髪の手入れ。息子が産まれる直前に美容院に行ったきり、わたしはなかなか美容院に出かけることができずにいた。

東京には溢れるほど美容院があるというのに、ほとんどの店にキッズルームは完備しておらず赤子を連れて出かけることは難しい。

髪の手入れをしていない、ボサボサの髪型のお母さんを見ると、どうしても育児に苦労しているような印象を受ける。まさに、今のわたしがそれだ! トレードマークのおかっぱも形状が変わってきている。

このままでは、夫婦揃って伸び放題の髪の毛を振り乱しながら育児に奮闘することになるので、それだけはどうしても避けたい…。せめて髪型だけでもすっきり爽やかにしたいものだ。

息子を連れて、初めての美容室。いつもカットしてもらっている美容師さんがちょうど新しい店舗に移動になり、表参道まで出かけた。

先にひとりで出かけ、わたしの髪型が仕上るころに、夫には息子を連れて美容室まで来てもらうことになっていた。交代制で息子を見る、という流れだ。

わたしは久しぶりにパーマをかけることにしていた。

美容院につくなりシャンプーを済ませ、クルクルと巻かれるわたしの髪の毛。

育児がスタートし、そろそろ1年。くたびれた髪型に、ようやくおさらばできる。

1時間半後、夫が息子と共に美容室にやってきた。

受付を済ませ、さっそくわたしの席の隣に座る。

わたしは息子に手を振り「かんちゃ~ん、お母さんだよ~」と、声をかける。

しかしならが、息子の表情が曇る。

突然口元がへの字になり、涙ぐむ息子。

「あれぇ、どうしたのさぁ。」抱き上げると、眉間に皺を寄せ目を大きく開き、泣き出してしまった。

「ひえーーーーーぴえーーーーーーーぎえーーーーー!」

小さな泣き声から、ギャン泣きへ。店内に響き渡る、息子の泣き声。

どうして泣いているのか? なぜ抱いても泣き止んでくれないのか?

ウロウロしながら答えが分からず、鏡で自分の姿を見ると…。

あ!そうか。分かった! 身体を覆う銀色のクロスと、髪をまとめているタオルで、わたしが母なのかよく分からなかったようだ。しかもパーマ液で匂いもかき消されているからなおさらだ。

何をしても泣き止まないので、トイレをお借りして強引に授乳、授乳、授乳。よっぽどわたしが恐ろしかったのか、目をつむって乳に吸い付く息子。時間のロスで予定よりもパーマがきつく入ってしまった!

わたしのカットが終わり、クロスとタオルを外すと、ようやく息子も落ち着き始めた。やっと夫の番がやってきた。夫のヘアカットが終わるまで、息子と街をぶらぶら。

新しい髪型にすると、気持ちまで晴れやかになるから不思議。新鮮な気持ちで街を歩く。

しばらくして、「終わったよ~」と、夫から電話がはいる。待ち合わせ場所にいくと、遠くの方からアフロヘアの頭の大きな人が近づいてきた。表参道にはいろんなタイプの人がいるのね…と思ったら

「あれ?よく見れば夫じゃないか!!!」

夫はわたしが店をでたたった2時間で、ものすごいイメチェンをしていたのだった。脱サラしてからの反動か!? 31歳にしてこの変貌。「ブラックミュージックの影響だよ~」と、夫はチリチリの髪型を気に入っているご様子。

夫よ、申し訳ないが…このヘアスタイルは、どうやってもバイオリンの弾けない葉加瀬太郎か売れ残った阿寒湖のマリモにしか見えない。わたしが好きだった爽やかな夫はどこへ…?

唖然としているわたしを前に、息子はヘアスタイルの変わった父親を笑顔で迎えた。なぜ父のことはわかるのか!?

脱サラした夫の変身ぶりがすごい。ヒゲは生えるわ、髪はチリチリになるわ、体重は増えるわ…。このままどこいにくの!ねえ、お父さん!!

つづく

次回は「 おめでとう ありがとう。1歳の誕生日」をお送りします。

(Boojil(ブージル))

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