1. トップ
  2. レシピ
  3. 【コラム】七十二の季節を感じる – 南青山の小さな花屋 #10 燕去る「マツムシソウ」

【コラム】七十二の季節を感じる – 南青山の小さな花屋 #10 燕去る「マツムシソウ」

  • 2016.9.22
  • 1369 views

【七十二候とは?】
私達は季節を大きく4つに分け、季節の訪れに気づき楽しんでいます。
古くから親しまれてきた暦「二十四節気・七十二候」をご存じでしょうか?
昔の人は季節を72種にも分け、5日ごとに変わる季節を楽しんで生活していました。

一年に72もの季節に分けて生活をおくっていた感覚とは?
季節の移り変わりを感じながら生活をおくる心地良さとは?

そんなコトを考えながら、花屋の目線で、季節にあった草花を探して紹介します。

|第四十五候 燕去る(つばめさる)

9月18日〜 9月22日頃は「燕去る(つばめさる)」。

春先にやってきた燕が去る頃。馴染みの深い「燕(ツバメ)」は春に南の国から日本へやってくる渡り鳥です。春から秋にかけ子育てを終えたら、また日本を旅立ち食料を求め、暖かい南の国へ渡っていきます。日本を故郷とするツバメはフィリピン、台湾、オーストラリアへ渡るそうです。昔の人はツバメが日本を去りはじめる頃、秋の深まりを感じていました。

photograph by pixabay

ツバメはとても小さな鳥で、全長はクチバシの先から尾羽の先端まで約17cm位。鳥の中でもかなり小さいサイズになります。体のサイズから想像しがたいですが、渡り鳥として一日300km以上の飛行が可能で、外敵から逃げる時の飛行速度は200km以上。小さな体の中に驚異的な身体能力を持っています。

この時期に選んだ植物はツバメのように小さく、直径3〜4cm位の可憐な花を晩夏から秋にかけて咲かせる「松虫草(マツムシソウ)」。日本の山地の草原に自生しており、北海道から九州まで各地で目にすることができます。松虫草はお花屋さんでは「スカビオサ」という名前で販売されている花の仲間で、学名は「Scabiosa japonica(スカビオサ ジャポニカ)」。日本のスカビオサと呼ばれています。昨日、足を運んだ箱根でも咲いており、目にすることができました。

秋雨に打たれる日本の固有種「松虫草」(箱根湿生花園 2016年9月19日撮影)

 

「スカビオサ」はヨーロッパ地中海沿岸地を中心としてアジア、アフリカまで約80種類が分布し、品種改良も行われ、様々な色や雰囲気を持つ花が、お花屋さんに並びます。特に「春」頃、様々な品種が流通し店先に並びます。

人気品種は「西洋松虫草(セイヨウマツムシソウ)」と和名がついている地中海原産のもので、日本の「松虫草」と比べると豪華で可憐な印象を持ちあわせています。今回は長い秋の雨の季節、少しでもはなやかな気持ちになるようにと「クイーン」という品種を選んでみました。スカビオサは周年流通していますが、最盛期は春。気になる方は来春、好みのスカビオサを探してみて下さい。

スカビオサ・クイーン(西洋松虫草)

flower & photograph by yosuke sugawara