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地味にスゴイ!?校閲会社がはじめた本屋さん「かもめブックス」に夢中!

  • 2016.10.11
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本を愛する人が手掛ける小さな町の本屋さんは、本好きはもちろん、ふだんはあまり本を読まないのだけど…という人も惹きつける心遣いにあふれたお店。今回は「かもめブックス」の棚作りのこだわりなどをご紹介します。

町の本屋さんの灯を消したくない

「かもめブックス」のオーナーは、「鷗来堂」という書籍の校正や校閲を行う会社。校正や校閲は文章や文言に誤りがないかをチェックすることで、本を作る上では大切なプロセスの担い手です。でも、せっかくいい本を作っても読者に届かなければ、その本は日の目を見ることがありません。作り手の一員として、町から本屋さんが無くなってしまう怖さを感じたのが「かもめブックス」オープンのきっかけだとか。本を読むのが好きな人にはもちろん、あまり本を読まないという人にも新しい本と出会うきっかけを提供したいという想いが根底に流れています。

ページをめくって本を選ぶ幸福な時間

たとえば、店内の棚作りもその心遣いのひとつ。実用書や小説、写真集などのジャンルごとでも、作家ごとでもなく、テーマごとに本棚が作られています。

しかもそのテーマもユニーク。「日本を満喫する」というテーマもあれば、「ハ・イ・カ・ラ」とか「フランス・パリで」というテーマもあります。中には「線が視線を導く」というちょっと思索的なテーマも。テーマごとの棚にはさまざまな本が並び、一冊、また一冊と手に取ってページをめくりたくなる愉しさがあります。

もうひとつ来客の関心を集めているのが「WORKERS BOOKSHELF」という6つの棚。こちらでは、お店やお店のある神楽坂と縁のある人たちのおすすめ本を特集。それぞれが人生の中で関わった本の中から3冊を選び、おすすめコメントとともに並べてあります。興味深いラインナップに未知の本への興味がわいてくる棚です。ちょっと懐かしい本もあり、難しい棚作りなのかもしれませんが、その分、新しい本との出会うきっかけを作りたいというスタッフの想いが伝わってきます。

本を持って出かけたくなる雑貨たち

本だけでなく、本にまつわるグッズもいろいろ揃っています。オリジナルのブックカバーなどもありますが、店内をぐるぐる巡っていて見つけたのは、文庫本や単行本がすっぽり入るサイズの小さなバッグ。オリジナルのバッグ(オリジナルミニヨンバッグ。1,900円/税別)もあれば、色がきれいで手触りのよいフレンチリネンのバッグ(2,500円/税別)もあります。本とお財布だけ入れて「ちょっとカフェまで」がしたくなるバッグです。週末には小さくたためるエコバッグも入れて、本屋さんとカフェを巡ってのんびり過ごしたら夕食の買い物へという午後の過ごし方もいいかもしれません。本をプレゼントするなら、このバッグごとラッピングするのもよさそうです。

居心地のよい空間への誘い

「かもめブックス」の店内は温かみのある照明の効果もあいまって、本棚の間に足を踏み入れると、なぜだか時間の流れがゆっくりになるように感じます。なかにはしばらく本棚の前で悩んだあと、カフェでコーヒーブレイクをして、また本を選びに行く人もいるというのもうなづけます。

入り口はカフェで、奥がギャラリー。そしてそれを繋ぐ、ゆるやかな空気感の本屋さん。本好きじゃなくても気軽に立ち寄れるカフェと、アートを間近で見られるギャラリーの間に本棚が並ぶことで、いろいろな人と本の接点が生まれるのではないでしょうか。

ちょっとした息抜きで立ち寄ってもらい、ついでに本棚の間を巡ったり、奥のギャラリーをのぞいたりして、何かに興味を持ったり、ちょっとしたヒントを得たりしてもらえたら。そして新しい本と出会うきっかけにもなれば。店内はそんなさりげない心遣いにあふれているのです。

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