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大阪では「まむし」を食べる!? 東と西で違う“うなぎ”の話

  • 2016.8.18
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夏になると、うなぎが食べたくなりますよね。滋養強壮の効果があるとされるうなぎは、夏バテ防止にも最適な食材です。

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うなぎといえば「土用の丑の日」ですが、大阪では「まむし」を食べるそう。意外と知らない日本人が大好きなうなぎのこと、紹介します。

■夏だけじゃない、土用の丑の日

江戸時代から、真夏の土用の丑の日にうなぎを食す慣習があります。2016年は7月30日でした。土用の丑の日は春夏秋冬それぞれにあって、2016年は10月22日(土)と11月3日(木)が残るその日です。

なぜ、土用の丑の日にうなぎを食べるようになったのでしょうか。

うなぎは秋から冬にかけて旬の食材です。江戸時代のうなぎ屋が、夏場は客足が減って困ると当時、博学で有名な平賀源内に相談すると、「本日、土用の丑の日」と書いた看板を立てるようアドバイスしました。

すると、その店は大繁盛。ほかのうなぎ屋にも広がり、土用の丑の日にはうなぎを食べる風習が定着したといわれています。

江戸時代は、「丑の日に『う』の字がつくものを食べると夏負けしない」という説があったそうで、平賀源内はそこからヒントを得たとされています。

■東と西で違う、うなぎのアレコレ

ある土用の丑の日、大阪出身の友人に「まむし丼、たべにいこ」と誘われてびっくりしたことがあります。そう、関西ではうなぎを「まむし」というのです。

その語源は諸説あり、ご飯にうなぎを「まぶす」ことからという説や、うなぎを蒸して油を抜く「真蒸す」という説などともいわれています。

●うなぎのさばき方にも違いあり

江戸時代、武士社会が強い関東では切腹をイメージさせる腹開きは縁起が悪いとされ、背開きになりました。

一方、商人文化が強い関西では、腹を割った人間関係になるようにと、腹開きが主流になったとされています。

●焼き方にも東と西で特徴が

関東はさばいたうなぎを1串サイズに切って串を打ち、一度白焼きにします。その後、蒸して脂を落とし、タレを塗りながら焼きます。蒸すことで小骨や皮まで柔らかい蒲焼きに仕上がります。

関西では、さばいたままの長さでタレを塗りながら焼いていきます。蒸す工程がないので、しっかりとした食感の蒲焼きになります。

■スーパーのうなぎをおいしく食べる一工夫

スーパーで買ってきたうなぎの蒲焼きを、家庭でおいしく食べるコツを日本料理のプロに聞いてみました!

まずは、簡単な自家製うなぎの焼きタレを紹介します。

■自家製うなぎの焼きタレ

<作り方>

1、酒、みりん、濃口醤油を同量ずつ用意します。

2、鍋に酒とみりんを入れて火にかけ、アルコールを煮切ります。

3、そこに濃口醤油を入れて一煮立ちさせたらできあがり。

好みで砂糖や水飴で甘味を足してもおいしいとのこと。

次に、うなぎの蒲焼きに一手間加えていきます。

スーパーで売っているうなぎの表面には、片栗粉でとろみを付けたようなタレがまぶしてありますが、それを一度洗い流して水気をよく拭き取ります。そして、先ほど紹介した自家製タレをうなぎに塗りながら焼き直します。

または、こんな食べ方もあります。

タレを洗い流して水気を拭き取ったうなぎをオーブントースターで温めます。フライパンに自家製タレを入れて少し煮詰めたところに温めたうなぎを絡めても、おいしくいただけるそうです。

同じうなぎの蒲焼きでも、東西で風味や食感のまったく違ったおいしさを楽しめます。大阪のまむし丼、味わってみたくなりました。

(今日子)

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