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【保育士に必要なチカラ】いまの私は子どもを守ることができない

  • 2016.9.21
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【保育士に必要なチカラ】いまの私は子どもを守ることができない

文・小阪有花

【グラドルから保育園へ】

vol. 23

保育士に必要なものとは

子どもの力ってすごいなぁと感じた私は、もっと仲良くなりたくて子どもたちの動きや行動を観察した。

言葉が話せない赤ちゃんが普段どんな気持ちでいるのか? ということを理解しようとする。言葉が話せる子どもも、自分の感情の伝え方がわからず困惑している子が多いので、気持ちを伝える方法や、接し方について教えるように心がけた。おかげで、子どもの接し方にはだいぶ自信がつき、私が保育園に来ると、子どもたちが喜んでくれるようにまでなった(子どもと仲良くなる方法や、接し方については、また別のタイミングで伝えたいと思う)。

そうなってくると、私も生きる意味を見出せて、自分を大切にしようとする精神も少しずつだが芽生えてきた。生きる気力がなかった今までは、自分なんて何をしてもダメと思っていたけれど、自分か誰かのためになれるのなら、一生懸命やりたいと思った。そうなると自然に思考は今の体型が気になった。このころ、芸能時代から比べて、20キロ以上太っていた私の体は、保育の仕事をする上で、不便でしかなかった。

保育士で必要なものは、子どもたちを受け入れる包容力のほかに、子どもの命を守る瞬発力と、子どもたちとしっかり向き合うための体力だろう。包容力はともかくとして、ぜい肉がたっぷりついた体では、瞬発力と体力がついていかない。当時の私は、歩いて疲れてはすぐしゃがみこみ、スカートを穿けば股擦れを起こしてしまうほどだった。これでは子どもたちとしっかり遊ぶことも出来ないし、赤ちゃんが危ないとき、とっさに動くこともできない。これは大きな問題だった。

今の体型では子どもを守れない

働いていた保育園で起こったとある出来事。公園で大きい子たちがブランコに乗っていたら、1歳の子どもがブランコの前に急に飛び出してしまった。先生たちは驚いて、「危ない!」と叫んだそのとき、自分の体ごとブランコの前に飛びこんで、1歳の子どもを抱えこみ、使っていないブランコの前まで突進していった保育士がいた。その先生は、昔バレー部だったらしく、その姿はまるで、バレーの試合中、落ちそうになったボールを間一髪でとめた瞬間のようにみえて、まわりの先生たちは思わず拍手喝采。さすが元バレー選手はちがう! と、全員がほっとし、感謝した。

みんな慌ててかけよっていたが、その先生は、圧倒的なスピードで子どもを守ったのだ。その姿をみて、私は、今のままでは子どもたちを守ることができないと痛感した。太ったときから、体の衰えはすごく気にしていた。太っているせいでなにもやる気がおきないこともわかっていた。私は、保育園で働きだした時から、何となくだけど、保育は私の天職だと確信していた。だからこそ、このままではいけないと思った。そもそも、注目を集めるために太ることを決意したのだが、今の私はすっかり注目を集めることを恐れ、それどころか、ひっそりと生きたいと願っていた。人生の目的も変わった今、太っていることに何の意味があるのだろうか?ダイエットをして元の体を取り戻すこと。これは太る前から固く誓っていたことだ。だったら、それが今なんじゃないか? と私は自分に語りかけた。

私は新たに、生きる目的を見つけた。

こさか ゆか/保育園プロデューサー

リバイバルミーティング代表。チャイルドカウンセラー、家族療法カウンセラー、幼児食インストラクター、ベビーシッター資格習得。 2004年ミスマガジングランプリを獲得し芸能界デビュー。グラビアアイドルとして活躍後、2009年に引退。現在は子どもの心スペシャリストとして活動中。

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