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これからの妊娠を望むなら「婦人科検診のススメ」

  • 2016.9.26
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20代だから、健康だからと、勝手に婦人科検診は必要ないと思っていませんか? 現役の産婦人科医である丸田先生曰く、「年齢に関係なく、女性なら定期的な検診が必要です」とのこと。正しい認識を身に付けて、恥ずかしがらず、婦人科の扉を叩いてみよう。


-日本は先進国の中でも、婦人科検診の受診率が低いのは本当ですか?

日本の受診率は欧米諸国の半分以下!


欧米諸国の受診率が80%を超えるのに対して、日本は30%台なので、圧倒的に低いですね。まず、教育の違いがあります。日本は、性教育に対して積極的とは言えません。学校で教えてもらう情報は限られていますし、親からの教育もほとんどないのが現状。


そして、婦人科に対して、「何をされるのかがわからない」「あの台に乗りたくない」など、怖いというイメージを持っている人が多いように思いますし、どのタイミングで受診すればいいのかがわからないという人もいるようです。


受診率が低い要因はさまざまですが、1年に1回は婦人科検診を受けることを習慣化するのがベターです。きっかけがつかめないという人は、各自治体から届く検診案内が届いたタイミングで行くなど、ライフスタイルに組み込みやすい形で取り入れるのがいいと思います。


-自覚症状がない場合でも受診したほうがいいのですか?

もし自覚症状があるのなら、それはかなり進行していると思ってください


自覚症状がある、ないに関わらず、受診することは必要です。中には、自覚症状が出ているのに受診されない人もいますが、痛みがある、不正出血があるなど、自覚症状が出始めた時点で、かなり進行していると考えても大げさではありません。さらに、自覚症状が現れない病気もあります。その病気ほど怖いものはありません。対処が遅れたら、手術ができない場合もありますし、極端な話、10代でも病気になることはあります。


子宮がんや卵巣のう腫、子宮内膜症など、年齢によって発症率に多少の差はあるにしても、女性特有の病気全体で考えると年齢は関係ありません。定期的に検査を受けることで気がつけることがたくさんあります。お肌やボディケアと同じように、自分のカラダをケアするために婦人科検診は必要なことです。


-病院選びのコツを教えてください。

自分が納得するまできちんと説明してくれるドクターがいる!


先生との相性がいいことが一番重要です。検査の内容から結果までをすべて説明してほしい人もいれば、説明はなくてもいいから結果だけ聞いて早く終わらせてほしいという人もいます。だからこそ、納得するまできちんと説明をしてくれる、自分の人間性に合ったスタイルで診察してくれる先生を探しましょう。


どの病院、クリニックがいいのか、口コミで得られる情報もありますが、美容クリニックやマッサージサロンとは違い、カジュアルに情報交換する機会は少ないと思います。ウェブサイトをチェックしても、いいことしか書かれていない、誰が書いているのかが不透明な部分もあるので、実際に病院を訪れて、先生と話をした印象で決めるのがいいと思います。もし、合わないなと思ったら、次の病院へ。先生は、自分の健康状態をゆだねる人。だからこそ、慎重に、自分に合った先生を見つけるプロセスは大切です。


20代女性が気をつけたい3大病気


●子宮頸がん


「子宮の入り口の子宮頸部と呼ばれる部分に悪性の腫瘍ができます。子宮頸がんの8~9割はヒトパピローマウイルスというウイルスの感染が原因と言われていますが、感染がなくても子宮頸がんになる可能性はあります。ヒトパピローマウイルスは主に性交渉で感染します。


検査は、子宮の入り口を綿棒や歯間ブラシのようなツールでこすって細胞をとり、その細胞の状態を調べます。黒か白と、必ずしもはっきり分かるわけではなく、細胞は変化していくので、白に近ければ問題ないけれど、黒に近いグレーなら注意が必要ですよという場合もあります。白に近い場合でも、年に1回は検診を受けましょう」


●卵巣のう腫


「卵巣に血液や水、髪の毛が溜まるなど、いろいろなタイプがある病気ですが、原因は分かっていません。20代は、脂肪や髪の毛、水が溜まっているケースが多いです。もし、のう腫のサイズが5~6cmを超えると、卵巣がねじれやすくなるので、小さくならない場合はねじれやすい大きさになる前に手術でとってしまうことが多いです。


エコーで検査するのが一般的ですが、無症状でエコー検査を受ける機会はあまりないので、子宮頸がんの検診の時に合わせて検査することをおすすめしています。自費になってしまいますが、1500~3000円程度で受けることができます」


●クラミジア


「性交渉によって感染する性病の一種です。下腹部の鈍痛、不正出血、おりものの変化などの症状がでますが、症状がない場合も多く、一度でも性交渉の経験がある場合は、感染する可能性があります。コンドーム以外で避妊をしている方は、感染のリスクが高まりますので、例えピルを服用していても、コンドームでの避妊をしてください。


クラミジアは無症状に進行し、不妊の原因になります。ひどい場合、クラミジア感染に気付かず、将来の自然妊娠が出来なくなってしまう事もあるので、感染に注意し日頃から意識しておくことが大切です」


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これからの妊娠・出産、健康な生活を続けたいと願っている人にとって、これらの病気は他人事ではないのです。「ちょっとめんどくさい」「恥ずかしい」ということは理由になりませんよね。年に1度、自分のメンテナンスをするように、まだ受けたことがない人は今年から始めてみましょう。


丸田佳奈先生


産婦人科医。テレビ、雑誌などのメディア出演をはじめ、幅広く活躍中。著書に『キレイの秘訣は女性ホルモン』(小学館)などがある。


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