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映画『函館珈琲』主演の黄川田将也さんに聞く、撮影秘話と函館の魅力

  • 2016.9.24
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函館を舞台に、孤独と葛藤を抱えた若者たちが、それぞれの夢に向かって踏みだす季節を描いた物語『函館珈琲』が9月24日より公開されます。 この映画の主演を務めた黄川田将也さんに、本作について、そして舞台となる函館の魅力についてお聞きしました。

――「函館珈琲」は、古い洋館に集った4人の男女が主役の映画ですが、もがきながらも懸命にそれぞれの夢や居場所を見つけていく姿が印象的でした。黄川田さんが思う本作の魅力や見どころを教えてください。

「映画の中で描かれる、そこにしか流れていない時間、やさしい空気。立ち止まることは決して悪いことではないんだと教えてくれる、もう一度自分の足元を確認したくなるような作品になっていると思います。登場人物の誰かに共感していただけたらうれしいです」

旅は頭の中の“リセット”

――作品中、黄川田さん演じる桧山は、ふと訪れた函館で人生の転機を迎えます。黄川田さんご自身はご旅行に行かれることも多いのでしょうか?

「プライベートでの旅行は、頭の中の“リセット”になりますね。最近は沖縄へ行きました。北へ行こうかとも考えたんですが、やっぱり夏は暑いところへ行きたくて」

――これまでに行かれた旅行先で、思い出深い場所はありますか?

「仕事で行った、アフリカのタンザニアですね。現地の人でもなかなか行かないような、奥地の村へ行って。プライベートの旅行では絶対に行けないようなディープな場所で、そこに住んでいる人たちの生活や文化に触れて、カルチャーショックを受けました」

――お仕事でも色々な土地へ行かれるんですね。これから行ってみたい旅行先は?

「撮影期間中はあまり時間がなかったので、キャストのみんなでゆっくり函館を回りたいねと話しています」

函館は自分の「これから」を考えるのにぴったりな街

――今回はオールロケということで、撮影で滞在された函館の街はどんな印象でしたか?

「あたたかい街、ですね。函館って街灯が全部オレンジ色なんですよ。東京のキラキラした夜景とは違って、街全体がひとつの光に包まれていて、すごくあたたかみがあるんです。観光地はもちろんなんですが、自分のこれまでを振り返ったり、これからの人生を考えるのにぴったりな街だな、と感じました」

――映画の中で桧山が淹れる珈琲がすごく美味しそうでしたが、函館でみつけたお気に入りの喫茶店があれば教えてください。

「撮影中はどこかへ行く時間がなかったので、お店ではないのですが、毎日朝早くからの撮影に美鈴珈琲の豆で函館のボランティアの方々が温かい珈琲を淹れてくださってたんです。それがめちゃくちゃ美味しくて何杯も飲んでました」

――ありがとうございます。では最後に、ことりっぷの読者にメッセージをお願いします。

「作品の中で片岡礼子さん演じる一子から『自分だけの函館を見つけなよ』と言われるシーンがあるんですが、函館は訪れた人の心境やその人が抱える周りの環境、そういったものに寄り添ってくれる街だと思うんです。受け入れるというか、拒絶されない空気感があって。だからこそ、そんなセリフを言わせたくなる街なんだな、と。ぜひ、みなさんも『私だけの函館』を見つけてみてください」

黄川田将也(きかわだ まさや)

1980年6月1日生まれ、埼玉県出身。’00年に映画『ホワイトアウト』でスクリーンデビュー、その後『バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌』『仮面ライダーTHE FIRST』『クローズド・ノート』『神様のパズル』『真夏のオリオン』他に出演、テレビドラマ『風のハルカ』『八重の桜』、日中韓合作ドラマ『Strangers6』などに出演、舞台『風が強く吹いている』『富士見町アパートメント・ポン助先生』では主演を務めた。この秋放送の連続ドラマでは主演の相手役でレギュラー出演!

主要キャスト3名に聞く、函館のお気に入りスポット

本作のキーとなる「翡翠館」で暮らす3名の若きアーティストたち。装飾ガラス職人の堀池一子、テディベア作家の相澤幸太郎、ピンホールカメラ専門写真家の藤村佐和を演じた主要キャストのお三方にも、函館のお気に入りスポットと映画のみどころを教えていただきました。

○片岡礼子さん(堀池一子役)

――片岡さんが函館でみつけたお気に入りスポットはありますか?

「オーナー・時子役の夏樹さんと、撮影の合間を縫って函館ぶらり旅をしたときに入った、おいしいかき氷屋さん。見晴らしもよくて、ゆったりとした時間を過ごせました。ガラス制作シーンの練習で半日お世話になった、金森赤レンガ倉庫・函館浪漫館のトンボ玉コーナーにもまた行きたいです」

――片岡さんが思う、映画のみどころを教えてください。

「主人公が夢をもう一度追いかけようとスイッチを入れていく瞬間。それは、桧山だけでなく翡翠館の住人みんなに訪れるので、4人それぞれのスイッチに注目してほしいです」

○中島トニーさん(相澤幸太郎役)

――中島さんが函館でみつけたお気に入りスポットはありますか?

「コーヒーが美味しくて、いろんな個性的で面白くて暖かい函館ネイティヴが集まるティールーム!」

――中島さんが思う、映画のみどころを教えてください。

「あやふやな未来へ向かって、それぞれのアーティストが自分の職業に必死に取り組んでいるシーン」

○Azumiさん(藤原佐和役/主題歌)

――Azumiさんが函館でみつけたお気に入りスポットはありますか?

「ロケで訪れた「星龍軒」の塩ラーメン、「茶夢」のこぼれ落ちそうな海鮮丼、「美鈴珈琲」に「ラッキーピエロ」「焼き鳥弁当」……もう上げたらキリがないくらい美味しいものがいっぱいですが、特に素敵だったのが、明治時代の建物を改築した『太刀川カフェ』。地元のお野菜や魚介、お肉をつかったランチは、撮影で疲れた体が元気になる美味しさでした!美味しい珈琲を一杯頂くだけでも、安らげる空間です」

――Azumiさんが思う、映画のみどころを教えてください。

「大きな事件が起こるわけではないけれど、悩みや苦しみを隠し生きている4人のアーティストが、函館の街で人々に触れて、自分に自問して、ゆっくりと曖昧な何かを掴み始める。観終わった後に温かい「函館珈琲」が飲みたくなるような、とても優しい映画です。ぜひご覧になってください」

『函館珈琲』

(C)HAKODATEproject2016

9月24日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開

配給:太秦

公式サイト:http://hakodatecoffee.com/

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