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温かい食事は1日1回? ドイツ人が実践するユニークな食生活

  • 2016.7.9
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大量に肉を食べ、豪快にビールを飲むイメージのドイツ人ですが、オーガニックフード大国であることからもわかるように、健康にもきちんと気を配っています。ここでは、ドイツ在住の筆者の目線で、現地の人が実践する食事法や、体調のすぐれないときに食すものなどを紹介します。

© Robert Kneschke - Fotolia.com

■温かい料理をランチに食べるドイツ人 夕食は軽く

ドイツでは、伝統的には温かい食事は1日1回、昼食時にとることになっています。ドイツ料理で知られる、大きなお肉やソーセージなどをいただくのは、本来はこの時間帯です。

もちろん、最近では各国料理のレストランも増えていますし、外食の際はドイツ料理でも夕食時に温かい食事をとることもめずらしくありません。

また、ドイツは地方色豊かな国ですので、ミュンヘンを中心とするバイエルン地方のように、温めた白いソーセージ(と、なんと白ビール!)を朝食時にとったりするエリアもあります。

最近ではそれほど厳密ではなくなってきましたが、この伝統の食事方式は、その名もずばりkaltes Essen「冷たい食事」 と呼ばれています。

■「冷たい食事」は体にいいの?

「冷たい食事」の内容はたいてい、スライスした黒パンに、ハム・サラミ・ソーセージの薄切り。ドイツでは、スライスしたものでも、「ハム」「ソーセージ」と厳密に呼び分けます。

ほか、チーズ、ピクルスを中心に、たとえばレバーペーストやアスピック、ゆで卵などが適宜加わる感じです。「冷たい」とは「火を使わない」という意味ではないので、ゆでたものでももちろんOKです。

夕食の分量を軽くし、脂っこいものを控えることで、胃への負担が軽くなり、ひいては寝つきが良くなるそうです。黒パンは白パンよりも太りにくいと言われていて、なかには「冷たい食事」はダイエット効果があるという人も。

また、女性にうれしいのが、準備・後片付けが楽なこと! 「冷たい食事」が定着したのは、働く女性が多いという社会環境もあるのかもしれません。

この「冷たい食事」の伝統が最も忠実に守られているのが入院中の食事でしょう。でもこの内容、よく見ると、朝食とほとんど変わらないんですよね。朝食にはジャムなどがつくくらい。

病院では、夕食時の「冷たい食事」の代わりにセモリナ小麦のおかゆが出たりすることもありますが、さすがに何日も続くと、飽き飽きする以前に、体力がなくなってくる感じがします。

ただし、実際に「冷たい食事」体験した日本人のなかには、翌朝、おなかの調子がいいという人もいます。たしかに日本でも、夕食は軽めのほうがいいといいますから、「冷たい食事」にも一理あるのかもしれません。

■ドイツ名物「白アスパラガス」はデトックスに効果的

体の調子が悪いときに食されるものには、おなかの調子を整えるフェンネル、デトックスに効果的なアスパラガスや、イラクサのお茶などが一般的です。アスパラガス、とくに春~初夏が旬の「白アスパラガス」はドイツ名物として有名ですが、とにかくデトックス効果がすごいそうです。

アスパラガスを食して1時間もすると、トイレでお小水をしたときのにおいがきつくなるのがわかります。緑のアスパラガスでも同じですが、白のほうが効果が強い気がします。「悪いものが出ているな」という感じです。

緑のアスパラガスは日本でも普通に食していましたが、このにおいには気がつきませんでした。

■風邪をひいたらラスク?

ドイツに暮らしていると、風邪をひいたときによくすすめられるのが、プレッツェル。アルカリ溶液に浸すので、消化が良いのだとか。

ほかには、コーラ(砂糖で元気が出る?)、そしてラスク(消化が良いとされている)などです。コーラは一部の人だけかもしれませんが、ちょっと不思議な感じがします。

とくにラスクは小さい頃からの習慣で、大人になっても実践している人が多いよう。有名なブランドのものは幼児のイラストがパッケージに描かれているのですが、風邪をひいた成人男性がこのラスクをカモミール茶などに浸しながらちびちび食べる姿には、ちょっと微笑ましいものがあります。

(モーゲンスタン陽子)

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