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8月19日はココ・シャネルのバースデイ。生誕133年、今知るべき8つのモードな秘話。

  • 2016.8.19
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今年で生誕133年を迎えたココ・シャネル(1883年8月19日ー1971年1月10日)。 Photo: AFLO

【さらに写真を見る】8月19日はココ・シャネルのバースデイ。生誕133年、今知るべき8つのモードな秘話。

8月19日はココ・シャネルの誕生日。今年で生誕133年を迎えた。No.5やチェーンバッグなど、永久不滅のアイコンから独自の恋愛観まで、獅子座の女にまつわる8つのモードなストーリーを振り返る。

1. 意外に知られてない? シャネルのモードの原点は帽子屋だった。

1883年フランス南西部オーヴェルニュ地方出身のココ・シャネル。幼い頃に母親は他界し、父親とも別れたため、孤児院や修道院で過ごした。貧しかったココの幼少時代は、貧富の差に苦しんだり、悔しい思いをしたり。しかしその思いを力に変える能力を持っているのがココ。「私の人生は楽しくなかった。だから私は自分の人生を創造したの」という言葉を残している通り、彼女は自分の道を自分で切り開いていく。将校であるエティエンヌ・バルサンに出会い彼のシャトーに移り住み、贅沢な毎日を過ごした。

実用性のない帽子や息がつまるようなコルセットなど、当時のブルジョアたちのファッションに疑問を持つようになる。「競馬場で女性たちが被っていたのは、フェザーや果物で飾った巨大な帽子。でも何より我慢できなかったのは、その帽子たちが彼女たちの頭に全くフィットしていなかったことよ。」そうして1910年、パリに帽子屋「シャネル・モード」を開くことを実現。つまり帽子こそがシャネル(CHANEL)のモードの始まりだったのだ!

2. 女性の生き方を変化させたシャネルの服づくり。

ココはもっぱら着心地の良いスタイルや素材を考案し続けた。第2の肌のようにフィットする服を。ジャージーやツイード素材を愛したのも、しなやかで動きやすい素材だからだ。中でもこだわったのが袖の取り付けだったそう。何度もつけては位置を変え、また取りはずしては元の位置に戻し、そうやって1番動きやすいスタイルを生み出してきた。「私は生き生きと行動する女性のための服を作ったの。活動的な女性には居心地のいい服が必要でしょう? 腕を自由にあげることができなければいけないわ」と話している。無駄を一切省いた彼女の服の特徴は、大きなポケットにボタンは最小限、スカートは歩行の妨げにならないデザイン、そして丈は短めが基本だった。「自由に解き放たれた肉体ほど美しいものは存在しない」という言葉を残すほど、着心地の良さと快適であることに忠実だった。

彼女のデザインで最も革新的だったのが、ブラックを用いた服だ。当時、黒い服といえば喪服しかなかった。しかし彼女は「黒一色にしてみる。たくさんの色を使えば使うほど、女はかえって醜くなるということにみんな気づかない」と語り、「黒は全てを含む色。白も同じよ。共に絶対的な美であり、完全な調和だわ」と黒と白の持つ美しさに絶対的な自信を持っていた。見事に美しいリトル・ブラック・ドレスは、瞬く間に女性たちを魅了した。

ココ・シャネル

を語る上で欠かせないのが香水だ。ココは「香水をつけない女に未来はない」とまで言い切っている。1921年に誕生した「シャネル No.5 オードゥ・パルファム 」は、1から5、20から24と番号が付けられた試作品の中で彼女が選んだサンプルがNo.5だった。

シャネル(CHANEL)

No.5というシンプルなネーミングもボトルデザインもミニマルで当時革新的だった。5という数字はココのラッキーナンバーとしても知られている。

3. 「No.5」はシャネルのラッキーナンバー。

彼女は、「きっとこのサンプルは、幸運をもたらしてくれるわ」と言ったそうだが、それが大当たり! このフレグランスは1929年、世界中でベストセラーになり、今でも時を超えて愛され続けている。なにせ30秒に1瓶売れているのだから納得だ。あのマリリン・モンローが寝る時にNo.5を5滴つけてから寝ていたことでも知られている。香りまでもモードに変えたココ。「香水はあなたがキスしてほしいところにつけなさい」と、女性の存在理由そのものと考えていたようだ。

4. 実用性の追求から生まれた「2.55」バッグ。

今でもビンテージから最新デザインまで、時代を超えて愛されているシャネル(CHANEL)のチェーンバッグ。まさに女性に自信を与えてくれる魔法のバッグだ。ココが初めてハンドバッグをデザインしたのは1929年。肩からハンドバッグを下げられるようにレザーのストラップをつけたのが始まりだ。そのアイデアの根源はなんともココらしく斬新でモダンな考え方から生まれている。「ハンドバッグを手に持っていることにうんざりなの。疲れるし、よく失くしちゃうんだもの。だからレザーのストラップをつけて肩から下げたの。そしたらみんながマネしたわ」と語っている。彼女は女性の両手を解放することに成功したのだ。そして1955年2月、チェーンストラップを通すための鳩目を取り付けたショルダーバッグ「2.55」が誕生した。

5. パールとダイヤモンドへの強い想い。

パールなくしてココ・シャネルの服は語れないと言っても過言ではないほどパールは重要な存在だ。シャネルスーツのシンプルさや気難しい黒のエレガンスさを何よりも引き立ててくれるのがパールなのだ。パールをこよなく愛した彼女は、「私のパールを探しにいってらっしゃい。パールを首に纏わないうちは、アトリエにはいきません」と断言していたほど。本物のパールとイミテーションを混ぜ合わせて何重にも重ねて楽しんでいたのは有名な話だ。

そんな彼女が1932年、ファインジュエリーコレクション「Bijoux de Diamants(ダイヤモンド ジュエリー)」を初めて発表した。「私は女性を星々で覆い尽くしたかった」と話すココ。永遠に変わることのないダイヤモンドは、彼女が愛した宝石のひとつだ。「私がダイヤモンドを選んだのは、最小のボリュームで最大の価値を表現しているから」と残している。「まるでリボンをつけているように女性にジュエリーを身につけて欲しかった。私のリボンはしなやかで取り外せるものよ」と話すに、彼女がデザインをしたジュエリーは、しなやかで軽く、シンプルで身につけやすいものばかりだ。

シャネル(CHANEL)

の象徴ともいえるカメリアの花。もちろん、彼女のお気に入りの花であった。19世紀半ばに多くの女性がこのカメリアに夢中になり、誘惑の象徴やエロティシズムを示唆するサインとして愛したという。しかし誕生秘話は意外なものだった。フランス人作家のマルセル・プルーストがジャケットの胸につけているのを見て、彼女も真似をして自分のジャージースーツにつけたのだとか。洗練された男性たちの服装から多くのアイデアを得ていたとは、さすがココならでは柔軟な発想だ。

6. 洗練された男性のスタイルがカメリアの誕生につながる。

7. 「花を贈って」恋多き女が貫いた恋愛哲学。

恋多き女性として知られているココは、大富豪から芸術家まで、かなり幅広い職業の男性と付き合い、女を磨いてきた。彼女が男性たちから掴み取ってきたものは、センスやライフスタイル、教養など数知れず。彼女を見ていると、「恋愛とは結局ステップアップにつながるものでしょう?」と言わんばかりだ。嫉妬はしない、おねだりもしない。いわば、男性に依存しない恋愛スタイルを貫いた。

そんな彼女が、「彼は私の人生に舞い降りた最高の幸運だった」と語るほど愛したのが、イギリス人実業家のアーサー・カペルだった。滅多に甘えない彼女だが、ある時「花を贈って」とおねだりしたそう。彼はすぐさま花を贈り、さらにその後30分毎に花を届けるというロマンティックな行動を2日間に渡り行ったというのだから驚きだ!

8. 香水でエレガンスを極める。

ココが纏ったフレグランスは、晩年彼女が過ごしたホテル・リッツ・パリとカルボン通りの間わずか数100mの道を歩くと残香が漂っていたという逸話がある。なにせ彼女のつけ方は、スカートをはいて1吹き、下着をつけて1吹き、ブラウスを着て1吹きがお約束だったようだ。「上着を置き忘れると、すぐにそれが私のものだとわかるの」とも語っている。「フレグランスはその人の個性よ。だから何より自分にふさわしい香りを選ぶことが大切」というアドバイスに習って、あなたにピッタリのフレグランスを「私ってこんな女性なの」と言わんばかりにつけてみるのもアリかもしれない。

参照元:VOGUE JAPAN

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